メニューが豊富で値段も手頃なイタリアンレストランといえば……そう、「オリーブの丘」である。意見が分かれるかもしれないが、個人的にここは譲れない。

イタリアンを提供するファミレスチェーンは他にもいろいろあるが、「オリーブの丘」が特に優れているのは、「豪華な素材を贅沢に使い、かつ高いコストパフォーマンスで提供する」という点にある。

つい先日も友人と利用し、バラエティに富んだメニューを思う存分に堪能したのだが、中には期間限定の激ウマメニューもあったので、この機会を見逃すことのないようここで詳細をレポートさせていただきたい。

カニ、牡蠣、金目鯛……冬の旬ネタがズラリ!

「オリーブの丘」は、本場イタリアの食材を使用したパスタやピザが楽しめるファミリー向けのイタリアンレストランだ。素材を活かした料理づくりをモットーに掲げ、月替りメニューも多数用意。毎日食べても飽きないよう豊富なラインナップを取り揃えている。

この日も見慣れないメニューを多数発見。魅力的なメニューがありすぎていつも悩まされるが、そういうときは月替りメニューを中心に攻めていけば間違いない。ということで、さっそくこの日オーダーしたメニューを順に紹介していこう。

まずはドリンクに、「ノンアルコール マカリオ~アランチャータ・ロッサ~」「ノンアルコール マカリオ~リモナータ~」(各539円)をオーダー。マカリオは1952年に設立されたイタリアの老舗メーカーで、可愛らしいデザインが特徴的なカクテル風ノンアルコールドリンクで人気を博している。

まずは乾杯。それぞれ飲んでみたが、こりゃイケる。

リモナータのほうはフレッシュでみずみずしいレモンの酸味とほんのりとした苦味のバランスが絶妙。甘さもナチュラルなので、食事にも合いそうだ。アランチャータ・ロッサは果汁感に溢れ、ブラッドオレンジらしい豊かな風味と香りに満ちている。行ったことはないが、すでに気分はシチリアである。

続いて到着したのは「牡蠣とブロッコリーのフリット」(429円)。こちらは月替りアンティパスト(イタリアンのコース料理の最初に出される料理)で、11月15日から提供されているようだ。この時期の牡蠣はちょうど旬。スルーできるわけがない。

実際に食べてみると、これがまぁ〜ウマい。そもそも牡蠣のフリットは初めて食べたが、フライや天ぷらとはまた違った良さがある。衣はサクッ!と軽快で、身はふっくらとしていてジューシーだ。酸味の効いたマヨネーズソースもよく合う。ブロッコリーのほうもパリッパリの衣とホックホクの中身のバランスが見事で、いくらでも食べてしまいそうだ。

なお「牡蠣とブロッコリーのフリット」は12月14日までの期間限定。15日以降は新たに「赤エビと貝のブイヤベース~リボナータ仕立て~」が月替りアンティパストとして登場するという。もう、そんなの美味しいに決まってるよね。

お次はチーズフォンデュだが、ただのチーズフォンデュではない。モッツァレラチーズを使った「モッツァレラフォンデュ」(429円)である。ローソクが付いた状態で提供されるので、常にアツアツのチーズが楽しめる。これをガーリックバタートーストでいただくと……

ああ、至福!! モッツアレラチーズはとろっとろで味わいも濃厚。すごくミルキーで、ほのかな甘みも感じられる。ガーリックバターが効いたトーストとも相性抜群で、これで429円は神コスパというほかない。もちろん、シャキシャキのパプリカとの相性もバッチリだ。

そしてこちらは「金目鯛のアクアパッツァ」(539円)。小さめサイズのスキレットだが、大きな金目鯛の切身とたっぷりのアサリ、カットトマトがぎっしりと詰め込まれている。見た目の豪華さもさることながら、立ちのぼる魚介の香りがたまらない!

金目鯛は分厚くてホックホク。アサリのエキスやニンニク、白ワインの風味も身の奥まで染み込んでいて激ウマだ。アサリと一緒に食べるとなおウマい。旨味の凝縮された煮汁は、そのままパスタソースとして使いたいレベル。金目鯛の最も美味しい旬の時期は、脂が乗った12月頃だという。ぜひ今こそ食べてみてほしいメニューだ。

「モッツァレラフォンデュ」も「金目鯛のアクアパッツァ」も、それぞれワンコイン前後のお手頃価格という点も嬉しい。ワインにも間違いなく合うだろうが、パスタやピザにもう一品プラスしたい、というときにもおすすめである。

そして、ついにやってまいりました。「紅ずわい蟹のクリームソース~クロケッタのせ~」(649円)。毎月1日に更新される「月替りパスタ」で、12月のメニューがこの紅ずわい蟹のクリームソースというわけである。

「オリーブの丘」の月替りパスタは、「オリーブの丘でイタリア周遊」というテーマを設け、毎回イタリアの地方をイメージした商品を提供しているそう。今回は水の都として世界的に有名なヴェネチアをイメージし、イタリアでコロッケを意味する「クロケッタ」を丸ごとパスタに乗せたとのこと。肝心のお味はというと……

ウッッッマ! ひと口食べるごとに、濃厚なカニの風味が怒涛のごとく押し寄せてくる。このクリームソースのとろっとした感じも最高。おかげで、カニのほぐし身がガッツリと絡みついてきてくれる。子どもから大人まで万人が楽しめる、文句なしの逸品である。

クロケッタもクリーミーでカニの上品な旨味がぎゅっと凝縮されていて美味しい。パスタとフライを同時に味わうというのは新体験である。食感的なアクセントにもなっているし、これは実に良いチャレンジだったのではないだろうか。これで649円は破格だ……。

食後のデザートには、季節のドルチェ「大人の焼りんごパイ~甘酸っぱいベリーカスタードをかけて~」(462円)をオーダー。アツアツの鉄板で運ばれてきた焼りんごパイ。その上にはラムレーズンアイスも乗っている。さっそく切り分けて食べてみると……

「熱っ! 冷たっ! う、うう、ウマっ!!」とプチパニックに。焼き立てでアツアツのりんごパイと、ひんやりしたアイスクリームが最高のコンビネーションを発揮している。パイ生地はサクサクで、中のりんごはゴロッと大きくシャッキシャキ。とろりとしたラムレーズンアイスはほんのり大人味で、スイーツに高級感をもたらしてくれる。

ラストは酸味の効いたベリーカスタードソースをかけてフィニッシュ。さらに味が重層的になって、とても高い満足感と満腹感が得られた。ふ〜、どれもウマかったぁ。

カニや牡蠣、金目鯛など、贅沢な味をたっぷりと堪能できてお値段はなんと大人ふたりで3586円。それぞれ本場のカクテル風ノンアルコールドリンクを飲んでもこの価格である。お会計に対し、満足感の高さが突き抜けている。

というわけで、イタリアンなファミレスチェーンなら、「オリーブの丘」を推したい。ぜひ一度、旬の味覚を味わってみてほしい。