――橋本愛さんとも初共演でしたが、いかがでしたか?

本当のお母さんみたいでした。すごく気にかけてくださって、いろいろなお話もできて、本当の親子のような関係でした。クランクアップされたときはもう現場に来られないのだと思うと寂しかったです。

――印象に残っている橋本さんとのやりとりを教えてください。

お菓子や飲み物を差し入れてくださったり、私の長台詞のシーンのあとに「お疲れ様」と声をかけてくださったり、最後にはお手紙もくださって、そういった心遣いがとてもうれしかったです。またご一緒したいです。

――橋本さんの演技からも刺激を受けましたか?

母としてどっしり構えていて、静かだけど芯を持っている女性をとても上手に表現されていて、歌子の母としても役者さんとしてもかっこいいなと思いました。

――歌子のおしゃべりな部分は栄一さんから受け継いでいるようですが、千代さんから受け継いでいるなと感じている部分は?

渋沢栄一さんの娘としてすごく厳しく育てられた子で、マナーや所作は千代さんの教育によるものだと思います。また、明るくてはっちゃけているけど、ちゃんとするところはする。そういうところは千代さんから受け継いだところだと思います。しっかりしていて、頭を働かせて動けるというのは、千代さんに似ていると思います。

――吉沢さん、橋本さんのほかにも刺激を受けた方はいますか?

高良健吾さんと共演するシーンが多かったのですが、監督に質問されたり役に対する追求を惜しまずに演じられている姿を見ると、自分ももっと貪欲に役を生きていかなければいけないなと思いました。

――最後に、歌子の魅力を含めてファンにメッセージをお願いします。

自分なりに精一杯、歌子を演じたので、歌子の明るくて真っすぐで素直で元気なパワーを感じていただけたらうれしいです。そして、作品全体を楽しんで、最後まで見届けていただけたらうれしいです。

■小野莉奈
2000年5月8日生まれ、東京都出身。2017年8月にフジテレビ『セシルのもくろみ』のスピンオフドラマ『セシルボーイズ』で女優デビュー。2018年に短編映画『アンナとアンリの影送り』に初主演。同年、TBS『中学聖日記』の岩崎るな役で民放連続ドラマ初レギュラーを果たし、注目を集める。2019年には『アルプススタンドのはしの方』で舞台初出演。2021年、『青天を衝け』で大河ドラマ初出演を果たした。

(C)NHK