ホーローとはどのような素材なのか知っていますか? 身近なアイテムによく使われているため、意識せずに愛用していて特徴までは知らないという人も多いかもしれません。

そこで本記事では、ホーローが人気の理由や特徴、デメリットやお手入れ方法などを紹介します。普段の暮らしにぜひお役立てください。

  • ホーローとは?

    機能性が高くて美しいホーロー

ホーローとは

ホーローとは、金属素材の表面にガラス質を高温で焼き付けて作ったものです。聞き慣れないと感じる人もいるかもしれませんが、ホーローは身近な素材として調理器具や食器などによく使われています。まずはどのような素材なのかを解説していきます。

ホーローの特徴

ホーローは表面にガラス質を焼き付けていることから、美しい光沢が出るのが特徴。多様な色や柄が施され、デザイン性に優れた製品が多くあります。また、見た目の美しさだけでなく機能性も高いため、ホーロー製品は料理好きを中心に人気を集めています。

キャンプで人気の理由

日常生活で使う製品に多く使われているホーローは、キャンプ用品としても活躍します。マグやケトルなどをキャンプに持参する人は、ホーロー素材のものを選ぶと直火で使えて便利です。保温性にも優れているので、使い勝手の良いアイテムとしてキャンプでも重宝されています。

ホーロー看板とは

ホーローと聞くと看板を思い浮かべる人もいるかもしれません。昭和初期~中期ごろ、ホーローで作られた「ホーロー看板」は街のいたるところに掲げられていました。今は街中で見かけることはほとんどありませんが、レトロな魅力を愛するファンも多くいて、オークションやフリマアプリで取り引きされるホーロー看板も見受けられます。

  • ホーローのメリット

    ホーロー看板はアンティークとしても人気です

ホーローのメリット

ホーローは見た目の美しさだけでなく機能性の高さも魅力です。特に大きなメリットとして、以下の4つが挙げられます。

  • 直火やオーブンで使える
  • 容器に匂いが移りづらい
  • 保温性や冷却性に優れている
  • 汚れがこびりつきにくい

上記メリットをそれぞれ詳しくみていきましょう。

直火やオーブンで使える

優れた耐久性・耐熱性を持つホーロー。急激な温度変化には弱いものの直火・オーブンで使えます。美しいデザインの製品も多いため、調理後にそのまま食卓に並べてもいいでしょう。

ただし、直火で使う際には空焚きしないよう注意が必要です。中身を入れずに直火にかけるのはやめましょう。もし空焚きしてしまったら、水をかけずに温度が下がるまで放置してください。

容器に匂いが移りづらい

ホーローは表面がガラス質であることから、匂いが移りづらいのも大きなメリットです。大抵の匂いは問題なく落ちるでしょう。匂いの強い食材を入れる場合は、使い終わったあとに放置せず、早めに洗って乾燥させてください。

保温性や冷却性に優れている

ホーローは高い保温性をもった素材でもあります。その保温性の高さから保存容器の素材としてもよく使われています。一方、冷却性にも優れているため、すばやく冷やす必要がある料理などを作るときにも便利です。

冷蔵庫での保管も問題ありませんが、急激な温度変化には弱いため、冷蔵庫に入れる際は料理や容器の温度が常温に下がってからにしましょう。

汚れがこびりつきにくい

表面がガラス質であるホーローには、汚れがこびりつきにくく落としやすいというメリットもあります。ひどい焦げ付きでなければ、食器用洗剤とスポンジで汚れが落ちるはずです。効率よく家事を進めたい人にもおすすめのアイテムといえるでしょう。

  • ホーローのデメリット

    直火でも使えるホーローはメリットの多いアイテム

ホーローのデメリット

ホーローには多くのメリットがある一方でデメリットも存在します。

  • 衝撃に弱い
  • 電子レンジで使えない

ここからは、デメリットについても紹介します。

衝撃に弱い

ホーローの表面はガラス質のため衝撃に弱いというデメリットがあります。高いところから落としてしまうとヒビが入ったり割れたりしてしまうでしょう。取り扱うときは、強い衝撃を与えないよう注意しましょう。

電子レンジで使えない

ホーローには、電子レンジで使えないというデメリットもあります。

電子レンジは電磁波を利用した分子の摩擦によって食材を温める仕組みです。金属が下地であるホーローは電磁波を反射してしまうため、食材を温められません。また、発火して故障する恐れもあるので、電子レンジでの使用はやめましょう。

  • ホーローの英語表現

    ホーローのデメリットは衝撃に弱い点と電子レンジで使えない点

ホーローの漢字表記と英語表記

カタカナで表記されることの多いホーローですが、実は漢字表記も存在しています。また、英語ではどう書くのかも気になるところ。ここではホーローの漢字表記と英語表記を紹介します。

ホーローの漢字表記

ホーローは漢字で書くと「琺瑯(ほうろう)」となります。初めて見る漢字だという人も多いのではないでしょうか。画数も多く書きづらいことから、大抵はカタカナで「ホーロー」と表記されています。

ホーローの英語表記

ホーローは英語の場合「enamel」となります。カタカナ表記なのでホーローという英単語がありそうなものですが、ホーローと読む英単語は存在しません。海外でホーローと言っても通じないので注意してください。

エナメルというと靴やバッグなどでよく見る、つやつやした光沢のある素材が思い浮かぶのではないでしょうか。食器や鍋の印象と結びつきにくいかもしれませんが、ホーローも同様に光沢のあるアイテムだと考えると、イメージしやすくなるでしょう。

  • ホーローを使ったアイテム

    ホーローは漢字では「琺瑯」、英語では「enamel」

ホーローを使ったアイテム

ホーローのメリットを知り、実際に使ってみたいと思い始めた人もいるでしょう。身近なアイテムでホーローが使われているものは数多くあります。ここでは、代表的なアイテムを紹介していきます。

ホーロー鍋

ホーロー製品の中でも、特によく見かけるのが鍋です。ホーロー鍋は飲食店に限らず、一般家庭にも広く普及しています。意識していないだけで、ホーロー鍋を持っている人は多いでしょう。

ホーローマグ

ホーローマグも鍋と同じように広く普及しているアイテムです。素材の特性から、ホーローにはデザイン性が高いという特徴もあります。色も美しいものが多いので、普段使いはもちろん贈り物としてもおすすめです。

ホーローバット

料理の下ごしらえなどをする際に便利なバット。ステンレス製やアルミ製のほかにホーロー製のものも多く販売されています。温かい料理でも冷たい料理でもホーローの特性が活かされるので、料理の幅も広がりそうです。

ケトル

ホーローはケトルの素材としても使われています。熱伝導率に優れているので、一般的なステンレス製などと比べて短時間で沸くのがメリットです。

保存容器

匂いが移りづらいという特徴を持つホーローは、保存容器としても古くから人気があります。ぬか漬けのような匂いが強い食品の保存にもおすすめです。

洗面化粧台

意外に思われるかもしれませんが、洗面化粧台にもホーローで作られたものがあります。汚れが落ちやすいという特性から、さまざまな汚れがつきやすい洗面化粧台に適した素材であるとされています。ただし洗面化粧台に使われるときは、鍋やカップとは少し違う加工が施されます。

先述のとおり衝撃には弱く、表面が割れてしまう可能性があるのでホーロー製の洗面化粧台には硬いものをぶつけないよう注意が必要です。

ホーローパネル

ホーローはキッチンパネルの素材としても使われることがあります。調理中に飛び散った汚れも落としやすいので、キッチンの掃除が楽になるのがメリットです。

ホーローおまる

ホーローおまるは、近年注目されている「おむつなし育児」で定番とされているアイテムです。また、災害時に役立つアイテムという一面も。おむつなし育児や防災グッズに興味があれば、ぜひチェックしてみてください。

  • ホーローのお手入れ方法

    ホーローを使ったアイテムはたくさんあります

ホーローのお手入れ方法

汚れを落としやすくお手入れも簡単なのが魅力のホーロー。簡単な汚れであればやわらかめのスポンジで十分落ちるでしょう。洗ったあとは水分を拭き取ってしっかり乾燥させてください。乾燥が不十分だとサビが生じてしまう可能性があるため注意が必要です。

食洗機も使用可能

マグカップや保存容器を使う場合、食洗機に使えるかどうかも気になるポイントではないでしょうか。基本的に食洗機でホーロー製品を洗うことは可能です。ただしホーローは衝撃に弱いので、他の食器とぶつかって割れないよう工夫しましょう。

ホーロー鍋の焦げ付きには重曹

調理でホーロー鍋を焦げ付かせてしまったときは重曹が便利です。焦がした鍋にぬるま湯・大さじ1の重曹を入れたら火にかけます。沸騰したら火を止めて数時間放置してください。

時間を置いてからスポンジで洗うと汚れが落ちるでしょう。汚れがひどいときは何度か繰り返すと落ちるはずです。

  • 美しくて機能性が高いホーローを毎日の生活で活用しよう

    ホーローの焦げ付きは重曹で落としましょう

ホーローの鍋や保存容器を使ってみよう

ホーローはお手入れが簡単で、機能性・デザイン性にも優れた素材です。衝撃や焦げ付きに注意すれば、長く使えるアイテムとなるでしょう。

ホーローをつかったアイテムは多くありますが、初めて使う場合は手軽に購入できる鍋や保存容器から始めてみるのがおすすめです。今回ご紹介した点に注意しながら、ぜひ日常生活にホーローを使ったアイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか。