いざ、実食

続いて、それぞれをお店でスタンダードなメニューとして押し出しているうどんを実食して紹介していきたいと思います。

■丸亀製麺

まず丸亀製麺では、「ぶっかけうどん(冷)」の並を注文しました。うどんの量は300g(ショウガ、ネギ、揚げ玉含む)でした。

  • 「ぶっかけうどん(冷)」(並 320円 +容器・包材代 30円)

    「ぶっかけうどん(冷)」(並 320円 +容器・包材代 30円)

「ぶっかけうどん」は、讃岐うどんの食べ方の一つで、ざるのうどんをつけ汁で食べるのが面倒だったお客さんが、うどんにダシをぶっかけたことから生まれたメニューといわれています。

  • うどんリフト

    うどんリフト

丸亀製麺の売りは国産小麦100%の自家製うどんです。冷たいダシと揚げ玉と薬味だけでシンプルにいただきます。少し甘めでしっかりと濃いダシはうどんによく絡み、小麦の本来の風味と、そのままの味を引き立ててくれます。

うどんの上には揚げ玉と、薬味のおろし生姜とネギが乗っています。ネギと生姜が歯応えと風味にアクセントを与えてくれます。

■はなまるうどん

お次に、はなまるうどんでは「ぶっかけうどん(冷)」の小をテイクアウトしました。うどんの量は265g(ネギ、おろし大根、レモン含む)でした。

  • 「ぶっかけ(冷)」(小 320円)

    「ぶっかけ(冷)」(小 320円)

こちらも同じくぶっかけうどんですが、丸亀製麺とのわかりやすい違いは、うどんの上に乗っているトッピングの内容です。ネギは共通していますが、そこに生姜の姿はなく、大根おろしとレモンが乗っかっています。

  • うどんリフト

    うどんリフト

はなまるうどんのこだわりは、うどんを打つのにも、茹でるのにも香川の高松水系に近い硬度の軟水を使用していることです。これによりうどんに粘りと喉越しが生まれるんだとか。それを茹でたあとに冷水で締めるので、その弾力は抜群。もちもちです! 初めて食べる人なら驚かないはずがありません。

さば節、煮干し、宗田鰹節、鰹節、うるめいわし節の5種類から出汁をとり、数種類の本醸造醤油をブレンドしたコクのあるダシと一緒に口に放り込み、複雑な余韻を楽しみつつ嚼を繰り返すこと数十秒。うどんの甘みが引き出されていきます。トッピングのおろし大根と レモンが爽やかさを演出してくれます。

ちなみに、はなまるうどんでは「小」がレギュラーのサイズになります。女性がたっぷり食べたいときに、「大盛りでください」と言わず「中ください」とオーダーできるという配慮なんだそうです。

■杵屋

杵屋では、「杵屋のきつねうどん」(773円)をいただきました。うどんの量は298g(ネギ含む)でした。

  • 「杵屋のきつねうどん」(670円)

    「杵屋のきつねうどん」(670円)

おなじみの醤油や味醂で甘く煮た油揚げが乗っています。定番メニューの中でお店の名前を冠するこのメニューをチョイスしてみました。

  • うどんリフト

    うどんリフト

杵屋では、讃岐の伝統的な手打ちうどんの技法を取り入れながら、ダシは関西風の透き通ったものを使用しています。

薄味でさっぱりしているダシを存分に楽しみつつ、モチモチとしたうどんを噛みしめて味わうことができます。寒い日に食べたらダシまで飲み干してしまうこと間違いなしですね。

  • ずっしり油揚げリフト

    ずっしり油揚げリフト

また注目したいのは、油揚げの分厚さですね。ダシをたっぷり吸っていて、なんともジューシー。かぶりつくと油揚げの甘しょっぱさと、ダシの風味が口の中に溢れだします。さっぱり目のうどんの合間に、油揚げをかじり、スープと一緒に飲み下す。完璧なループ。添えてある蒲鉾がかわいらしく、彩りもグッドですね。

■なか卯

なか卯では、「はいからうどん」の並をオーダー。うどんの量は241g(ネギ、揚げ玉、ちくわ含む)でした。

  • 「はいからうどん(温)」(並 290円)

    「はいからうどん(温)」(並 290円)

あげ玉の乗った、関東で「たぬきうどん」と呼ばれるメニューですが、関西では「はいからうどん」と呼ぶそうで、なか卯ではその呼称を採用しています。

  • うどんリフト

    うどんリフト

かつお・昆布を中心に使用した京風のダシは、お店でその日に使う分を煮出しているんだそうです。杵屋よりもさらに色の薄い印象ですね。うどんは、気持ち細めの印象で、モチモチと歯ごたえがありながらのど越しのよさが際立ちます。

揚げ玉は、トッピング専用に作られたものなので、焦げがないきれいな色をしています。あおさのかまぼこは甘さの中に磯の香りがほんのりと。全体にやさしく上品なバランスが保たれているしみじみおいしい一杯でした。

チェーン店うどん総括

という具合で、それぞれのチェーンの定番メニューを紹介してみました。どのお店もうどんとダシが分かれて容器に入れられているので、伸びてしまうこともなくおいしく食べることができました。容器の密閉性も高く持って帰るうちにダシがこぼれてしまうということもありません。ただ揚げ玉はうどんの上に乗せられている関係でふやけてしまうのが難点で、気になる方は別にしてもらえるかお店の方に相談してみてもいいかもしれません。

頼んでいるメニューが違ったりしていますが、単純なうどんの量は、丸亀製麺>杵屋>はなまるうどん>なか卯という順で多く、値段に対するうどんの量では、丸亀製麺、はなまるうどん、なか卯はほぼ同じという結果でした。

今回は、東京都心に進出しているチェーンを扱った関係で、関西・四国系に類するシコシコとした歯応えのあるうどんが多かったですが、関東には食感が「ゴツゴツ」と評されるほどにコシの強い武蔵野うどんがありますし、国内には伊勢うどんや博多うどんのようにコシの弱いうどんも存在します。関東ローカルには、埼玉をメインに展開する「山田うどん」もあります。また讃岐うどんに並び三大うどんとされる秋田の稲庭うどん、群馬の水沢うどんが、さらに長崎の五藤うどん、富山の氷見うどんを加えた"五大うどん"というものあったりします。

身近なものですが、改めて知ってみると、実は奥が深いうどんの世界が広がっています。興味が出てきた人は全国うどんの旅なんていかがでしょうか。


取材・文=古屋敦史、構成=小山田滝音(ブラインドファスト)