相模鉄道は9月から、相鉄・東急直通線用(東急線内は目黒線直通用)の新型車両21000系を運行開始した。見た目は20000系とほとんど変わらないが、10両編成の20000系に対し、21000系は8両編成で登場した。

  • 相鉄・東急直通線用の新型車両21000系。現在は相鉄線内で運用されている

横浜市内に住む筆者にとって、相鉄線も東急線も身近な路線であり、相鉄・東急直通線の動向も注目している。2022年度下期に予定される相鉄・東急直通線の開業に先立ち、10月の平日を利用し、現在は相鉄線内で運用される21000系に乗ってきた。

筆者が乗車した列車は、横浜駅を15時台に発車する快速海老名行。使用車両は21000系の21103編成だった。お昼すぎに横浜駅を発車する列車で、10両編成より2両少ない8両編成ということもあり、発車前から車内はやや混雑していた。快速は横浜駅を発車すると、相鉄本線の星川駅と西谷駅に停車し、西谷駅から先は各駅に停車する。

  • 横浜市内を走る21000系

今年登場した21000系(8両編成)の外観・内装は、2018年から運行している20000系(10両編成)とほぼ同じ。「YOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマネイビーブルー)」の車体に、グリル状の装飾と非常扉を備えた前面を有している。東急線への直通運転に対応するため、車体幅も相鉄の他の車両と比べて狭くなっている。

内装はグレーを基調とした空間となっており、座席はライトグレーのロングシート。程よいやわらかさで体を支える。吊り革はグレーの色で握りやすい横長の楕円形。一方、優先席の座席は赤色、吊り革は黄色となっている。袖仕切りはガラス張りで開放感がありながらも、座っている乗客とドア横に立つ乗客の干渉を避けられる。各乗降ドアの上部には、大型のディスプレイを2画面設置。相鉄ならではの鏡も、乗務員室の後ろに設置されていた。

車端部の一部座席は「ユニバーサルデザインシート」となっており、座席が若干高く、小さく設計され、座席同士の間に手すりが設けられている。通常の座席に慣れていると、座り心地に違和感を覚えるかもしれないが、足の弱い利用者が立ち座りしやすくなるように工夫されているという。

  • 20000系・21000系の内装はほぼ共通(写真は20000系)

正直なところ、相鉄線内での乗車であれば、21000系は「20000系の8両編成バージョン」と思ってもなんら問題ないだろう。ただし、20000系と異なる点もあり、直通運転を行う予定の東急目黒線に合わせ、2号車のフリースペースの位置が3号車側に変更されている。その他のフリースペースは20000系と共通で、1号車では8号車側(海老名・湘南台方)、3~8号車では1号車側(横浜・羽沢横浜国大方)に設置されている。

20000系と21000系では、車両の外側にある非常用ドアコックの位置にも変化がある。20000系の非常用ドアコックは車端部の両側にあったが、21000系の非常用ドアコックは車端部の片側と車体中央付近の床下にあり、赤い逆三角形で位置が示されている。車体中央付近床下のドアコックに関しては、ホームドアがあっても位置がわかるように、中央付近の乗降ドア上にもマークが表示されている。なお、21000系は8両編成のため、ホームの前寄りまたは後ろ寄りに停車しない部分ができる。乗車する際、足もとの乗車位置も確認しておきたいところだ。

さて、筆者が乗車した21000系の快速は、高架化された星川駅を発車した後、地上に降り、和田町駅、上星川駅を通過。西谷駅で相鉄・JR直通線と合流した。現在、20000系・21000系ともに相鉄線内のみの運行となっているが、相鉄・東急直通線が開業すれば、西谷駅から羽沢横浜国大駅へ、そして新横浜駅および東急線方面へ乗り入れることになる。

21000系に関して、相模鉄道から「東急線内は目黒線直通用」と発表されたが、一方の20000系は10両編成のため、東横線へ直通すると予想される。相鉄・東急直通線が開業すれば、10両編成の20000系と8両編成の21000系では行先が異なるかもしれない。その際は乗り間違いにも注意したい。

  • 相鉄・JR直通線開業で大きく変化した西谷駅周辺を21000系が走る

相鉄線の列車は二俣川駅で海老名方面(相鉄本線)・湘南台方面(いずみ野線)に分かれるが、今回乗車した快速は海老名方面へ進む。二俣川駅で先行していた湘南台行の各駅停車に追いつくため、同駅で接続が図られた。筆者の周囲を見たところ、この電車が新型車両であることを気にする人はとくにいなかった様子。外観がほぼ20000系と同じだけあって、利用者の日常にあっという間になじんだようにも感じられる。

二俣川駅を発車した快速は、希望ヶ丘駅、三ツ境駅、瀬谷駅の順に各駅に停車。横浜市西部の住宅地を走行し、瀬谷~大和間の境川を渡って大和市へ。その直後に地下区間となり、大和駅に到着した。ここで小田急江ノ島線との乗換えと思われる乗客の入れ替わりが見られた。

  • 相鉄線の上り列車は、三ツ境駅から横浜方面に向かって勾配を駆け下りる

  • 21000系の快速海老名行が相模大塚駅に到着

大和駅を発車すると再び地上区間に上がり、相模大塚駅、さがみ野駅、かしわ台駅の順に停車。厚木操車場への厚木線が分岐する相模国分信号所を越えると、進行方向右側から小田急小田原線が近づき、16時32分に終点の海老名駅に到着した。横浜駅から海老名駅まで、少しずつ乗客の入れ替わりがあったものの、やや混雑した状況が終点まで続いたようだった。

今回乗車した21000系は海老名駅到着後、すぐに回送列車となって折り返したが、帰りにかしわ台駅を通りかかった際、4番線ホームに停まっていた。21000系の本数はまだ多くないため、狙って乗るとなると意外に時間を要するかもしれない。ホームの電光掲示板や接近放送で「8両編成」と案内されたら、21000系が来る可能性があるだろう。

なお、相鉄線内のみならず、東急線や都営三田線などにも21000系が回送され、検車区・検修場に入線している様子も目撃されており、SNS等で話題になった。相鉄の公式Twitterにて、21000系の4編成目がかしわ台車両センターに到着したことも報告されている。現時点で運行本数やダイヤなどの詳細は未定だが、相鉄線が東急線に直通するための準備が徐々に実を結びつつあるように感じる。