• レギュラー初回で放送した「屋台崩し」 (C)フジテレビ

ラリータ:せいや(=霜降り明星)さんも太田(光)さんのキャラとか、楽しそうにやってますもんね。

樅野:せいやは特番のとき「フジテレビでコントやってるって感じがしますね!」って興奮してましたもんね。セットはお金かかってるなあと思いますよ。

ラリータ:最初の崩れるセットとか、びっくりしましたよ。制作費すごいかかるだろうなと思うけど、美術さんも喜びますよね。

木月:そうそう、すごく喜びます。

樅野:やっぱみんな腕振り回しますよね。「よっしゃ!」って。

木月:でも美術さんがすごくて、昔はもっとお金かかってたと思うんですけど、今はそんなにお金をかけないでもかかってるように見せられます。そのフジテレビ美術ならではのノウハウがすごいです。

ラリータ:なるほど、それは面白い。

木月:昔は『ココリコミラクルタイプ』でクジラの腹の中のセット作るのに2000万かかってました。しかも総集編で数分使うだけのセットにですよ。あれが2005年とかですから。

ラリータ:『スマスマ(SMAP×SMAP)』で、木村(拓哉)さんと稲垣(吾郎)さんがやってたパラパラってあったじゃないですか。あれで、ジュリアナ東京のセットまるまる作ったら3000万くらいかかって、プロデューサーにめっちゃ怒られました。でも、当時はそんなこと関係なくやってましたよね。「面白いじゃないですか!」って言って(笑)

樅野:昔はプロデューサーがお金の話したら怒る演出いたなあ(笑)

ラリータ:そこが変わってるんですね。美術さんから「お金かかるけど大丈夫?」って相談してくれるようになったりとか。

木月:全く変わってますよね。お金かけずにうまくやってくれるので、別のコントのセットの骨組みを使って、表面だけ変えて流用してたりもしますし。局が元々持っている骨組みの種類が、圧倒的に多いのがすごいです。

樅野:「スケボーゴン攻めビッタビタ選手権」とか、OA見たらとんでもないセットできてるなあと思いましたもんね。「テレビってすごいなあ!」って。

  • 「スケボーゴン攻めビッタビタ選手権」 (C)フジテレビ

木月:コント番組って、ある意味“美術ショー”でもありますからね。

樅野:子供の頃にテレビ見て「いいなあ、芸能人ってこんなでっかいセットでこんな遊びできて」って思ってたけど、『新しいカギ』のセット見て、本当に楽しそうだなって思いますもん。

木月:美術さんもやりたがるんですよ。若手デザイナーの永井(達也)くんに「屋台崩し(=セットが崩れるコント)をやりたい」って収録の1週間前に言って、怒られるかな…と思ったら「やりたいです!」って乗ってくれて。

ラリータ:フジテレビってそうなんですよね。「古い」とか言われるかもしれないけど。

樅野:フジテレビのノリってありますよね。

木月:あの「屋台崩し」は前日にリハをやったら屋根をちゃんと作りすぎていて重すぎて、そのままやったら事故になるかもしれなかったんですよ。それで、永井くんと「どうしよう…」って困ってたら、『(さんまのお笑い)向上委員会』の収録が終わった(渡辺)琢さん(『ワンナイR&R』演出)がふらっと現れて、相談したらいろいろアイデア出してくれたんです。それで、1日で作り変えることができたんですよ。

ラリータ:へぇ~、いい話!

樅野:ただの釣り好きのおじさん(※1)じゃないんですよ!

(※1)…監修を担当する『アウト×デラックス』で “釣りおじさん”としてたびたび登場

木月:そういう上からの教えがあるので、ありがたいですよ。先輩方もコント大好きだから、めちゃめちゃアドバイスをくれます。

――渡辺琢さん、『ドリフに大挑戦スペシャル』をやってましたよね。

木月:はい。またいろんなノウハウを学ばせてもらおうと思います。

■粗品「まな板事件」の真相は…

―― 一方で演者さんも本気で挑んでるというのは、「まな板事件」(※2)のエピソードからも伝わってきます(笑)

(※2)…実家が焼き肉屋の霜降り明星・粗品がゲストに焼き肉を振る舞ってトークするコーナーで、粗品がスタッフの用意したまな板に納得せず激怒したと報じられた。

木月:ADさんがちょっとミスしてしまった話が大げさに描かれていて。ネットニュースで収録が3時間遅れたっていう話になってるんですけど、本当は15分しか押してないんですよ(笑)。盛られすぎなんです。3時間も押すわけないでしょう。そんなに押したら大事件ですよ。

  • 「焼肉屋ソシナ」 (C)フジテレビ

――今田耕司さんが早速「まな板」をイジってましたよね(笑)

木月:打ち合わせのときに「あのまな板やろ!」ってすぐ見つけられて、絶対本番で言うだろうなと思いました(笑)

ラリータ:そうやってイジってくれるのはありがたいですよね。