12月に2夜連続で放送されるテレビ朝日系スペシャルドラマ『女系家族』の出演者が10日に発表された。

  • 上段左から水川あさみ、山本美月、渡辺えり、伊藤英明、余貴美子、奥田瑛二=テレビ朝日提供

大阪・船場で四代続く“女系筋”の老舗木綿問屋「矢島商店」。当主・矢島嘉蔵が亡くなったことで、莫大な遺産を巡って総領娘・藤代を筆頭とした三姉妹の醜くもし烈な争いが繰り広げられようとしていた。そこへ現れたのは嘉蔵の愛人・浜田文乃。遺産相続争いは思いもよらぬ展開を見せていく――人間の欲望、嫉妬、愛憎を赤裸々に描き、世の中を震撼させた山崎豊子氏の『女系家族』。嘉蔵の愛人・文乃を宮沢りえが、矢島家の総領娘・藤代を寺島しのぶが演じ、令和の日本に「遺産相続ドラマ」の最高傑作を蘇らせる。

婿をとっている矢島家三姉妹の次女・千寿を演じるのは、演技派女優として活躍する水川あさみ。千寿は劣等感を抱く姉の藤代を「出戻りの穀潰し」と揶揄。遺産相続争いでは夫の良吉を操り、少しでも多くの取り分をと暗躍する。矢島家の三女・雛子役を務めるのは山本美月。やや世間知らずで遺産相続争いにも疎い三姉妹の末っ子が「このままでは損をする」と叔母の芳子に焚き付けられ、相続争いの渦中へと身を投じていく。雛子の後ろ盾となる叔母の芳子を演じるのは渡辺えり。雛子を巧みに操りながら相続分を手中に収めようとする“女系・矢島家”の陰の実力者を怪演する。

当主が遺した数十億の財産を巡る戦いは、家族以外の者をも巻き込んでいく。伊藤英明演じる梅村芳三郎は、日本舞踊の師匠で藤代とは恋愛関係にある。藤代から財産分与のことで相談をもちかけられ、旧知の不動産業者を紹介するなどともに裏工作を画策する。矢島家の大番頭・大野宇市の愛人、小林君枝を演じるのは余貴美子。何年にもわたって内縁関係にある宇市から矢島家の遺産相続にまつわる話を聞くうち、争いの渦に巻き込まれていくことに。さらに千寿の婿である良吉役に長谷川朝晴、文乃の自宅の近所にある薬局の奥さん・出目金役には山村紅葉と個性豊かな俳優陣が名を連ねる。

そして、矢島家に長年大番頭として仕える大野宇市を演じるのは、日本を代表する俳優・奥田瑛二。遺言執行人として遺言状を読み上げるが、さまざまな裏工作で相続問題を混沌とさせていく。実直そうに見えて狡猾な裏の顔を持つ『女系家族』きってのクセ者だ。