静岡市は11月8日~12月7日、東京・日本橋でプロモーションイベント「日本橋 しずおか食堂」を行う。日本橋エリアにある名店18店舗にて桜えび、マグロ、わさびなど静岡の食材を使用したメニューを提供し、「東海道ブランド」の確立を図るというもの。

桜えび、わさびなどを特別メニューで堪能

  • 静岡産の根わさび

東海道の起点である日本橋と、しずおか中部5市2町(静岡市、島田市、焼津市、藤枝市、牧之原市、吉田町、川根本町)がコラボレーションした本イベントは、昨年実施予定だったもののコロナ禍で断念、ようやく今年実現した。

日本で唯一、静岡で水揚げされる桜えびの秋漁が10月26日に解禁されたこともあり、メニューには桜えびがふんだんに使われたものが多い。さらに、徳川家康ゆかりの静岡市産わさび、折戸なす、あさはた蓮根やうなぎなど、静岡自慢の食材を日本橋の名店がそれぞれ考案した特別メニューで堪能できる。

メディア向けに開催された試食会で提供されたメニューの一部を紹介する。

蛇の市本店/生桜えびの軍艦巻

  • 江戸前寿司では使用することがほとんどないという、「生桜えびの軍艦巻」はわさびがアクセントに(コースメニューの一部)

明治22年創業の江戸前寿司の名店である蛇の市本店のコースには「生桜えびの軍艦巻」が登場する。店主によると「江戸前寿司では生の桜えびを使用することはほとんどない」というからかなりレア。赤酢と塩のみで仕込んだシャリに桜えびを乗せ、ハケで醤油を塗り、徳川家康ゆかりの静岡市産わさびで仕上げている。香ばしい桜えびの風味を締めるようなわさびのピリっとした味が贅沢な一貫だ。

神茂/由比の桜えび蔵

  • 「由比の桜えび蔵」は期間中高島屋でも購入できる

日本橋魚河岸で元禄元年に創業された神茂が提供するのは「由比の桜えび蔵」。桜えびをたっぷりと使用した揚げかまぼこで、香り高く甘味があるのが特徴だ。期間中は高島屋でも販売される。具材には桜えびだけを贅沢に使用、香ばしく後味はすっきりと仕上がっている。

文明堂カフェ/由比の桜えびと藤枝のフル里トマトのパスタ

  • 「由比の桜えびと藤枝のフル里トマトのパスタ」は抹茶パウダーがアクセント(コースメニューの一部)

カステラでおなじみの文明堂カフェは、由比漁港直送の桜えびと藤枝産のブランドトマトを使用した「由比の桜えびと藤枝のフル里トマトのパスタ」を提供する。ペペロンチーノ風のパスタにジューシーなトマトがマッチし、さらに上に振りかけられた抹茶パウダーが味を引き締めている。すべての材料は静岡産のものを使用しており、隠し味には静岡おでんにふりかける出汁粉が使用されている。

にんべん日本橋だし場はなれ/桜えびの炊き込みご飯

  • 「しずおか食堂 だし炊き込み御膳」(3,500円/1ドリンク付き)

  • 出汁の風味の香り高さはさすがにんべん! の「桜えびの炊き込みご飯」(コースメニューの一部)

出汁で有名な老舗、にんべん日本橋だし場はなれには「桜えびの炊き込みご飯」が登場する。御膳メニューの一部として提供されるもので、にんべんが培ってきたかつおぶしと出汁のうまみを生かした料理が特徴。

「桜えびの炊き込みご飯」はごはんの上に桜えびと三つ葉が乗っただけのシンプルなものに見えるが、にんべんの出汁がごはんにしっかりと染みわたっており、その優しい風味と桜えびの香ばしい味わいのコントラストが最高の一品だ。

La Paix(ラペ)/桜えびのビスク/桜えびのファーブルトン

  • ミシュランガイド1つ星シェフが手掛ける「桜えびのビスク」と「桜えびのファーブルトン」(コースメニューの一部)

2018年度版のミシュランガイドで1つ星に選ばれたフレンチの名店La Paix(ラペ)。毎月変わるコースのテーマが期間中は静岡食材を使用したものとなる。コースの中で提供されるのは、「桜えびのビスク」と「桜えびのファーブルトン」だ。ビスクは桜えびを贅沢に使用しており、たっぷりと桜えびを感じることができる。ファーブルトンはフランスのお菓子で、パンのような食感。もちもちと柔らかいもっちり食感にほんのり桜えびの風味を感じることができる。

平ちゃん/桜えび・あさはた蓮根・自然薯のムース

  • 家康が滋養強壮のため愛した「あさはた蓮根」は歯ごたえが良い(コースメニューの一部)

La Paix(ラペ)のオーナーシェフが手掛ける平ちゃんは、イノベーティブな京風おでん割烹。フルコース内に登場するのは「桜えび・あさはた蓮根・自然薯のムース」。家康が滋養強壮のため愛したといわれる、あさはた蓮根が椎茸と共にさくっとした生地で包まれ、その上に桜えびがたっぷりかかっている。さらに上から出汁をかけて食べることで、身体も温まりほっとできる一品だ。優しい味わいの中にあさはた蓮根の歯ごたえの良い食感と、桜えびの風味がマッチしている。

伊勢定うなぎ/すなわかめと桜エビの小鉢/自然薯の焼き物

  • 関東では耳慣れない食材「砂わかめ」の食感を楽しむことができる(コースメニューの一部)

うなぎを中心にしたコースを提供する伊勢定うなぎでは、前菜に「すなわかめと桜エビの小鉢」を提供。珍しい食材であるすなわかめは、歯ごたえが良いのが特徴。控えめに味付けした酢の酸味と桜エビの相性が良い。中にはうなぎが一切れ隠されているというプチサプライズも枠だ。

  • スダチと塩をかけて食べる焼き物は日本酒と合わせたい(コースメニューの一部)

コースには酒と塩をふりかけて炭で焼いた焼き物も。あさはた蓮根は歯ごたえが良く、家康も好きだったハナビラダケのかきあげは桜エビの香りを楽しむことができる。スダチと塩をかけて食べることで旨味は倍増。お酒がすすむに違いない。

各名店のメニューはそのジャンルや使用する食材も異なる。期間中、日本橋老舗の18店舗を巡り、静岡の旬な食材を使用した限定たっぷりメニューを順番に楽しむのも良いかもしれない。

参加店舗: 榮太樓總本鋪、割烹嶋村、DA GOTO、日本橋 鰻 伊勢定、日本橋 神茂、日本橋 蛇の市本店、日本橋 舟寿し、日本橋弁松総本店、日本橋ゆかり、にんべん(日本橋だし場、日本橋だし場はなれ)、文明堂カフェ、平ちゃん、吉野鮨本店、La Paix、利久庵、レストラン桂、WA亭 池うえ

※メニュー内容は変更になる場合がある