• 看護師僧侶の玉置妙憂さん (C)フジテレビ

こうした命と向き合う人々の声に耳を傾け、話を聞いていく妙憂さん。47歳の時、夫を自宅で看取ったことをきっかけに出家し、“看護師僧侶”として患者や家族の心のケアを続けている。

彼女について、永作は「第一印象はとにかく透明感がすごいことにびっくりしたんですけど、お話しされていると、良い意味で“普通”になるんですよ。自分にウソをつかず、しっかり向き合って、自分の時間を全うしようとしてらっしゃるのがはっきりと感じられて、フラットな状態に保ってられるって容易なことじゃないと思うんです。すごいです」と印象を語る。

そして、「(寝たきりになった)母親と娘さんで、お互いのことを思っているのに、どうしても反発してしまうような場面がありましたけど、なかなか日常生活で人の話をただ聞いてあげるというのは、親しい関係であれば特に難しいことですから、妙憂さんのような存在は貴重ですよね」と、“話を聞いてあげること”の大切さを実感。

その上で、「妙憂さんも話を聞いてどう応えられるのかというのを、常に考えて過ごしていらっしゃるわけですよね。大変な葛藤を経験されていることからの、決断と落ち着きなんでしょうか。私には到底近づけない領域なのでおこがましいのは承知ですが、やはりキラキラしているように思いました。本人が『ミッション』と言うだけあって、大変だけど、そのことに自ら挑んでいる姿を見せていただいたように思います」と、見えない苦労を想像した。

■“死生観”への考え方は…

1時間の番組で様々な最期や別れを見つめたが、“死生観”への考え方を聞いてみると、「私の年齢だと、子供の頃におじいちゃんとかおばあちゃんが家で亡くなっていたのを見て、“人間は老いていつか死ぬんだな”というのを漠然と思っていましたけど。ん~でも、それは今元気だから言ってられるんでしょうね。私は今、今と必死に対峙(たいじ)していくしかないし、毎日が選択の連続なので、それに疲れてくると眠るときが一番幸せだなと思うことがありますし…。死生観というのは正直何のことなのか分からないです」と本音を吐露。

それを踏まえ、「ただ、オギャーと産まれるのも一度きりなら、死すのも一度きりの経験なんだなって再確認させてもらいました。しっかりと経験を積んでいきたいですね」と話していた。

●永作博美
1970年生まれ、茨城県出身。89年にデビュー、94年から女優として本格的に活動を開始し、様々な作品で受賞。主な出演映画に『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『人のセックスを笑うな』『八日目の蝉』『朝が来る』など。