甘みがたっぷりで人気があるトロピカルフルーツであるマンゴーは、夏場にはよく食べられています。日本でも沖縄や宮崎などの温かい地域で生産されており、市場にもよく出回っている果物です。
マンゴーは実は栄養価が高い果物であることはあまり知られていません。
この記事では、マンゴーに含まれている栄養素や期待できる効果・効能、おすすめの食べ方などを紹介します。
健康や食生活を気にしている人に役立つ内容ですので、ぜひご一読ください。
マンゴーとは
マンゴーは、濃厚で甘くほどよい酸味があることで人気の果物です。原産地はインドシナ半島周辺という説が有力で、インドでは4000年以上前から育てられていたといわれています。
日本には1950年頃に台湾より伝来しました。
マンゴーの品種・種類
マンゴーは世界中で数百種類もの品種が栽培されています。
日本でマンゴーというと、アップルマンゴーのことを指すことが多いです。アップルマンゴーは主に国産マンゴーとして流通しているアーウィン種を指します。業者によっては赤い果皮を持つヘイデン種やケント種なども、まとめてアップルマンゴーという名称で販売していることも多いです。
黄色系の品種は「ペリカンマンゴー」が通称として使われることがありますが正式な品種名ではなく、「ガラバオ」という品種がよく流通しています。また、外国から輸入されることが多い、完熟しても緑色の品種はキーツ種です。
マンゴーの旬はいつ?
マンゴーは熱帯の植物ですので冬の気候はマンゴーにとっては厳しく、国内産マンゴーの旬は主に夏です。
アップルマンゴーは6月〜7月頃、キーツマンゴーは8月~9月が旬。収穫後に追熟し、完熟前に収穫されて流通するマンゴーも多いです。自然落下するまで木の上で完熟させる「完熟マンゴー」は、甘みと香りが強く高級品として流通しています。
マンゴーに含まれる成分・栄養素
マンゴーは栄養豊富な果物で、下記のような栄養成分が含まれています。
ビタミンC (mg) |
ビタミンB1 (mg) |
葉酸 (μg) |
ビタミンE (mg) |
βカロテン (μg) |
食物繊維 (g) |
カリウム (mg) |
マグネシウム (mg) |
|
マンゴー(生) | 20 | 0.04 | 84 | 1.9 | 610 | 1.3 | 170 | 12 |
ドライマンゴー | 69 | 0.27 | 260 | 7.1 | 5,900 | 6.4 | 1,100 | 57 |
(可食部100gあたり)
このようにマンゴーは甘いだけではなく、ビタミンやミネラルがバランスよく含まれています。さまざまな栄養成分を摂取できる果物ですので、夏場の栄養補給にもおすすめです。
ドライマンゴーを食べると太るといわれる理由
マンゴーやドライマンゴーは、主に下記のような成分で構成されています。
エネルギー (kcal) |
水分 (g) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
炭水化物 (g) |
灰分 (g) |
|
マンゴー(生) | 68 | 82 | 0.6 | 0.1 | 16.9 | 0.4 |
ドライマンゴー | 339 | 9.3 | 3.1 | 0.7 | 84.9 | 2.1 |
(可食部100gあたり)
ドライマンゴーは水分が少ない分、炭水化物や脂質がたくさん含まれています。同じ重さで比べると生のマンゴーの5倍程度のカロリーがあります。間食は1日に200kcal程度の間食が適量とされていますので、ドライマンゴーを食べる場合は食べ過ぎに気を付けましょう。
マンゴーに含まれている栄養素の効果・効能
マンゴーには栄養素が豊富に含まれていますので、さまざまな効果や効能が期待できます。期待できる効果について、具体的に見ていきましょう。
マンゴーに期待できる美容効果
マンゴーは美容に嬉しい栄養成分が豊富に含まれていて、下記のような効果が期待できます。
シワ・シミ・たるみ | 強い抗酸化作用があるβカロテンやビタミンC・ビタミンEや、ポリフェノールが含まれていますので、美肌効果が期待できます |
肌トラブル対策 | ビタミンAが含まれていますので、粘膜の再生効果や肌荒れを防ぐ効果が期待できます |
ダイエット | マンゴーに含まれるビタミンB1には、炭水化物をエネルギーに変える基礎代謝を上げる、代謝促進作用が期待できます。 |
また、マンゴーには筋肉のもととなるたんぱく質を形成するのに必要な、ロイシン・イソロイシンなどの必須アミノ酸も含まれており、筋肉の形成促進や疲労回復などの効果も期待できます。|
このようにマンゴーは、美容意識が高い人におすすめです。
マンゴーに期待できる健康効果
マンゴーは栄養豊富ですので、健康維持に役立つ効果も期待できます。
血栓予防 | カリウムが血液をサラサラにしてくれますし、強い抗酸化作用があるβカロテンは動脈硬化を防ぐなど、血栓予防効果を期待できます |
むくみ解消 | マンゴーに含まれるカリウムはナトリウムや余分な水分の排出を促進してくれるなど、むくみ予防が期待できます |
貧血予防 | マンゴーに含まれる葉酸は、赤血球の形成やDNA合成に関わる栄養素で、貧血予防効果が期待できます |
免疫力強化 | マンゴーには抗酸化作用を持つβカロテンやビタミンC、ビタミンEがバランスよく含まれていて、免疫力強化が期待できます |
このようにマンゴーは、健康維持にも役立ちます。
妊婦に必要な葉酸も豊富
妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦は、サプリメントなど通常の食事以外で葉酸を400µg/日摂取することが必要とされています。マンゴーには葉酸はもちろんビタミンやミネラル豊富に含まれていますので、妊娠中の栄養補給におすすめです。
ダイエット中にマンゴーを食べる際のポイント
マンゴーは栄養がたっぷり含まれている果物ですが、食べ過ぎには気を付けましょう。ダイエット中にマンゴーを食べる際、注意すべきポイントを紹介します。
マンゴーの1日摂取目安量
マンゴーには栄養素が豊富に含まれていますが、カロリーも高いです。生のマンゴーを食べる場合は1日1個(約150〜180g程度)を目安にするといいでしょう。
マンゴーの保存方法
完熟前のマンゴーは、直射日光や冷暖房を避けて常温保存して追熟させましょう。新聞紙かペーパータオルに包んだ上からフルーツネットをかけてポリ袋に入れ、直射日光や冷暖房の風があたらない室内に保存すると約1週間で完熟します。
完熟しているマンゴーは冷蔵庫で保存しましょう。ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存してください。
マンゴーの食べ方
マンゴーは生のままカットして食べる以外にも、さまざまなアレンジを加えて食べられます。おすすめのアレンジを見ていきましょう。
マンゴーのおすすめの食べ方とは
マンゴーは濃厚な甘さが最大の特徴ですので、下記のようなメニューにアレンジを加えて食べるのもおいしいです。
- マンゴープリン
- サラダに加える
- ケーキの材料にする
- ゼリーやムースの材料にする
- ジュースやスムージーに加える
- 冷凍してかき氷にかける
など
このように、マンゴーはスイーツを中心にさまざまな食べ方ができますので、飽きずに楽しめます。
マンゴーはおいしいだけじゃない! 美肌や健康維持におすすめの果物
マンゴーは日本では沖縄や宮崎などの温かい地域で主に生産されている果物です。
たっぷりの甘みがあることから人気があるフルーツですが、実は栄養価も豊富。強い抗酸化作用があるビタミンEや、細胞の酸化を防ぐビタミンCやβ-カロテンなどが含まれていて、美容や健康に気を使っている人はぜひ取り入れたい果物です。
マンゴーの食べ方には、生のまま食べる方法とドライマンゴーで食べる方法とがあります。ただしドライマンゴーはカロリーが高いので、食べ過ぎには気を付けましょう。
マンゴーはおいしいだけではなく、栄養も豊富に含まれています。ぜひ日々の食生活に取り入れていきましょう。
農林水産省「夏の旬食材を味わおう」
文部科学省「成分データベース 果実類/マンゴー/生」
文部科学省「成分データベース 果実類/マンゴー/ドライマンゴー」
厚生労働省「e-ヘルスネット 間食のエネルギー(カロリー)」
厚生労働省「e-ヘルスネット 抗酸化ビタミン」
厚生労働省「e-ヘルスネット カリウム」
厚生労働省「e-ヘルスネット 葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
農林水産省「沖縄主要農作物の抗酸化活性とポリフェノール含量」
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