ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』の公開ゲネプロが9日に東京・東京建物 Brillia ホールで行われ、明日海りお、華優希、平方元基、古屋敬多、石田ニコル、鈴木勝吾、戸井勝海らが登場した。

  • 左から古屋敬多、平方元基、明日海りお、華優希

    左から古屋敬多、平方元基、明日海りお、華優希

同作は福山庸治による同名コミックスを原作としたミュージカル。「モーツァルトが実は女だった」という設定で、天から与えられた音楽の才能に恵まれ常にその喜びに溢れていたモーツァルトが、父を愛しながらも男として育てられたことへの葛藤、偽って結婚した妻との関係、そして本来の自分の姿に悩みながらも、音楽と共に生きる決意をし、音楽と共に果てていく一生をドラマティックに描き出す。日本オリジナルミュージカルを牽引してきた音楽座を代表する名作で、1991年に初演されこれまで幾度も上演されてきた。

主演の明日海は「見どころはたくさんあるのですが、私自身の見どころとしては、“私って何なんだろう”と考えた時に、勇気を出して自分の進むべき道へ歩んでいくところ。勇気を出せたことがすごいなと思います。その勇気というのは、サリエリと出会って気づいた事、コンスタンツェと性別を越えて愛を育めた事、シカネーダーがチャンスをくれて絆を築く事が出来た、様々なキッカケが全部勇気に繋がって結果として出ているので、その過程をお楽しみいただきたいなと思います」とアピールする。

華は「明日海さん(演じるモーツァルト)と仲良くさせていただく幸せな場面は、とても楽しくて、そしてドキドキ・ハクハクしながら演じさせていただいていますし、『♪NaNaNa!』などいろんな華やかな場面もお客様にお楽しみいただけるのではないかなと思います」と予想。古屋は「明日海さんのモーツァルトとエリーザの演じ分けが本当にカッコよくて可愛いので、そこは見どころだと思います」と紹介すると、明日海から「私のことはいいので、 『♪NEW WAVE』(古屋中心のナンバー)の宣伝とか」とツッコミも飛ぶ。「いや、僕なんて……」と恐縮する古屋に、平方も「みんな控えめ」と笑顔に。古屋は「僕、本当に後半の方に出てきて嵐を起こしていく感じなのですが、革命前夜を見ているような気持に出来ればいいなと思いますし、精霊たちと一緒にパフォーマンスするナンバーは、“圧巻”と言われるように頑張りたいです」と意気込んだ。

「自分に才能がひとつ与えられるとしたら?」という質問には、明日海が「切実に欲しい才能なのですが、短時間で人と仲良くなれる才能が欲しいです。このコロナ禍で人と一緒にいられる時間はとても限られていますし、この仕事をしているとなかなか仕事以外で人と会えなかったりするので、短時間で即! 仲良くなれる才能が欲しいなと思います」と言いつつ、「そう言っても、ここの皆が仲良くないみたいに思わないでください」と釘を刺す。また古屋は「こういう取材で緊張しないような……」と発言し、平方は「緊張してるの!?」と驚き。古屋は「緊張してますよ! 正直バクバクで、足も震えていてさっきから止まらなくて。昨日も緊張で寝られなくてですね……強くなりたいです。今年(デビュー)20周年なんですけど、なかなか慣れないです」と苦笑した。

初日を前に、平方は「稽古場から密になることは避けなくてはいけなかったんですけれども、すごくいいカンパニーで家族のような皆さんとこの物語を温めて作ってまいりましたので、きっといろんなものをお持ち帰りいただける作品になっていると思います。余すところなく楽しんでいただければと思っていますので、よろしくお願い致します」と語る。明日海は改めて「カンパニーの皆さんと今まで命懸けくらいの気持ちでお稽古をしてきた期間が終わって、いよいよ初日が開くのだと思うと感慨深いです。私たちにとっては板の上に立てるというのは何よりの喜びで、“生きてる”と思える最高の場所であって、そしてお客様と一緒の空間を共有出来る。“幸せでどうなっちゃうんだろう”と今から恐れています。体力と集中力のいる舞台なので出演者・スタッフの皆様と心を一つにして、いろんな事に気を付けながら大切に一日一日一回一回をお届け出来ればと思います」と丁寧にメッセージを贈った。公演は東京建物 Brillia ホールにて10月10日~31日。