この10月は、いくつかの商品が値上げされたことが大きな話題となっています。値上げとなったのは、マーガリンやコーヒー、小麦粉製品など。日常的に使う食品が一気に値上がりし、家計への影響が心配ですね。すでに、買い物時に頭を悩ませている人も多いことでしょう。そこで本稿では、日用品が値上がりした時の節約術について解説しました。

  • 次々と値上げで家計が苦しい……節約のコツは?

■2021年10月から値上げされたもの

今年の秋は、9~11月にかけて様々なものの値段が高くなります。10月からは、以下の商品やサービスが値上げされました。

・マーガリン

マーガリンの値上げは、天候不順などに伴い、原材料費が高騰したため。雪印メグミルクは、家庭用マーガリンなど14品目の値段を1.9~12.2%引き上げ、明治も9品目を4.3~12.8%引き上げました。これにより、たとえば、明治の「明治コーンソフト」は、約10%の値上げとなります。

・レギュラーコーヒー

「食後の一杯が欠かせない」という人には痛手となるコーヒーの値上げ。ブラジルで昨年後半に雨不足となったことや、今年7月に霜の被害が出て生豆相場が急騰したことが、値上げの主な要因です。味の素AGFでは、一部の商品が約20%高くなります。

・小麦粉製品

家計へ特に響きそうなのが、小麦粉製品の値上げ。今年7月に価格改定されたばかりの小麦粉ですが、この10月にも値上げとなりました。国が輸入した小麦を製粉業者などに販売する際の「売り渡し価格」は、19%もアップしています。これは、マーガリン同様、天候不順により小麦の作柄が悪化し、価格が高騰したためです。

小麦粉製品の値上げは、幅広い商品に及びます。農林水産省によると、食パン1斤2.3円、ラーメン1杯(外食)1.0円、うどん1杯(外食)1.4円、小麦粉1㎏(家庭用薄力粉)14.1円の値上げとなる試算です。

・たばこ

たばこ税が増税され、各社が大半の商品を値上げしました。近年、利用者の増えている加熱式たばこは1箱あたり30円の値上げ、紙巻たばこも1箱10~40円の値上げです。

・電気、ガス

毎月価格の変わる電気やガスですが、10月は値上げとなります。東京電力の標準的な家庭の電気料金では、9月と比べて140円高くなります。東京ガスも、先月と比べて104円値上げします。これは、火力発電の燃料である液化天然ガス(LNG)や石炭の輸入価格が上昇しているためです。

■日用品が値上げした時の節約術

この秋は様々な商品が値上げし、さらには、夏の終わりから、一部の野菜も価格が高騰しています。「このままでは家計への打撃が大きい」という人は多いはず。身近な商品が値上げした時は、どのように節約すればいいのでしょうか。

1.PB商品を活用する

最近では、多くのスーパーがPB(プライベートブランド)商品に力を入れています。一般の商品に比べ、手ごろな価格に抑えられているPB商品は、値上げ時にも価格が据え置かれていることが多く、家計の強い味方です。価格はそのままで内容量が減る「実質値上げ」もありますが、予算内に抑えることを目的とするなら、PB商品は節約の必須アイテムと言えるでしょう。

2.嗜好品にかけるお金を見直す

今回の値上げには、コーヒーやたばこといった嗜好品もありました。こうした嗜好品にかけるお金を見直すことも、節約につながります。コーヒーやたばこに毎月いくら使っているかわからない人は、まずは1か月の予算を設定してみましょう。購入回数を減らすなどして予算内でやりくりすれば、むやみに出費が膨らむことはありません。

3.食品ロスを減らす

食材を余らせ廃棄することが多い人は、買い物の仕方を工夫して食品ロスを減らしましょう。まず、買い物の前には、冷蔵庫やパントリーの中をチェック。これで、余分な食材を買ってしまうことを防ぎ、最低限の買い足しだけで済みます。また、買い物の際には、新商品や特売品などの「ついで買い」に気を付け、食べきれる分だけ買うことを常に意識しましょう。

4.節約効果の高い食材を選ぶ

節約効果の高い食材とは、年間を通して価格変動が少なく、また、値段が安く保存もきく食材のことです。たとえば、きのこやもやし、豆苗、ニンジン、玉ねぎ、じゃがいも、卵、豆腐、豚こま切れ肉、鶏胸肉など。こうした食材をメインに献立作りするだけで、自然と食費の節約につながります。

5.カット野菜や冷蔵野菜、缶詰をうまく使う

野菜が高い時は、カット野菜を使ってみましょう。少し割高な場合もありますが、ロスを防ぎ食べ切るには最適です。同様に、冷凍野菜もおすすめ。PB商品の冷凍野菜は価格が手ごろで産地も表示されているため、ぜひ活用してみましょう。また、缶詰類はあまり価格変動がありません。トマト缶やツナ缶などを使ったレシピをストックしておくと、節約したい時に便利です。

6.直売所で購入する

安くて新鮮な野菜を手に入れるなら、地域の直売所がおすすめ。野菜が高い時には、朝早く行かないと売り切れてしまうこともありますが、直売所が近くにあるなら狙ってみましょう。

■無駄な出費をしないよう普段から心がけを

ここ数年、食品を中心とした値上げが続いており、値上げと聞くと「またか」と感じてしまいます。しかし、今後も日用品の値上げは続く可能性があるでしょう。無理な節約は避けながらも、無駄な買い物は極力控えるよう、普段から心掛けておきたいものです。