ウェザーニューズは10月4日、2022年の花粉シーズンに向け、「第一回花粉飛散傾向」(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表した。

  • 2022年「第一回花粉飛散傾向」

2022年の花粉飛散量は、北日本や北陸で2021年より多くなるものの、その他の多くの地域では少なくなる予想だという。北海道では前年比1.8倍程度、東北・北陸では1.3倍程度に増える地域もある予想とのこと。

関東から西では少なくなる地域がほとんどで、特に2021年の飛散量が多かった四国や九州南部では半分程度になる可能性があるという。2012年~2021年の平均と比較すると、並~やや少ない地域がほとんどで、同社では全国平均では平年の82%程度になるとみている。

花粉の飛散予想は、前年の夏の天候や年ごとの飛散量の増減傾向などの条件により決まる。同社は、2022年の花粉飛散量の予想の根拠として、「2021年の夏は、北日本では雄花の生育に適していたが、西日本ではやや不向きであったこと」を挙げている。

夏の天候を総合すると、北日本では日照時間、気温共に平年を大きく上回っていたため、雄花の生長に適した天候であったという。一方、東日本では気温が平年をやや上回り、日照時間も日本海側を中心に平年を上回ったため、雄花の生育には問題ない天候だった。西日本では日照時間、気温共に概ね平年並から平年を下回り、雄花の生育にはやや不向きな天候となった。

また、花粉の飛散量は周期的に増減し、花粉の飛散が多い期間と少ない期間が交互に訪れる傾向がある。飛散量が多い年を"表年"、少ない年を"裏年"と呼んでいるが、2022年は広範囲で花粉の飛散量の少ない"裏年"になる可能性が高いとのこと。

2021年は北日本の一部を除いて飛散量が前年を上回り、ほぼ全域で「表年」となった。2022年はその反動で飛散量が2021年よりも少なくなり、多くのエリアで飛散量の少ない「裏年」となると見込んでいる。ただし、北海道や東北北部、北陸エリアでは飛散量の多い「表年」となる見込みとのこと。

2022年花粉飛散傾向をエリア別に見ると、北海道は2021年夏、雄花の生育に好条件であったという。シラカバ花粉の飛散量は、2021年の約1.8倍になる予想とのこと。2021年よりも症状が重くなるおそれがあるため、対策は早めに行うことをすすめている。

東北北部は2021年夏、雄花の生育に好条件であったため、2021年よりやや増加するとみている。なお、東北北部で飛散するのはスギ花粉が中心で、ヒノキ花粉はほとんど飛散しないという。

東北南部の2021年夏は、雄花の生育に好条件だった。2021年春の花粉飛散量は2020年春から2倍以上に増えていることから、2022年は"裏年"になる傾向と予想されるが、2021年並の飛散量と予想している。

関東・山梨の2021年夏は、前線や低気圧、台風の影響を受けた時期があったものの、日照時間は概ね平年並で、気温は平年を上回った。夏の天候とここ数年の飛散傾向から、2022年春の花粉飛散量は平年の60~78%、2021年の72~88%になる見込みだという。

北陸・長野の2021年夏は、前線や低気圧、台風の影響を受けた時期があったものの、晴れる日が多く気温、日照時間共に平年を上回った。雄花の生育に適していたため、2022年の飛散量も前年を上回ると考えられるという。

東海の2021年夏は、梅雨前線や秋雨前線、台風の影響を受けた時期があったものの、気温は平年を上回り、日照時間はほぼ平年並みだった。夏の天候とここ数年の飛散傾向から、2022年春の花粉飛散量は平年の70~85%、2021年の68~81%になると予想している。

近畿の2021年夏は、梅雨前線や秋雨前線、台風の影響を受けた時期があったものの、日照時間・気温共にほぼ平年並みだった。夏の天候とここ数年の飛散傾向から、2022年春の花粉飛散量は平年の63~91%、2021年の60~78%になる見込みだという。

中国・四国の2021年夏は、梅雨前線や秋雨前線、台風の影響を受けた時期があったものの、中国地方では日照時間・気温共にほぼ平年並みとなった。四国地方では日照時間はほぼ平年並、気温は平年をやや下回っている。夏の天候とここ数年の飛散傾向から、2022年春の花粉飛散量は平年の72~95%、2021年の50~78%になると考えられる。

九州は2021年夏、南部を中心に梅雨前線や秋雨前線、台風の影響を受けた。夏の天候とここ数年の飛散傾向から、2022年春の花粉飛散量は平年の80~95%、2021年の64~96%になる予想だという。2021年よりも飛散量が少なくなるとみているが、晴れて気温が上がる日には花粉が大量に飛ぶおそれがあるため、油断せず対策することが大切であるという。