プルーンは鉄分が豊富なことでよく知られている果物ですが、ほかにもさまざまな成分が含まれています。美容や健康に効果があると言われているので、毎日適量を摂取したいですよね。ただし、食べ過ぎには注意が必要な果物でもあるので、その理由をぜひ知っておきましょう。
この記事ではプルーンとはどのような果物を指すのか、プルーンに含まれる栄養価、期待できる効能などを紹介します。体調管理や食生活が気になる人に役立つ内容ですので、ぜひご一読ください。
プルーンとは?
プルーンはセイヨウスモモの一種で、バラ科サクラ属の落葉高木に実がつく果物です。赤紫色の実をつけ、種がついたまま乾燥させても発酵せずにドライプルーンにできるものが「プルーン」と呼ばれています。
すももやプラムとプルーンの違い
ヨーロッパでは生のすももを「プラム」、乾燥したものを「プルーン」と呼びます。
アメリカの場合は生食用のすももが「プラム」で、ドライフルーツ用のすももは生で食べる場合でも干しても「プルーン」と呼ぶことが多かったようです。しかし最近は、干したプルーンのことを「ドライプラム」と呼ぶことが多くなっています。
プルーンは加糖されている?
プルーンは糖度が非常に高い果物です。種がついたまま砂糖を加えずに乾燥させても甘みが強く味が濃い点で人気を集めています。
一般的なドライフルーツには砂糖が加えられているものも多いですが、プルーンは加糖しなくても十分な甘さを楽しめる果物です。
ミラクルフルーツと呼ばれるプルーンに含まれる栄養素
プルーンは妊娠中の栄養補給に用いられることもあるなど、栄養豊富な果物です。プルーンにはどのような栄養素が含まれているのか見ていきましょう。
プルーンの成分や栄養価
プルーン100gあたりに含まれている成分は下記のとおりです。
エネルギー (kcal) |
水分 (g) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
炭水化物 (g) |
灰分 (g) |
|
プルーン(生) | 49 | 86.2 | 0.7 | 0.1 | 12.6 | 0.4 |
ドライプルーン | 211 | 33.3 | 2.4 | 0.2 | 62.3 | 1.8 |
灰分とはミネラルやビタミン類のことです。プルーンには鉄分やカリウムなどのミネラルや食物繊維、ビタミンB群などのビタミン類が豊富に含まれています。乾燥させたプルーンの方が、水分が少ない分ミネラルが多いですが、カロリーも高いです。
プルーンに期待できる効果効能
ここからは、プルーンを食べることでどのような効果や効能が期待できるのかを見ていきましょう。
むくみ解消
プルーンにはカリウムが豊富に含まれています。
塩分を摂り過ぎると体内の水分バランスが崩れてむくみやすくなりますが、プルーンに含まれるカリウムには塩分の排泄を促す効果を期待できます。体内の水分バランスを整える働きで、むくみ解消が期待できます。
腸内環境改善
便秘になる原因のひとつに、食物繊維・水分・脂質などの摂取不足で腸内環境が乱れることが挙げられます。
プルーンには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれていますので、腸内環境を整えてくれて、便秘対策におすすめです。
美肌
プルーンにはビタミンEが豊富に含まれている果物です。
ビタミンEは紫外線によるシミやシワの予防効果が期待できる成分ですので、美肌効果が期待できます。
ホルモンバランス調整
プルーンに含まれているビタミンB6には、女性ホルモンのひとつ・エストロゲンのバランスを整える働きがあります。
ホルモンバランスを調整し、月経前の不快な症状を緩和する効果が期待できますので、意識して取り入れましょう。
冷え対策
ビタミンB群のひとつであるナイアシンも、プルーンに含まれる成分です。ナイアシンには血管を広げて血流をよくする効果が期待できることから、冷え性の改善につながります。
骨の状態維持
骨の代謝バランスが崩れて骨粗しょう症となってしまう原因には、カルシウムやマグネシウムなどの不足が挙げられます。
カルシウムやマグネシウムもプルーンに含まれている成分です。プルーンでバランスよく摂取できますので、骨の状態維持が期待できます。
プルーンの1日の摂取量と効果的な食べ方
プルーンは栄養豊富ですが、食べ過ぎると高カロリーになってしまいますので、摂取量には注意しましょう。1日のプルーン摂取量目安を紹介します。
1日の摂取目安量
プルーンは1粒が約10g程度です。食物繊維や鉄分などの栄養成分を十分摂取するには、1日5粒程度を目安に摂取しましょう。
食べ過ぎるとカロリー過多になったり、お腹を下したりすることもありますので、適量を摂取してください。
離乳食に用いられることもある
プルーンは食物繊維などの栄養素が豊富ですので、離乳食にも用いられる食物です。だいたい5~6カ月ごろから食べさせられます。
ただし離乳食に用いる場合は、しばらく水に浸して柔らかくしてから食べさせてください。
妊娠中の栄養補給にも適している
妊娠中には便秘になりやすくなりますので、プルーンで食物繊維を摂取するのもおすすめです。ほかの栄養素も豊富に含まれていますので、妊娠中の栄養補給にはよく用いられます。
ただしポリフェノールが豊富に含まれていますので、胎児への影響も考慮して摂り過ぎには注意してください。
プルーンを食べる時のポイント
プルーンは食べ方を工夫するだけで、より効果的に有効な成分を摂取できます。プルーンを食べる際のポイントを見ていきましょう。
食べ合わせに注意する
プルーンにとくに豊富に含まれているのが鉄分です。しかし、タンニンを鉄分と一緒に摂取すると吸収を妨げてしまいます。
タンニンは、紅茶や・コーヒー、緑茶や赤ワインなどに豊富に含まれていますので、プルーンと一緒にとるのは避けましょう。
適正量を毎日続ける
プルーンでさまざまな効果を得たければ、毎日適正な量を食べ続けることが大切です。タイミングはいつでも問題ありません。
例えば朝ご飯の際に摂取するようにするなど、食べるタイミングを決めて習慣にすると続けやすいです。
プルーンの食べ過ぎによる影響は?
プルーンは栄養豊富な果物ですが、食べ過ぎには注意しましょう。食べ過ぎを避けるべき理由を紹介します。
カロリーを摂り過ぎる
乾燥したプルーンは、1日4~5粒程度が適切な量で、100kcalを少し超える程度。1日の間食の目安である200kcalよりは少なめであり、ヘルシーです。
ただし食べ過ぎるとあっという間にカロリーを摂り過ぎることになりますので、食べ過ぎないよう気をつけましょう。
お腹が緩くなる
プルーンは食物繊維が豊富なので、腸内改善が期待できる反面、食べ過ぎるとお腹を下してしまうこともあります。
下剤にも使われる「ソルビトール」という成分が含まれていることが理由です。1日4~5粒であればとくに問題ない分量ですが、食べ過ぎた場合や体質によっては影響を受ける場合もありますので気をつけましょう。
プルーンを食事に取り入れるなら適量を意識しましょう
プルーンは栄養豊富な西洋すもものことを指します。一般的には生の果実はプラム、乾燥させたものをプルーンということが多いです。
ビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれていることから、美容や体調管理に役立つと言われています。さらに離乳食や妊娠中の栄養補給に選ばれることも多いです。
ただし、食べ過ぎるとカロリーやポリフェノールの摂り過ぎにつながりますので、適量を食べることが大切です。
日々の食事に適量のプルーンを取り入れて、美容や体調管理に役立てていきましょう。
【参考】
文部科学省「食品詳細 果実類/(すもも類)/プルーン/生」
文部科学省「食品詳細 果実類/(すもも類)/プルーン/乾」
文部科学省「日本食品標準成分表2020」
厚生労働省「e-ヘルスネット カリウム」
厚生労働省「e-ヘルスネット 便秘と食事」
厚生労働省「e-ヘルスネット 骨粗鬆症」
厚生労働省「e-ヘルスネット 間食のエネルギー(カロリー)」