年齢を重ねるごとに物は増えていき、適宜処分して整えていく作業を繰り返します。この作業をしないと、家にはどんどん物に溢れ足の踏み場がなくなるからです。また、不要なものをいつまでも持ち続けることで、管理ができずに本来必要となるものを見つけにくくなってしまいます。
これは、お金まわりでも同じことが言えます。銀行口座ひとつとっても、学生になって初めて作った銀行口座、アルバイトを始めて振込先に必要だからと作った銀行口座、入社して作った、生活費用に作った、結婚して作った、と多くの銀行口座を持ってはいませんか。また、昔の銀行名の口座を解約せずにそのまま10年以上放置していませんか。心当たりがあるなら、早めに解約をして銀行口座を整理しておきましょう。
銀行口座の解約方法
銀行窓口がある場合
- 通帳(エコ通帳など通帳がない場合は無くてもよい)
- 届出印(申し込み時に届出印を押していない場合は不要)
- キャッシュカード
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証など) を持って、窓口で手続きをします。
紛失等で通帳または届出印が無い場合は、解約の手続きと喪失の手続きが必要となります。また、銀行口座を開設した支店でなくても、同行であれば解約はできます。そして、合併などで銀行名が変わっていても、現銀行窓口で手続きができます。
ネット銀行の場合
代表口座にログイン後、解約手続きをします。解約手続き方法は各ネット銀行によって異なりますが、「よくある質問」から「解約方法」と検索します。
ログイン後、お客様情報やマイページから解約ページに進むのが一般的です。
注意点は、代表口座が解約されるとそれらに紐づいたサービスも解約することになります。また、それまで貯まっていた銀行独自のポイントは消滅してしまうので、解約前にポイントは他ポイントへ移行しておくとよいでしょう。
キャッシュレス決済手段がここ数年でどんどん増えてきています。クレジットカード、電子マネー、コード決済、デビットカードなど管理がしにくくなっています。これらも、増えすぎているのであれば、一度整理をしておきましょう。
クレジットカードの解約方法
クレジットカードは持っても3枚までとして、1年に1度も使っていないようなクレジットカードは、たとえ年会費が無料だとしても解約しておきましょう。
クレジットカードの裏面に記載されている問い合わせ先電話番号へ電話を掛けて、手続きをします。
クレジットカードのネット専用ページに会員登録をしている場合は、電話をすることなく解約手続きをすることも可能です。時間を気にすることなく、オペレーターとの会話も不要、思い立ったらすぐ解約できます。解約が完了すると、登録メールアドレスに手続き完了メールが届きます。
解約をして不要となったクレジットカードは可能な限りハサミ等で細かく切ってから何度かに分けて自治体の分別方法に従って処分しましょう。
注意点は、すべてクレジットカードを解約してしまうと、次に作る際の収入状況等によってはクレジットカードの審査が通らない可能性もありますので、少なくともクレジットカードは1枚残しておくとよいでしょう。また、クレジットカードで公共料金などの引き落としをしている場合は、引き落とし先も併せて変更の手続きをしておきましょう。
電子マネーの解約方法
電子マネーは、デポジットタイプの電子マネーなら使い切ってから解約手続きをしましょう。解約の際に、Suicaのように残高が返金される場合と返金されないものがあるので、解約前には確認をして、できる限り使い切ってからの解約をしましょう。また、電子マネーで貯まったポイントは解約と同時に消滅する場合があるので、事前に確認をしておきましょう。
解約方法は、カード裏面に記載されているコールセンターへ電話をするか、アプリで利用している場合はアプリから手続きをします。
コード決済の解約方法
○○PAYなどのコード決済は、アプリを消しただけでは解約したことにはなりません。アプリ内からアカウントの解約手続きをしてからアプリを消しましょう。一度解約をしてしまうと、チャージされていた残高(解約後に付与される予定のものも含む)、利用履歴などが削除され、いかなる場合にも戻すことができませんので、必ずチャージ分は使い切ってから解約をしましょう。
これら解約は、本人が元気で判断能力があるうちにすることがポイントです。例えば、亡くなった場合、相続財産を調べます。銀行口座は通帳があれば簡単に照会することができますが、通帳を発行しない銀行やサービスもあり、そもそもその銀行に口座があることすら気が付かずに相続手続きを進めてしまうこともあるでしょう。相続後にこうした財産が見つかった場合は再度その分の相続手続きをする必要があります。
残された家族の手間を省くためにも、複数ある口座やカードの契約ごと整理をしておき、どの銀行に口座があるのか、クレジットカード会社はどの会社と契約をしているのかなど、生命保険なども含めて一覧にしておくとよいでしょう。その際、ログインIDやパスワードは不正に引き出される危険性があるので、記載する必要はありません。
キャッシュレス化やペーパーレス化が進んで便利になることもありますが、一方で情報が見えにくくなるといった不便な一面もあります。契約しているものは、必要なものとそうでないものを今一度見直して整理することで、ムダな出費を減らす効果も期待できます。