国土交通省鉄道局総務課危機管理室は、8月6日に小田急線の車内で男が刃物を振り回し、乗客10名が重軽傷を負う事件の発生を受け、JR・大手民鉄などの鉄道事業者と意見交換を行い、線区や車両などの状況を踏まえた取組みとして今後の対策をとりまとめたと発表した。

  • 小田急電鉄の通勤車両5000形

警備の強化としては、「見せる警備・利用者への注意喚起」を実施。具体的には、駅係員や警備員による駅構内の巡回と車内の警戒添乗などの実施、業界共通のポスターや車内アナウンスなどを活用した警戒警備の周知、車内・駅構内の防犯カメラの増備、警察との連携の強化を行う。

被害回避・軽減対策としては、防犯カメラ画像の解析等による不審者・不審物の検知機能に関して、AIを含む最新技術を活用した機能の高度化と技術の共有化などを検討(最新技術の活用状況について関係者間で共有)する。

また、ピクトグラムも活用した非常通報装置をはじめとする車内設備の設置位置と使用方法のよりわかりやすい表示、指令を含む関係者間のリアルタイムの情報共有(スマホやタブレット・非常時映像伝送システムの活用など)、防護装備品や医療器具類などの整備、車内事件発生時における現場対応力を向上させるための社員の教育・訓練の実施とマニュアル等の見直しが行われる。これらの対策を順次実施し、引き続き鉄道のセキュリティ確保に取り組むとしている。