求人情報や資格などでもよく目にする「アソシエイト」という言葉。複数の意味を持つため、勘違いしやすく注意が必要です。
本記事ではさまざまな「アソシエイト〇〇」の意味や、「アソシエイト」の使い方と例文、類語、英語も紹介します。
アソシエイト(associate)の意味とは?
アソシエイトは「associate」という英語の、日本語での読み方です。「アソシエート」と読み書きすることもあります。
アソシエイトは「仲間」や「同僚」「共同~」という意味を持っています。英語の「associate」は上記以外にも、「結びつける」や「提携する」「仲間に加える」「交際する」といった意味があります。
前後の文脈によっては「準」や「副」と訳されることもある言葉です。
ビジネスシーンにおいては、「補佐する役割」や「同じ目的や共通意識を持った仲間・スタッフ」という意味で使われることが多いです。
多くの会社で採用され始めている「アソシエイト社員」とは
近年、短時間、または週5日未満など、自分の都合に合わせたフレキシブルな働き方ができる「アソシエイト社員」という雇用区分を採用する会社が増えています。
例えば子育てや家族の介護、自身の障がいなどにより、フルタイムで働くことが困難な人を対象に多様な働き方を提案することで、ダイバーシティの推進、そして人材確保が可能となる制度です。
また有期雇用の契約社員について、本人の希望や社内選考を経て、無期雇用の「アソシエイト社員」に転換するという制度を取り入れている会社もあります。
この場合のアソシエイト社員はフルタイムであることも多いですが、転勤や職種転換などの異動が無い、というケースが多いようです。
なお主に外資系企業では、財務会計や人事、製品・サービスの販売管理など、企業経営の根幹に関わる業務を担当する社員のことを「アソシエイト社員」と呼ぶこともあります。
この場合アソシエイト社員には役職が付いておらず、権限を持たない社員に使われるのが一般的です。
このように業界や会社によって「アソシエイト社員」の指す定義は異なるので、「アソシエイト社員」という名目の職に就職や転職を検討する際などは、募集要項にしっかりと目を通すことが大切です。
その他のアソシエイトが付く言葉の意味
アソシエイトが付く言葉は複数存在します。ここでは、よく目にする言葉の意味を紹介します。
アソシエイト職
「アソシエイト職」は、日本企業において事務職員(一般職員)や契約社員のことを指すことが多いです。
この場合のアソシエイトは「仲間・同僚」ではなく、「準・副」の意味として使われており、準社員としての意味合いが強いと言えるでしょう。
また、前述の「アソシエイト社員」と同じ意味で使われていることもあります。
アソシエイト弁護士
「アソシエイト弁護士」は、弁護士を補佐する役目を持つ弁護士のことを指します。
複数の弁護士が共同で経営している弁護士事務所では、経営に参画する弁護士たちをパートナー弁護士と呼びます。そのパートナー弁護士を補佐する部下がアソシエイト弁護士です。
アソシエイトプロデューサー
「アソシエイトプロデューサー」とは、テレビ番組や映画、ラジオ番組などの作品制作を統括するプロデューサーを補佐する役目の人物です。プロデューサーの指示のもと作業を行い、経験や実績を積みます。
アソシエイトナース
「アソシエイトナース」は看護師を補佐する看護師のことです。
医療機関の中には、患者ひとりに対して看護師ひとりが担当につく看護体制があります。この担当看護師を「プライマリーナース」と呼び、「プライマリーナース」が不在のときに代わりを務めるのが「アソシエイトナース」です。
さらに、新人看護師を教育する「プリセプターナース」も存在します。「アソシエイトナース」は「プリセプターナース」の業務を支え、負担を軽減する役割も担うことがあります。
アソシエイトディグリー
アソシエイトが付く英語に「アソシエイトディグリー(Associate Degree)」があります。
「アソシエイトディグリー」は准学士号のことです。2年制大学を卒業すると得られる学位となります。また、4年制大学でも一般教養課程を修了すると得られる学位です。
インターネットビジネスや資格にも「アソシエイト」が使われている
アソシエイトは、アフィリエイトプログラムの名称として使われることもあります。アソシエイトと検索するとアフィリエイト関連のサイトが出てくることも多いです。
また、アマゾンウェブサービス (AWS)ではアソシエイトを認定資格のレベルとして使用しています。AWS認定試験は「基礎コース」「アソシエイト」「プロフェッショナル」の3つです。
さらに、マイクロソフト認定アソシエイトという、マイクロソフトが自社製品の知識、コンピューターに関する能力を測るための認定資格制度も存在します。
このように、ビジネス上でアソシエイトという言葉はさまざまな意味として使われています。
アソシエイトの使い方・例文
ここでは、アソシエイトの使い方を把握するための例文をご紹介します。
・2年制大学を卒業してアソシエイトディグリーを取得した
・収入を増やしたいなら、アソシエイト職から正社員を目指したら?
・これからアソシエイトナースとして、プライマリーナースを支えます
・私は現在、アソシエイトプロデューサーとして経験や実績を積んでいる最中です
アソシエイトの類語・言い換え
アソシエイトの類語・言い換えをみてみましょう 。
アシスタント
「アシスタント」は、英語「assistant」の日本語での読み方です。「仕事を補佐する人・助手」という意味を持っています。
アソシエイトの「準・副」と同様の使い方をします。「アシスタントプロデューサー」のように役職の前に付けることも多いです。
スタッフ
「スタッフ」は、英語「staff」の日本語での読み方です。複数人が一緒に仕事をするときの担当者のことを指します。また、映画や演劇などの業界で、照明やカメラなど扱う、俳優以外の制作関係者を指す言葉でもあります。
アメリカやヨーロッパでは、従業員全体を「スタッフ」と呼びます。日本では、現場業務を担当する従業員や接客業務を担当する従業員を「スタッフ」と呼ぶことが多いです。海外と日本では使われ方が少し違っていることを覚えておいてください。
アソシエイトの英語表現
アソシエイトは英語「associate」でそのまま表現できます。ここでは、アソシエイトを使った英語表現を例文とともに確認してください。
英語: She is a highly regarded associate nurse
意味: 彼女はアソシエイトナースとして高い評価を受けている
英語: I have been working at this law firm for five years as an associate attorney
意味: 私はこの弁護士事務所で、アソシエイト弁護士として5年働いています
英語: Associate employees do not have a job title, but they are important to the company
意味: アソシエイト社員に役職は付いていませんが、企業にとっては大事な人材です
アソシエイトの意味を覚えましょう
アソシエイトは、英語「associate」の日本語での読み方です。主な意味は「仲間」「同僚」「共同~」です。
また、「結びつける」や「提携する」という意味のほか、文脈によっては「準」や「副」と訳されることも多いです。インターネットビジネスのプログラムや資格の名称で使われることもあります。
アソシエイトと付いた言葉は多く存在しますので、この機会にそれぞれの違いを覚えておきましょう。さらに例文や類語、英語表現も確認して、アソシエイトの意味や使い方を正しく理解してください。