――今回は裏番組同士の皆さんに登場していただきましたが、お気持ちとして、やはりライバルの番組は終わってほしいのか、それとも共存していきたいというところなのか……最後に、このあたりを伺えましたら。
木月：もちろん、火曜7時に面白い番組がたくさんあって、視聴者がたくさん来て、盛り上がって、全体の数字も上がっていくのが一番いいと思うので、皆さん頑張っていきましょうという気持ちもありますし、できればどこか違う時間に移動していただきたいなとも思いますよね(笑)
米田：そうですね(笑)。こうやって裏番組の演出の方たちとお話しして、どっちも好きな番組なので、『オモウマい店』は違うパターンの店をどうやって撮っていくのかなとか、『ナゾトレ』は仮面をかぶってるので次は何をやってくるのかな(笑)とか思いながら、また番組を見たいです。でも今、敵はYouTubeとかNetflixとかいろいろあるからテレビ同士で戦ってる場合じゃないというのもめちゃくちゃ分かるんですけど、僕はちゃんとこの中でも勝ちたいし、テレビの中で一番愛されて一番見られる番組を作りたい。その中で、放送外収益とかいろんなことが地続きになって達成できたらいいなと思ってます。まずは誰よりも見られる番組を作りたいし、負けたくないから、できれば移動していただければ(笑)
加藤：『オモウマい店』がスタートしたとき、米田さんが「教典みたいな番組」ってツイートしていただいたのが、結構衝撃だったんです。恥ずかしいんですけど、田舎もんで負けてらんないぞって勝手にバチバチしてたところがあって、それこそ、うちのスタッフで『『家事ヤロウ!!!』でやってたあれがすごいためになりました』なんて言ってる子がいたら「お前、何裏見てるんだ!」って注意するみたいなスタンスでいたんですけど(笑)、あのツイートを見たときに敗北感と言うか、カッコいいなあと思って。改めて、みんなで火曜7時というか、難しい7時台を盛り上げていくんだって意識に変わりました。『オモウマい店』は、テレビの前の皆さんを明るく楽しくしたい、という気持ちで毎週作っているんですけど、Twitterで「観てて自分も優しい気持ちになりました」とか「この番組を世界で放送したら世界が平和になるかも」とか言ってくださる声が多くて。『オモウマい店』はそこを目標にやっていきます。番組の種類はそれぞれ違うと思うので、いろいろな形で皆さんと火曜7時を明るくしていけたら、さらに平和な世の中になるのかなと思っています。
米田：僕のツイートは全部本音なんですけど、あれを書くことによって「別に『オモウマい店』にビビってないからな!」って、本当はビビってる自分を落ち着かせることも含まれているので(笑)
木月：この時間帯には他にもテレ東さんの特番や『オトラクション』(TBS)もありますしね。
米田：音楽やゲームって、ヒットコンテンツが出たら一気に流行りますから、怖いですね。やっぱり火曜7時が一番厳しいんです(笑)
木月：そういうムーブメントにしましょう(笑)
加藤：他局の方とそもそもお話ししたことが初めてだったので、すごく勉強になりました。ありがとうございました。
次回予告…～クイズ作家編～
●米田裕一
1981年生まれ、新潟県出身。東京理科大学大学院卒業後、07年にテレビ朝日入社。『くりぃむナントカ』『いきなり!黄金伝説。』『中居正広のミになる図書館』『陸海空 地球征服するなんて』のほか、『濱キス』～『キスマイレージ』までKis-My-Ft2の全番組を担当。現在は『家事ヤロウ!!!』のほか、『サンドウィッチマン＆芦田愛菜の博士ちゃん』『帰れマンデー見っけ隊!!』『10万円でできるかな』で演出を務める。
●加藤優一
1986年生まれ、愛知県出身。豊橋商業高校卒業後、07年に制作会社「マーナイス」に入社し、中京テレビ放送制作部に配属。『PS』『前略、大徳さん』『PS純金』などを担当し、現在は『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』の演出を務める。
●木月洋介
1979年生まれ、神奈川県出身。東京大学卒業後、04年にフジテレビジョン入社。『笑っていいとも!』『ピカルの定理』『ヨルタモリ』などを経て、現在は『新しいカギ』『痛快TV スカッとジャパン』『今夜はナゾトレ』『キスマイ超BUSAIKU!?』『ネタパレ』『久保みねヒャダこじらせナイト』『出川と爆問田中と岡村のスモール3』『千鳥の対決旅』『人間性暴露ゲーム 輪舞曲～RONDO～』などを担当する。
