まさかイマドキの調味料がこんなにも美味しく、しかもバラエティにも豊んでいるとは――。ひょんなことから調味料の有用性に気付き、コロナ禍で一度下火になった“自炊熱”に再び火がついた筆者は、各社が販売する調味料を片っ端から試している真っ最中。これまでも、味の素の「Bistro Do」キッコーマンの「うちのごはん」で美味しいご飯を作ってきた。

どれも簡単かつ短時間で料理ができ、しかも本当に美味くてビックリしているのだが、先日使ってみたミツカンの「CUPCOOK」も凄かった。

しかも使用されている材料を見ると、添加物もまったく見当たらない。そんな身体に嬉し優しい調味料を、ここでさっそくレコメンドしたい。

「しょうが焼」のシャキシャキの玉ねぎに衝撃!!

今回試したのは、「しょうが焼」と「鶏みぞれ煮」の2種類。「CUPCOOK」はその名のとおりカップ型に個装されている。この手の調味料としてはなかなか珍しいが、「具入り合わせ調味料」を謳っているので、細かい野菜などが結構な量、入っているのかもしれない。

そして先ほど述べたとおり、成分は非常に優しげ。なんと、保存料や化学調味料どころか、動物性原料も見当たらない。そのうえカロリーも控えめなので、ダイエット中にも頼れそうである。

逆に言えば、これで本当に美味しいのか……? といった心配も頭をもたげるが、まぁここはまず、あれこれ考えずに使ってみるとしよう。

では、まずは「しょうが焼」から。

しょうが焼かぁ。意外に久しぶりに食べるかも。コロナ禍以前は、1000円以内で食べられる居酒屋ランチの定番メニューとして、よくしょうが焼き定食なども食べたものだが、最近は極力外食も控えているので、ずいぶんご無沙汰な気がする。そう考えると、ちょっと楽しみだ。

用意する材料はなんと、

  • 豚薄切り肉(約250グラム)

……のみ。うーむ、なんというハードルの低さだろう。ありがたや、ありがたや。

ではさっそく料理開始。まず、肉を炒めます。むしろ、肉を炒めるほかありません。

中火で、肉に焼き目が付くまで炒めたら、一旦火を止めて……

このカップに入った「CUPCOOK」を……

フライパンにイン。おおっ、なんか刻み玉ねぎがドッサリと出てきた!!

そして、再び中火で約3分とろみがつくまで炒めたら……

完成!! おお~、これは美味しそう。しょうがと醤油のいい香りが湯気とともに立ち込めてくるではないか。さっそく食べてみよう。

いただきます!!

あっ……これ、美味い!! まっさきに感じるのは、ハッキリとした生姜の風味と、玉ねぎの豊かな甘みである。キリッと立った醤油の味も絶妙だが、やはりナチュラルな甘みが食欲を強く刺激してくる。時短レシピなのに、刻み野菜とタレのとろみのおかげで、肉にしっかりと味もついている。いやぁ、美味い。

そして、何よりビックリしたのが、この玉ねぎのシャキシャキ食感である。歯ごたえが、とてもレトルト食品とは思えない。これは明らかに何か秘密があるぞ……。

そう思って調べてみると、主に2つの理由があったようだ。

【1】冷凍の玉ねぎではなく、乾燥玉ねぎを使用したこと、【2】通常なら常温保存のためレトルト殺菌を行うところ、食感を残すためにお酢の静菌効果を利用したこと。

この工夫によって、玉ねぎの食感を損なうことなく、常温保存を可能にしたそうだ。さすがポン酢で知られるミツカン、まさに面目躍如である。

「鶏みぞれ煮」は即リピ買い。アレンジレシピも大成功!!

お次は「鶏みぞれ煮」。みぞれ煮も好きだなぁ。大戸屋なんかにも似たようなメニューがあって、よく食べたのを覚えている。

こちらの材料はというと、やっぱり……

  • 鶏肉(250グラム)

……のみ、である。ありがたや、ありがたや。

まずは鶏肉の皮目を下にし、中火でカリッとするまで焼く。

よし、こんな感じで焼けたら、鶏肉をひっくり返して……

フライパンの蓋をし、弱火で3分焼く。

そして一旦火をとめ、「CUPCOOK」を投入。それっ。

再び弱火にして、ひと煮立ちさせたら完成だそうだ。こんな感じかな?

よし、いいだろう。これをお皿に盛り付ければ……

完璧。これは美味そうだ!! 冷めないうちにいただいちゃいましょう。パクッ。

ああ、大好き。く~、最ッ高に美味い!! 酸味がしっかりと効いている。お酢だけではなく、レモン果汁や柚子果汁まで入っているらしい。なるほど、道理で酸っぱさのなかにも華やかさがあるわけだ。なめらかにすりおろされた大根おろしのサッパリ感と合わさって、すごく統一感がある。

酸味と砂糖の甘さのバランスもちょうどいい。細かな赤い粒は唐辛子ではなく、赤パプリカだそうだ。そういう細かいところまで気が利いているのも嬉しいなぁ。こちらも時短レシピだが、鶏肉がタレと同化した大根おろしをしっかりとまとっているので、ばっちり濃い味を楽しめる。

ちなみに、これはあまりに美味しかったのでさっそくリピート。今回はアレンジレシピとして、ガラッと材料を変えて、こんなものを作ってみた。

厚揚げのみぞれ煮である。美味しい定食屋のみぞれ煮には、えのき茸やなめたけが入っていることが多いような気がしたので、今回のアレンジレシピではえのき茸もトッピングしてみたのだが……

これも大成功!! 厚揚げの衣が酸味のあるみぞれ煮のタレを吸い、シャキシャキのえのき茸が食感や味のアクセントとなっている。

優しい食材で、しかも素材の味もしっかり楽しめる。ミツカンの「CUPCOOK」は、自炊に疲れた人だけでなく、健康志向の人にもぜひ一度試してみてほしい優良調味料である。さて、筆者も売り切れる前に、もう少し買い足しておこうかな……。