人生100年時代と叫ばれる中で、今後の生活を考えると資産運用を始めたいと思う人も多いでしょう。資産運用を行う際に、初心者でも始めやすいのが投資信託です。

人生100年時代と叫ばれる中で、今後の生活を考えると資産運用を始めたいと思う人も多いでしょう。資産運用を行う際に、初心者でも始めやすいといわれているのが投資信託です。

  • 投資信託とは

    投資信託のリスクを知ったうえで、資産運用を始めましょう

投資信託とは

投資信託とは、ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、個々の投資家の代わりに投資や運用をしてくれる金融商品です。初めて資産運用を考えている人には手の出しやすい商品といえるでしょう。まずは投資信託についてくわしくみていきます。

投資信託について

投資信託とは、多くの投資家から集めたお金をまとめてひとつの資金とし、資産運用のプロがその資金をもとに、投資家に代わって投資や運用を行い、運用成果を投資家に分配する金融商品のことです。集めたお金は国内外、株式の債券などに分散して運用されます。つまり、プロがどのような対象に投資するか決めてくれるので、知識のない人でも始めやすい商品といえます。

投資信託の専門用語

投資信託を始めるなら、まずは基本的な専門用語を覚えておくことをおすすめします。よく使われる基本的な用語としては「基準価額」と「分配金」があります。

基準価格とは

基準価額とは、毎日変動する投資信託の値段のことをいい、1日ひとつの価額が公表されます。この価額で投資家が投資信託を購入、換金する際の取引が行われるのですが、保有者を保護する観点から基準価額は取引の締め切り後にしか発表されません。基準価額はホームページや新聞に掲載されているのでチェックしてみましょう。

分配金とは

分配金とは投資信託の運用で得た収益を、各投資家の保有口数に応じて決算ごとに投資家に分配するお金のことをいいます。どのくらいのお金が分配されるかや、支払い頻度は運用会社によって異なります。加えて、決算の内容や分配方針によっては、支払われないこともあるので注意しましょう。

投資信託の対象

投資信託では主に国内外の債券や株式、不動産投資信託、デリバティブ、短期金融商品などを対象に投資をしています。これらの商品を組み合わせることによって運用されているのです。

国内の株式のみで行われているものもあれば、国内、海外問わず債券で投資されているものもあります。さらに、複数の異なる分類の商品を組み合わせた商品も存在します。

投資信託のポイント

投資信託では、何に投資するのかというところが大切なポイントのひとつとなります。選び方によってはリスクやリターンに大きく影響が出てくるからです。少しでもリスクを減らし、長期的な運用を目指すなら債券の割合が高いものを選び、大幅なリターンを追求するなら株式の割合が高いものを選ぶなど、目的に合わせて購入するのがおすすめです。

  • 投資信託の仕組みについて

    投資信託とはプロがあなたの代わりに投資、運用してくれる金融商品です

投資信託の仕組みについて

投資信託では、集めた資金をどの商品に投資するかは専門家が決めていきます。もちろん運用成績は市場の動向によって変化するため、利益がでることもあれば、損失となることもあります。では、一体他の資産運用とは何が違うのかをご紹介します。

預金との違い

預金とは、銀行や信用金庫などの金融機関に預けられたお金のことをいいます。定期預金など一定期間の引出し制限がある場合もありますが、基本的には自由に引き出すことができるお金という意味合いが強いのが特徴です。投資信託との大きな違いとしては、元本保証があることと、預金保険制度によって一定金額まで保護されていることです。

投資信託は元本保証がないため、場合によっては元本を下回る場合もあります。さらに、金融機関が万が一破綻した場合の保証も投資信託は対象にはなりません。

株式投資との違い

株式投資とは企業が発行する株式に投資することです。配当金や売却益を得ることができるため、リスクはありますが、大きなリターンが期待できる金融商品です。投資信託と株式投資の大きな違いといえば「誰が」運用するのかということでしょう。

株式投資は自身で銘柄選択や運用を行うので、好きな株式を組み合わせて購入ができ、投資信託に比べると手数料が安めであるというのが特徴です。投資信託の場合は株式投資よりも手数料は高額ですが、プロに運用を任せることができ、比較的にリスクも少ないものも多いことから初心者におすすめです。

ETFとの違い

ETFとは投資信託の一種です。ETFと通常の投資信託の大きな違いとしては証券取引所を通じて取引しているかどうか、つまり投資信託が上場しているかどうかです。投資信託の方が圧倒的に種類が豊富です。ETFは証券会社でのみ取り扱われていますが、通常の投資信託は証券会社の他に、銀行や郵便局でも取り扱われています。

  • 投資信託のリスクについて

    投資信託の仕組みについて理解しましょう

投資信託のリスクについて

投資におけるリスクとは、資産運用で得られる成果の不確実性の度合いのことをいいます。つまりここでいう「高いリスク」とは大きな収益が得られるかもしれないし、大きな損失が出るかもしれないということです。

投資信託は株式や債券など価額の変動があるものに対して投資をするので、基準価額も変動します。元本保証がなく、損益が確実ではないため、リスクの伴う金融商品といえるでしょう。次に、投資信託にはどのようなリスクがあるのかくわしく解説します。

価格変動リスク

価格変動リスクとは、投資信託に組み込まれている株式や債券の価格が変動する可能性によるリスクです。組み込まれている商品の価格が変われば、投資信託の基準価額も同じように変わります。

政治や経済の状況、企業の業績など、さまざまな要因で価格変動がおこります。大きく価格が上回れば、高いリターンが期待できますが、逆に元本割れを起こすリスクもあるので注意しなければいけません。

為替変動リスク

為替変動リスクとは外国為替レートが変動することによって、投資信託の基準価額が影響を受けるリスクのことです。投資信託において海外株式や外国債券を投資対象としている場合は、株式や債券自体の価格に変動がなく、外国為替レートが変動すると基準価額が変わることを忘れてはいけません。通常は、購入時より円高になれば基準価額は下がりますが、円安になれば上がります。

信用リスク

信用リスクとは、債券を発行している企業や国の財政状況が悪化することで損失が発生するリスクです。別名クレジットリスクやデフォルトリスクとも呼ばれています。倒産や債務不履行にならなくても、企業や国に対する不安が増大することで、債券価格が急落して損失が発生する場合もあります。

金利変動リスク

金利変動リスクとは、金利が変動することにより、債券価格が変動するリスクのことです。通常は、市場の金利が下がると債券価格は上がり、逆に金利が上がると債券価格は下がります。

特に満期までの期間が長い債券ほど、金利変動の影響を大きく受けることになります。金利の動向によって債券価格が下がり、損失を受ける可能性があるので注意しましょう。

リスク回避の仕方

投資信託を購入する前に、必ず目を通して欲しいのが目論見書です。目論見書には投資信託の募集要項や費用、運用の内容(運用目的・特色、投資対象など)、リスクについてなどが記載されています。それぞれの投資信託によって、目標とするリターンやリスクの種類・大きさなどが違うため、これらを確認しておくことはとても大切です。購入の際の参考にしましょう。

  • リスクとリターンについて

    投資信託のリスクを把握したうえで資産運用をしていきましょう

リスクとリターンについて

投資信託は、株式投資と比べてもリスクが低いといわれており、初心者におすすめされることが多い金融商品です。ただし、預金と違って元本が保証されているわけではないので、リスクとリターンについてはしっかり確認しておきましょう。

リスクとリターンの関係

リターンとは、資産運用をすることによって得られる利益のことであり、リスクとは、リターンのばらつきのことをいいます。このリスクとリターンは密接に関わっていて、比例関係にあります。低リスクの商品であればリターンも低めにですし、高リスクの商品であれば、高いリターンが見込めます。このことから、ローリスクハイリターンの商品は基本的にはないといえるでしょう。

リスクの計算方法

リスクの計算方法のひとつとしてあげられるのが標準偏差です。標準偏差とは対象データのばらつきの大きさを数値化したものです。投資信託においては、リターンがどの程度ばらついているかといった、リスクの度合いを測るために標準偏差が用いられることあります。 標準偏差の数値が大きいほどリスクが大きく、小さければリスクも小さいことになります。

投資信託の場合の計算方法は以下の通りです。

1.ある一定の年数を設定し、まず騰落率の平均値を求める
2.年ごとにリターンから平均値との差(偏差)を求める
3.2で出てきた偏差を2乗する
4.一定期間の年ごとの偏差の合計を出す
5.偏差の合計を年数で割る
6.5で出てきた数値の正の平方根を求めて標準偏差を算出する

「計算が複雑で難しい」という人は、投資についての情報を発信するサイトなどでも投資信託の標準偏差がでているため、参考にしてみるのもいいでしょう。

リターンの計算方法

リターンの計算方法としては、トータルリターンがあります。トータルリターンとは、一定期間内に投資商品から得られる総合的な収益を示したものになります。計算方法は以下の通りです。

トータルリターン=現在の評価金額+累計受取分配金額+累計受付金額ー累計買付金額

証券会社のホームページでは、投資信託の商品のトータルリターンがチェックできるので活用してみましょう。

リスクとリターンの分析

投資信託では、リターンが大きい商品がいい商品であるとは断言できません。なぜならリターンが大きいということは、それだけリスクも大きいということを意味するからです。

大事なのはリスクとリターンが見合っているかどうかということになるのですが、それを判断するために用いるのがシャープ・レシオという指標です。シャープ・レシオはリスクに対しどれだけリターンを得たかを測るもので、投資信託の運用成績の評価などにも使われます。この数値が大きいほど効率的な運用が期待できます。各証券会社のホームページで、ぜひ確認してみてください。

  • 投資信託のリスクを理解したうえで、賢い資産運用を実現しましょう

    投資の際はリスクとリターンをじゅうぶん確認しておきましょう

投資信託のリスクを理解したうえで、賢い資産運用を実現しましょう

投資信託はプロに運用してもらえるので、初心者にとっては始めすい投資方法です。そうはいっても、預金のように元本保証や、預金保険制度があるわけではなく、運用会社によって規定も違うので、投資信託の特徴やリスクを十分に把握したうえで資産運用していきましょう。