日産自動車は新型「フェアレディZ」の米国市場向けモデルを発表した。発売は2022年春の予定。値段はまだ公表されていないが、全3グレードのスペックが明らかになったので、詳しく見ていきたい。なお、日本仕様の発表は2021年冬の予定とのことだ。
6速MTと9速ATを用意!
米国市場向けの新型「Z」は「Sport」「Performance」「Proto Spec」の全3グレード。Proto Specは240台の限定車となる。
全グレード共通のスペックを確認していくと、搭載するのは3.0LのV型6気筒ツインターボエンジン(VR30DDTTエンジン)で、最高出力は405PS、最大トルクは475Nm(5,600rpm)。トランスミッションは6速マニュアルトランスミッション(MT)と9速オートマチックトランスミッション(AT、パドルシフト付き)から選べる。
6速MTは大トルクの「VR30DDTT」エンジンに対応するため、クラッチディスクとギヤトレインを強化。新設計のシンクロナイザーシステムの採用やシフトプロファイルの変更などにより、ドライバーの意のままのスムーズなシフトチェンジを可能にしたという。
新開発の9速ATは幅広いギアレンジにより、ダイレクトで素早いレスポンスを実現。通勤や高速道路でのロングドライブに最適な「スタンダードモード」と、ポテンシャルを最大限に引き出す「スポーツモード」が選択できる。スポーツモードはより速い加速制御に加え、ステアリングやVDCに専用制御を採用。ワインディングロードをキビキビと駆け抜けるのに最適な設定としてある。
新型Zは、日産の後輪駆動車として初めてアドバンストローンチアシストコントロールシステムを搭載している。クラッチ操作でエンジン回転数を保持し、停止状態からの加速性能のポテンシャルを最大限に発揮するシステムだ(ATは全車、MT車は「Performance」グレードのみ)。
高速走行時やコーナリング時にレスポンスの高いハンドリング性能を実現するため、ボディ剛性を高めた。ラックアシストタイプEPSやワイドフロントタイヤなどを採用することにより、コーナリング性能は最大13%向上しているという。
前後のダンパーには新設計の大径モノチューブダンパーを採用。減衰力を現行より約20%低減させることで路面突起乗り越し時のショックを抑制し、モノチューブ式の強みである高応答性をいかして路面追従性を向上させ、高い操縦安定性を実現したそうだ。アルミ製ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションは、キャスター角を増やすなどの改良でジオメトリーを変更し、直進安定性を向上させた。
タイヤサイズはグレードによって異なる。具体的には「Sport」が前:245/45R18 9J、後:245/45R18 9J、残りの2グレードは前:255/40R19 9.5J、後:275/35R19 10Jを装着する。