映画『キネマの神様』(8月6日公開)の公開記念舞台挨拶が5日に都内で行われ、菅田将暉、野田洋次郎、北川景子、宮本信子、山田洋次監督が登場した。

  • 左から野田洋次郎、北川景子、菅田将暉、宮本信子、山田洋次監督

    左から野田洋次郎、北川景子、菅田将暉、宮本信子、山田洋次監督

本作は、小説家・原田マハの同名小説を原作に、「松竹映画100周年記念作品」として山田洋次監督がメガホンを握る。ギャンブル漬けで借金まみれのゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩にも見放されたダメ親父だが、たった一つ「映画」を愛していた。若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として撮影に明け暮れる傍ら、食堂の娘・淑子(永野芽郁)に恋をし、映写技師・テラシンとともに夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていた。しかしゴウは初監督作品『キネマの神様』の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。半世紀後の2020年、『キネマの神様』の脚本が出てきたことで、沈みかけていたゴウとその家族は再び動き始める。

菅田は客席を見渡し「50%ですけどもお客さんがいる舞台挨拶は本当に貴重な時間なので感慨深いです」としみじみ。今回は出席できなかったが、作中で恋模様を繰り広げた永野芽郁について「本当にキュートですし、かわいいのは知ってたけど、山田さんもメロメロになっていたので、『山田洋次までメロメロにするんだなあ』と恐れ多かったですね」と、永野の大物っぷりに感心する。山田監督は永野について「いやあ、とってもかわいいですよね。とても重要なことですよね」と嬉しそうにしていた。

また、イベントでは故・志村けんさんの遺志を継いで菅田とW主演を務めた沢田研二からの「志村さんのお気持ちを抱きしめ、やり遂げる覚悟です。 あの日から新型コロナと共に歩んだ、72歳、精一杯の姿です。詮無いですが、志村さんのゴウが見たかった。私はこの作品を封切館で初めて見ようと思っています」というコメントも読み上げられた。

沢田は現代のゴウ、菅田は過去のゴウを演じたために同じシーンはなかったが、菅田は「1回現場に見学に行かせていただいて、沢田さんの撮影に取り組む様子を見せていただいた」と振り返る。志村さんを彷彿とさせる「東村山音頭」を沢田が歌うシーンの直前だったようで、菅田は「ものすごく集中されてて、誰も近づけないような空気があって。その姿を一目見ただけで、沢田さんの作品に臨む思いがあふれ出ていたので、楽しみにしてましたし、沢田さん自身が観たときにどう思うのかなと、純粋に気になります。同じ人物を演じられたことがすごく光栄です」と思いを表した。