弱冠以外の数え年の名称
「弱冠」のほかにも、数え年にはさまざまな名称があります。主な数え年の名称を確認しておきましょう。
数え年 | 名称 | 由来 |
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15歳 | 志学(しがく) | 「論語」為政の「吾十有五にして学に志す」 |
30歳 | 而立(じりつ) | 「論語」為政の「三十にして立つ」 |
40歳 | 不惑(ふわく) | 「論語」為政の「四十にして惑わず」 |
50歳 | 知命(ちめい) | 「論語」為政の「五十にして天命を知る」 |
60歳 | 耳順(じじゅん) | 「論語」為政の「六十にして耳順(みみしたが)う」 |
61歳 | 還暦(かんれき) | 十干と十二支の組み合わせが六十一年目に元の干支に戻る |
77歳 | 喜寿(きじゅ) | 「喜」の草書体が七を3つ重ねた形のため七十七にみえる |
88歳 | 米寿(べいじゅ) | 八十八をひとつの字にすると「米」になる |
「還暦」や「米寿」は比較的よく聞く名称ですが、論語が由来の名称は聞き慣れないという方も多いかもしれません。
弱冠の類語
「弱冠」の類語を紹介します。
■若年
「若年(じゃくねん)」は「年が若いこと」や「若者」を意味する言葉なので「弱冠」の類語になります。ただし、「若年」は単に「年齢の若さ」や「若者」をさすため、「県知事に就任するには若い」のような意味あいで使うことはできません。「20歳の男子」の別称としても使えません。
■若齢
「若年(じゃくれい)」も「年が若いこと」を意味する言葉です。基本的には「若年」と同義になります。
■若輩
「若輩(じゃくはい)」には「年が若い者」という意味があるので「弱冠」の類語として使えます。「未熟で経験が浅い」という意味もあり、「若輩者」という使い方もされます。
「入社1年目の若輩者ですが、よろしくお願いいたします」
「弱冠」は2つの意味で使われている言葉
「弱冠」は数え年における「20歳の男子」を意味する言葉です。近年では20歳の男子に限らず「年齢が若いこと」の意味でも使われるケースが多くなっています。発音が同じ「若干」は「物の量や程度などがそれほど多くない」という意味なので、混同しないように注意しましょう。
「弱冠」の類語や正しい使い方を覚えて、ビジネスシーンでも正しく活用できるようにしたいところです。「弱冠」以外の年齢の別称も覚えておけば、日常生活でも役立つこともあるでしょう。