今回紹介する投稿は、広島県に本社を置く精密部品メーカー「キャステム」の社員、IRON FACTORY IKEDA(CASTEM)さん(@IRON_IKEDA)のツイート。

ツイ主である、同社の池田さんによると、こちらの会社では、「いいモノを作ろう! 」と頑張る社員の労をねぎらうべく、月に一度、社食に「スペシャルランチ」が登場するのだとか。

その破壊力MAXのランチ画像に、ツイッターがざわついています。

この170円の社食『ステーキ食べ放題』に金メダルをください。
(@IRON_IKEDAより引用)

山のごとく積み上げられたステーキに、思わずヨダレがたれそうになっているのは筆者だけではないはず。一瞬、肉フェスの画かと思ってしまいました。しかも、これが170円で食べ放題とは驚きです!

この投稿に、「……は? 」「そんなバカな…」「パラダイスやないかいッ!!! 」「最高の福利厚生」「めっちゃ食いてぇ~(笑」「うまそー」と羨む声が殺到。金メダルをご所望のキャステムさんに「優勝! 」「ぶっちぎりの金メダルでしょう」という声や、早速、「転職しようかな」「めちゃくちゃ入りたい」「社員にして下さい」と、入社を希望する声もあがっていました。

ちなみに、このステーキの山は、スペシャルランチ「ステーキ丼」として登場。その全貌がこちらです。

  • 株式会社キャステム(@castem_japan)のInstagramより

    株式会社キャステム(@castem_japan)のInstagramより

サラダにスープ、デザートまで付いているとは、完璧ですね!

■キャステムの池田さんにお話をうかがいました。

―― 月に一度のスペシャルランチということですが、他の月にはどんなメニューが登場するのですか?

池田さん:キャステム食堂では月に一回色々なことに挑戦する「チャレンジデー」というものがあり、毎回ステーキやローストビーフ、大人様ランチなど、社員が笑顔になるメニューを企画しています。この回は【肉フェス~ステキなステーキ丼~】で、大麦牛のサーロインステーキの食べ放題でした。

――ローストビーフや大人様ランチ、うらやましい……! ネーミングも素敵ですね。

池田さん:キャステムの社員食堂は、「仲間と同じ釜の飯を食う」というコンセプトのもと、1日1種類のメニューを提供しています。月曜日は一週間の始まりなので「よーい丼! 」の日、水曜日は麺とお楽しみデザートの日、金曜日は「おつカレーさま」でカレーの日です。他にもひな祭り・バレンタイン・ハロウィン・クリスマスと季節の行事にあわせて様々なメニューを企画しています。

――メニューはどなたが決めているのでしょうか?

池田さん:メニューは社員に「何か食べたいものある? 」と声をかけながらシェフを中心に決めています。1日に1種類のメニューのため、どうしてもアレルギーや好き嫌いで食べられないという人のために、社長の「カレーがあれば丸く収まる! 」の鶴の一声で毎日カレーも提供しています。

――このスペシャルランチを提供することになったきっかけなどがあれば教えてください。

池田さん:特別な行事やイベントなどがない場合は、月の最終金曜日にチャレンジデーを開催しています。始めたきっかけは、1カ月の疲れが吹っ飛ぶようなワクワクを楽しめて、社員同士の話題になるような日を作ろうと思ったことです。2018年の6月、この社員食堂オープン後3カ月目から毎月おこなっています。

―― このステーキ食べ放題について、社員のみなさんの反響はいかがでしたか?

※作り手の反応
とにかく社員みんな笑顔の食卓です。部署・役職関係なく、みんなでステーキをほおばる姿を見ていると、作り手の私たちもとても幸せです。

※新入社員の反応
社食でこの量、この厚みのお肉がでるなんて! しかも、おかわりし放題で170円なんて! 「驚」の連続でした。「この会社に入って良かった」と思った瞬間でした。

―― キャステムはものづくりをされているということですが、どんなものを作っているのですか?

池田さん:ロストワックス精密鋳造・メタルインジェクション(MIM)の技術を用いて、医療機器、ロケット部品等あらゆる産業の精密部品の製造販売を主軸としています。

その技術を活かし、2017年より個人のお客様を対象とした商品の企画・製造・販売を開始。著名人の手型の金属製オブジェやモンスターボール虫かご、原作を完全再現した鋼製のロビンマスク等、これまでにないグッズを次々と生み出し、今大変注目を受けております。

令和元年には日本最速の新元号グッズの発売に挑戦。新元号発表から2分27秒後に「令和ぐい呑み」を発売し、さまざまなメディアに取り上げられました。その他、紙ヒコーキ、コマ大戦、CTスキャンスタジオ(京都)、パニパニファーム(宮古島)など、常に金属・常識にとらわれないモノづくりへの挑戦を行っています。

――本当に幅広くものづくりをされているのですね。最後に、今回のツイートが話題になっていることについて、率直な感想を教えてください。

池田さん:創業51年。技術には自信があります。しかし、その技術を使ってどれだけ複雑で精密な金属部品を作っても一般の方にはなかなか注目してもらうことが出来ませんでした。

今キャステムではロビンマスクやモンスターボールが製造工程で流れています。バナナや井上尚弥選手・長州力さんの手型等、面白い物がたくさん流れています。こういったオンリーワンの取り組みをたくさんの方にSNSで反応頂けて本当に嬉しいです。こんな技術を持ったこんな面白い会社(部品屋)が広島県福山市にはあるんです!
ということをたくさんの方にもっともっと知って頂きたいです。


「会社の社員への愛情が伝わってきます」というコメントもあった今回の投稿。社員に数字や結果を求めるだけの会社では、いいアイディアも、いい商品も生まれないように思います。170円の社食とまでは言いませんが、何かしらの形で、「会社から必要とされている、大事にされている」と思えるようなアクションを示してもらえたら、嬉しいですよね。