現在のコロナ禍に苛まれる以前は、満員の劇場で誰かと並んでポップコーンを食べながら恋愛映画を鑑賞し、その後に直接向き合って感想を話しあうことも普通にできていました。感染拡大防止のために「密」な状況を避けるのが当たり前のルールとなっている現状を鑑みれば、それはとても豊かな時間だったような気もします。
そこで今回は、マイナビニュースの男女会員アンケートを実施。2019年に公開された恋愛映画を振り返り、「心に響いた2019年公開の恋愛映画」をランキング形式で紹介します。さて、どんなランキングになっているでしょうか。
思わず涙がこぼれ落ちた、泣ける映画ランキング20! 邦画の1位は?
心に響いた2018年公開の恋愛映画ランキング
心に響いた2019年公開の恋愛映画ランキング
1位『アラジン』(20.4%)
2位『天気の子』(18.4%)
3位『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(9.7%)
4位『人間失格 太宰治と3人の女たち』(4.9%)
4位『フォルトゥナの瞳』(4.9%)
6位『午前0時、キスしに来てよ』(3.9%)
6位『殺さない彼と死なない彼女』(3.9%)
6位『ホットギミック ガールミーツボーイ』(3.9%)
6位『君は月夜に光り輝く』(3.9%)
10位『愛がなんだ』(2.9%)
10位『4月の君、スピカ。』(2.9%)
10位『マイ・ビューティフル・デイズ』(2.9%)
10位『リヴァプール、最後の恋』(2.9%)
14位『町田くんの世界』(1.9%)
14位『マチネの終わりに』(1.9%)
14位『アイネクライネナハトムジーク』(1.9%)
14位『九月の恋と出会うまで』(1.9%)
14位『帰れない二人』(1.9%)
続いて、その作品が選ばれた理由を作品ごとに紹介していきましょう。
1位『アラジン』
「千夜一夜物語」の「アラジンと魔法のランプ」をもとにした1992年公開のディズニー・アニメーション映画『アラジン』。今も人気の高いこの作品を実写でリメイクしたミュージカル・ファンタジー。貧しくあっても純真な心を持つ青年・アラジンは、自由を求める王女・ジャスミンと出会い彼女に恋をする。アラジンは、ランプの魔神・ジーニーの魔法でアリ王子となり、ジャスミンに近づくが……。
監督/ガイ・リッチー
・「シンプルながら、さすがの貫禄に圧倒される」(37歳男性広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)
・「ディズニーのアニメと歌のコントラストが最高」(56歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「空飛ぶじゅうたんのシーンがロマンチックでよかった」(48歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「名作です。もう一度観ると、また違う視点で観られるかも」(65歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「アラジンはアラビアンナイトの話なのでわかりやすく、イメージにあっていた気がします」(33歳男性/教育/専門職関連)
・「定番ですけど、ディズニーは大人も子どもたちも楽しめる映画でよいと思いますね~」(48歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
2位『天気の子』
大ヒットした『君の名は。』から3年ぶりとなる、新海誠監督の長編アニメーション映画。天候のバランスが崩れ、雨が降り続く日々。離島から東京へと家出してきた高校1年生・森嶋帆高は、祈るだけで空を晴れにできる能力を持つ不思議な少女・天野陽菜と出会う。
監督/新海誠
・「映像が美しく、甘酸っぱい恋が素敵だった」(44歳男性/サービス/その他技術職)
・「アニメだけど、新海誠監督の映画は実写を超える面白さがある。単なる恋愛映画ではなく、社会への問題提起もある映画」(52歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/営業関連)
・「最後に少年の選んだ選択がよかった。正しいか否かは意見の分かれるところだが、覚悟をもって自分の望む選択をすることで、少年の成長を感じることができた」(57歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「典型的なボーイミーツガールものですが、このような青春ものは好きですし、本当に背景が綺麗なアニメで観てよかったと思います。少年少女が思い悩み自らの行動を考えていくストーリーとそのバックの背景の色彩と揺れ動く感情の繊細さとマッチしていて、初めて2回観てしまいました」(58歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「青春の味ってこんなもんだったっけという感じ。でき過ぎてませんかね? でも人それぞれでいいかな?」(44歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「『天気の子』は、恋愛映画以外でも2019のベスト1でした」(52歳男性/物流・倉庫/事務・企画・経営関連)
3位『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』
赤坂アカの同名人気ラブコメ漫画を実写映画化。名門エリート高の生徒会の副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行はお互いのことが気になりながらも、高すぎるプライドゆえに素直になれない。やがて「先に告白した方が負け」という謎の思考に囚われるようになっていく。
監督/河合勇人
・「キャストが豪華で、キュンキュンしたから」(23歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「ギャグとシリアスのバランスが絶妙で面白かったです」(31歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「原作の漫画が大好きなので、ぴったりのキャストが演じてくれていて嬉しかった」(41歳男性/食品/営業関連)
・「ただの恋愛映画じゃなくて、駆け引きがとてもコミカルで面白いですね」(38歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
4位『人間失格 太宰治と3人の女たち』
小説「人間失格」の誕生秘話を、太宰治の正妻と2人の愛人という3人の女性の目線から描いたフィクション作品。人気作家・太宰は、妻子を持ちながらも2人の愛人との関係を続け、自殺未遂を繰り返す。やがて彼は、夫の才能を信じる妻の言葉に促され、「本当の傑作」を追い求め始める。
監督/蜷川実花
・「太宰治が大好きで、感動しました」(56歳男性/コンピューター機器/メカトロ関連技術職)
・「雪の上で吐いた血のシーンが印象的でした。しょせん不倫ネタと思い込んで鑑賞しましたが、太宰の持つ女性へのいたわりや、太宰に対する女性たちの濃淡あるあいまいな感情とが対比され、太宰のもつ人間性や人間力を肥やしに力強く生き抜こうとする女性の強さが目立った作品だと感じました」(59歳男性/教育/事務・企画・経営関連)
4位『フォルトゥナの瞳』
百田尚樹の同名小説の映画化作品。人の死が見えてしまうという不思議な能力「フォルトゥナの瞳」を持ってしまった青年・木山慎一郎。自らの能力に苦悩する慎一郎だったが、桐生葵という女性と出会い、心の平穏を取り戻す。だがある日、彼は葵が死にゆく運命にあることを知ってしまう……。
監督/三木孝浩
・「気軽に観られるし、出演者に好感を持てた」(48歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「自分の命を捨ててまで彼女への愛を貫く姿に感動」(48歳男性/総合商社/事務・企画・経営関連)
6位『午前0時、キスしに来てよ』
みきもと凜の同名コミックスを実写映画化。優等生の女子高生・花澤日奈々は、真面目すぎる性格ゆえに周りからも一目置かれる存在。しかし実は彼女は王子様との恋愛に憧れる、夢見る少女だった。そんな日奈々はあるきっかけで国民的人気スターの綾瀬楓と知り合い、やがて秘密の交際が始まる……。
監督/新城毅彦
・「キャストがいい」(52歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「とても魅力的な内容でした」(47歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/営業関連)
6位『殺さない彼と死なない彼女』
SNSで話題となった漫画家・世紀末による同名4コマ漫画を原作とした実写映画。無気力で怠惰な生活を送る高校生・小坂れいはある日、教室で蜂の死骸を埋葬している同級生・鹿野ななに出会う。リストカット常習者で自殺願望のあるななが、虫の命を大切に扱っていることにれいは興味を覚えた。ななもまた、れいに心を開いていき……。
監督/小林啓一
・「恋愛は、よい面も悪い面もあるんだなと思いました」(53歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「親が、泣いたと紹介してくれた」(31歳男性/輸送用機器/技能工・運輸・設備関連)
6位『ホットギミック ガールミーツボーイ』
相原実貴の少女コミックス「ホットギミック」の映画化作品。平凡で気弱な女子高生・成田初は、同じマンションで暮らす幼なじみの橘亮輝に弱みを握られてしまう。初は亮輝から奴隷になるように脅迫されるが、そこにかつて同じマンションに暮らしていた人気モデルの小田切梓が戻ってきて……。
監督/山戸結希
・「面白かった」(29歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「また見てみたい」(32歳男性/その他電気・電子関連/販売・サービス関連)
6位『君は月夜に光り輝く』
第23回電撃小説大賞を受賞した佐野徹夜の同名小説を映画化。月に照らされると肌が光る「発光病」という不治の病におかされた女子高校生・渡良瀬まみず。入院生活を送る彼女のため、同級生の岡田卓也は彼女のできない体験を代わりに行い、その感想を伝える「代行体験」を始める。
監督/月川翔
・「ストーリーがよい」(34歳男性/精密機器/メカトロ関連技術職)
・「参考になりました」(34歳女性/農業協同組合/営業関連)
10位『愛がなんだ』
角田光代の同名の恋愛小説を映画化。28歳のOL、山田テルコはマモルのことを好きになって以来、すべてを彼に捧げる生活を送っている。しかし当のマモルは、彼女をただの都合のいい女としか見ていない。ある出来事をきっかけに急接近したかに見えた2人だが、ある日マモルは姿を消してしまう。
監督/今泉力哉
・「恋愛映画はあまり観ないけど、印象に残っている」(45歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)
10位『4月の君、スピカ。』
杉山美和子の同名少女コミックスを実写映画化。東京から長野に転校することになった早乙女星。ある日、無口な美少年・大高深月に誘われ、天文部に入部する。天文部の部員は、深月と宇田川泰陽という秀才、そして星の3人しかいなかった。やがて3人は次第に微妙な三角関係に発展していき……。
監督/大谷健太郎
・「いろいろ観た恋愛映画の中で、最近ではもっとも泣けた映画でしたね」(49歳男性/その他/その他・専業主婦等)
10位『マイ・ビューティフル・デイズ』
2017年製作の映画『君の名前で僕を呼んで』で注目を集め、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたティモシー・シャラメが、同作以前に主演した恋愛映画。29歳の高校の英語教師・レイチェルは、行動障がいを持つビリーら3人の生徒を演劇大会に引率することとなる。ビリーはレイチェルに心を寄せるが、彼女は教師仲間のウォルターとの関係を深めていく……。
監督/ジュリア・ハート
・「感動しました」(36歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
10位『リヴァプール、最後の恋』
イギリスの俳優ピーター・ターナーの回顧録をもとにした伝記恋愛映画。往年の大女優グロリア・グレアムと若手舞台俳優だったピーターとの、年齢やキャリアを超えた恋愛を描いている。1981年、かつての恋人グロリアの死期が近いことを知ったピーターは、彼女との日々を回想し始める……。
監督/ポール・マクギガン
・「若い頃の、美貌と栄光に満ち溢れていたグロリア。年老いて年齢に対する引け目が物悲しい。最後まで尽くすピーターはすごいと思った」(59歳女性/化粧品・医薬品/その他技術職)
14位『町田くんの世界』
安藤ゆきの同名コミックスを原作とした映画作品。人間が大好きで、周りの誰からも愛される高校生・町田一はある日、「人が嫌い」と言い放つクラスメイト・猪原奈々と親しくなる。奈々は一に恋心を抱くが、彼はそのことに気づかない。やがて一はある出来事をきっかけに、恋愛について深く考えるようになる。
監督/石井裕也
・「感動して、うっとりした」(38歳女性/教育/専門サービス関連)
14位『マチネの終わりに』
平野啓一郎の同名小説を実写映画化。クラシックギタリスト・蒔野聡史はパリ公演を終え、現地で活躍するジャーナリスト・小峰洋子と出会う。惹かれ合う2人だったが、洋子には婚約者がいた。蒔野はそれを知りながらも、洋子に告白した。だが2人を取り巻く現実の壁は厚く、想いは徐々にすれ違っていく……。
監督/西谷弘
・「ストーリーがよかった」(42歳男性/その他/その他・専業主婦等)
14位『アイネクライネナハトムジーク』
伊坂幸太郎の原作小説を実写映画化。マーケットリサーチ会社で働いている佐藤は、劇的な出会いを待つだけの青年。ある日、仙台駅前で街頭アンケートを集めていた彼は、快くアンケートに答えてくれた女性・紗季と付き合うようになる。10年ののち、彼は紗季にプロポーズをするのだが……。
監督/今泉力哉
・「原作、伊坂幸太郎を読み続けているので。よい作品。多部未華子はお気に入り」(56歳女性/その他/その他・専業主婦等)
14位『九月の恋と出会うまで』
松尾由美の同名恋愛小説を映画化。風変わりなマンションに越してきたOL・北村志織は、隣の部屋から聞こえてきた未来からの声により、強盗殺人に遭うはずだったところを救われる。声の主は隣人の平野進。彼は志織を助けたことでタイムパラドックスが生じ、1年後に彼女の存在が消えてしまうことに気づく。
監督/山本透
・「同じ思いになる」(36歳女性/サービス/IT関連技術職)
14位『帰れない二人』
名匠ジャ・ジャンクー監督・脚本による、中・仏合作映画。中国・山西省大同で暮らすチャオの恋人は、裏社会で生きるビンだった。あるとき彼女は、敵対する組織に襲われたビンを助けるため発砲し、服役することになる。5年後、刑期を終えた彼女はビンを捜して奉節に赴くのだが……。
監督/ジャ・ジャンクー
・「印象深くて楽しかった」(53歳男性/医療用機器・医療関連/専門サービス関連)
心に響いた2019年公開の恋愛映画ランキングまとめ
マイナビニュース会員に「心に響いた2019年公開の恋愛映画」を聞いた結果、1位は約2割の支持を集めた『アラジン』(20.4%)となりました。2位『天気の子』(18.4%)、3位『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(9.7%)、4位『人間失格 太宰治と3人の女たち』『フォルトゥナの瞳』(各4.9%)と続きます。
1位『アラジン』は、大ヒットしたアニメ作品を実写リメイク。誰もが知る有名なキャラクター、ランプの魔神・ジーニー役を大スターのウィル・スミスが演じたこともあり、大きなインパクトを残しました。アンケートでも、定番中の定番のストーリーを楽しんだというコメントが見られました。また、アニメ版の主題歌として大ヒットした名曲「ホール・ニュー・ワールド」の記憶を蘇らせた人もいたようです。
2位『天気の子』は、大ヒット作『君の名は。』から約3年ぶりとなる新海誠監督作品。前作からの期待感もあって、大きな話題となりました。新海作品特有の映像美や思春期の少年少女が織りなす繊細で甘酸っぱい恋愛模様と斬新な設定に大きな賛辞が寄せられています。恋愛映画というジャンルを超え、「2019年のベスト映画」という声も見られました。
3位『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』は漫画作品を原作に、アニメ化もされた人気作をKing & Princeの平野紫耀と橋本環奈という若手人気俳優主演で映画化。極度のツンデレ同士が繰り広げるギャグ満載のコミカルなストーリーに魅了された人が多かったようです。2021年8月には、続編である『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』の公開が予定されています。
4位『人間失格 太宰治と3人の女たち』は、実在の文豪・太宰治と、彼を取り巻く3人の女性を素材にしたフィクション作品。太宰役の小栗旬、正妻の宮沢りえ、2人の愛人として沢尻エリカ、二階堂ふみという演技派俳優陣を配したキャスティングが高く評価されています。アンケートでは、太宰の作品や本人のファンであるという人による熱い想いの込められたコメントが印象的でした。
同じく4位『フォルトゥナの瞳』は、死を目前にした人間が透けて見える超能力を持つ主人公の青年を神木隆之介、彼の孤独な人生の支えとなる女性を有村架純が演じています。愛する彼女の体が突然透け始めることに驚愕し、苦悩する様を神木が好演しており、アンケートでもそんな彼の姿に共感する声が寄せられています。
6位以下にも、2019年を代表する印象的な恋愛映画がランクインしています。コロナ禍以前の、ある意味では平穏な時代に映画館のスクリーンを彩ったこれらの作品。今後も、配信などで鑑賞するチャンスは多くあるものと思います。皆さんも、気になった作品があればぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
調査時期: 2021年7月5日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計506人
調査方法: インターネットログイン式アンケート