QRコード決済は、最近一段と普及が進むキャッシュレス決済のひとつです。店舗やインターネット上で支払いをするときに、QRコードを読み取って行います。導入店舗が増え、店頭でQRコード決済をする人の姿を頻繁に見かけるようになりました。
しかしQRコード決済の仕組みが分からず、何となく敬遠している人も多いでしょう。本記事では今さら聞けないQRコードの基本情報をご紹介。QRコード決済の大まかな仕組みや、サービスの選び方を説明しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそもQRコードとは?
QRコードは、スマホなどの読み取り画面にかざすだけで瞬時に情報を入手できるすぐれもの。QRコード決済のほかにも、広告やチラシからのWeb誘導、工場などの商品管理など身の回りに多く活用されています。バーコードと役割は似ていますが、以下のような特長があります。
QRコードの特長
- ランダムに情報を組み込めるのでバーコードより多くの情報が記録できる
- どの方向からでも読み取れる
- 汚れに強く、一部が欠けても読み取れることが多い
QRコード決済は現金を使わない支払い方法
QRコード決済は、ユーザーと店舗の間でQRコードが提示され、それを読み取ることで決済を完了させるサービスです。QRコードは一定時間で書き換えられるため、クレジットカードのように番号や使用期限が盗まれると気付くまで使い続けられるという事態を防ぐことができます。
QRコード決済のアプリも頻繁にバージョンアップされており、セキュリティには万全の対策がとられているといっていいでしょう。
キャッシュレス決済の動向
QRコード決済を含むキャッシュレス決済は、国が主導となりさまざまな利用促進のキャンペーンが展開されています。その影響で利用者は急増しており、2020年12月末の時点のアクティブユーザー数は3600万人を超えています(※)。
国はさらに利用者を増やし、将来的にはキャッシュレス決済が全体の4割を占めることを目標としています。QRコード決済は今後も増加すると見てよいでしょう。
※一般社団法人キャッシュレス推進協議会調べ
スマホを使ったキャッシュレス決済とは
スマホを使うキャッシュレス決済は、大きく2種類に分けられます。1つ目は「非接触型IC決済」といって、クレジットカードや電子マネーをスマホに登録し、専用の読み取り端末にかざす方法。2つ目は今回ご紹介しているQRコードやバーコードを使う「QRコード決済」です。
- 非接触型IC決済の例:Suica、Edy、nanaco、QUICPayなど
- QRコード決済の例:PayPay、LINE Pay、au PAY、楽天ペイなど
QRコード決済の利用方法は2種類
QRコード決済を行うときの方法は2種類あります。まずは、アプリを起動して自分のスマホにQRコードを表示して、それを店舗が端末で読み取るという方法。もう1つは店舗がレジ周辺などに掲示しているQRコードを自分のスマホで読み取り、支払い金額を入力する方法です。
基本的に、これら2つの方法は利用者は選ぶことができません。利用する店舗がどちらの方法をとっているかにより、その方法に従うことになります。
それぞれの方法をもう少し詳しく見ていきましょう。
利用者のQRコードを店舗が読み込む
QRコードを利用者が表示して支払う場合は、まずQRコード決済アプリを起動して、スマホ画面にQRコードを表示させます。店舗が端末で読み取ると支払いが完了となります。
サインをする必要も、暗証番号を入力する必要もなく、支払いがスピーディーに終わります。また表示したQRコードは5分など一定時間が経過すると無効になるため、セキュリティ面も安心です。
店舗が提示したQRコードを利用者が読み込む
店舗がQRコードをレジ周辺に掲示している場合は、利用者が自分のスマホでそれを読み取り支払いを行います。
QRコードを読み取ると画面に支払い金額を入力する画面が表示されるので、利用者自身が数字をタップして入力し、その金額を店舗に確認して支払いを済ませます。
利用者は金額をタップするなどの手間がありますが、店舗側にはQRコードの読み取り端末を準備しなくてもよいというメリットがあります。
QRコード決済の支払い方法は選べる
QRコード決済では、アプリにチャージした残高から支払う方法と、アプリに紐づけたクレジットカードから支払う方法があり、利用者は自分に合う方法を選ぶことができます。それぞれについて見ていきましょう。
チャージして支払う
QRコード決済アプリに事前にチャージしておき、そこから支払う方法です。チャージ額以上を使うことがないので使い過ぎる心配がなく、QRコード決済の初心者にとって使いやすいといえます。
チャージは銀行口座やクレジットカード、貯まったポイントから好きな金額を選んでできます。またコンビニATMでは現金でチャージすることもでき、細かく残高を管理したい人に向いているでしょう。
クレジットカードやデビットカードから支払う
QRコード決済アプリにクレジットカードなどを紐づけて決済をすることもできます。今までのようにカードを財布に入れて持ち歩く必要がありません。この方法を選ぶとクレジットカードのポイントは付きますが、多くの場合QRコード決済によるポイント還元率は低くなります。
QRコード決済サービスを選ぶ時のポイント
QRコード決済サービスには、IT企業や携帯電話会社、銀行など多くの企業が参入しています。どの決済サービスにするか迷ってしまった時、参考になるポイントを紹介します。
支払い方法で選ぶ
前述のとおり、QRコード決済サービスではサービスによって違いはあるものの、主にチャージした額から支払う方法と、登録したクレジットカードから支払う方法の2種類が用意されています。
少額ずつ使うという人や、使い過ぎてしまうのが心配だという人はチャージする方法がおすすめです。一方で、チャージする時間がない、チャージするのが面倒、支払い時に残高不足になるのがいやだという人はクレジットカード払いがよいでしょう。
ポイント還元率で選ぶ
QRコード決済の魅力のひとつが、ポイントシステムです。QRコードで支払うたびにポイントが付与されるシステムで、多くの決済サービスで導入されています。例えば100円の買い物で1ポイントがもらえ、貯まったポイントはQRコード決済アプリの残高に還元されます。
決済サービスによっては、サービス独自のクレジットカードを利用するとポイントがアップしたり、指定のポイントカードを提示すれば、QRコード決済のポイントとダブルで貯めたりすることも可能です。
QRコード決済サービスをどこにしようか迷っている人は、ぜひポイント還元制度に注目してみてください。
キャンペーンから選ぶ
QRコード決済サービスでは、利用者獲得のために入会時にポイントを付与したり、不定期でポイント還元率をアップしたりするキャンペーンを行っています。QRコード決済サービスをいくつか絞ったら、公式ホームページでどんなキャンペーンをやっているかチェックしてみるとよいでしょう。
QRコード決済の仕組みを理解して賢く使おう
QRコード決済は、現金を使わないキャッシュレス決済のひとつです。現金やクレジットカードを持ち歩く必要がなく、決済はスピーディーで、非接触で支払いができるので衛生面でも安心です。
支払いはアプリを使って、チャージした金額からか登録したクレジットカードで支払います。
多くの企業が参入しておりどのQRコード決済サービスにするか迷うところですが、その時に注目したいのがポイント還元。企業によってさまざまな特典が用意されているので、自分がよく使うお店をイメージしながら選んでいくとよいですね。