長引くコロナ禍で、気分が沈みがちな今。家にこもっていると、どうしても“陰モード”になりがちですが、そんな時だからこそ、人里離れたリゾートで思いっきりリフレッシュしてみませんか?
星野リゾートが手掛ける「星のや京都」は、アクセスが“専用の船”という、スペシャルなお宿。部屋数も25室のみと「星のや」の中で一番少なく、別世界にきたような奥嵐山の地で、贅沢なおこもりステイが叶います。
前編では、そんな「星のや京都」のお庭や客室の魅力を中心にお伝えしてきましたが、後半は京都らしいツウなアクティビティ「聞香」や数多くの食通を唸らせてきたお食事などを中心にご紹介。最高においしくて、幸せな時間が待っていました!
6.耳を済ませるように香りを感じる!伝統ある「聞香」にチャレンジ
せっかくなら、京都らしいディープな体験がしてみたい!ということで、「聞香(もんこう)入門」にチャレンジすることに。
「聞香って何…?」と思った方も多いかと思いますが、「聞香」とは日本の伝統文化である香道の一種。文字通り「香りを“聞く”」という意味があり、人の話に耳を傾けるように、香りをじっくり心の中で味わう、京都らしい特別な体験です。
やってきたのは、パブリックスペースの「Salon & Bar 蔵」。すでに「聞香」をレクチャーしてくれるスタッフの方が、本格的な「香りの七つ道具」を揃えて待っていてくれました。
「聞香」の作法や歴史について学んだ後は、香りの元となる「香原料」を見せてもらうことに。一口に香りと言っても、たくさんの種類があり、それぞれ生活のシーンに応じて取り入れ方も変わるのだとか。
見せてもらった18種類の香木は、ほとんどが東南アジア産。なかでも「伽羅(きゃら)」は、ベトナムのごく一部の地域でしかとれない、非常に希少で高価な香原料だとか!今回の「聞香入門」では、そんな極めて希少価値の高い「伽羅」の香木を焚いて、香りを深く味わっていきます。
本格的な道具を使い、香炉の中央に香木をのせたら、いよいよ「香り」を聞く時間。初めてのことなので、ドキドキしながら、香木を顔に近づけます。
その香りは、強すぎず、クセがありすぎず。何度か繰り返していると、肩の力がふっと抜けて、どんどん心が安らいでいきます。
茶道も華道も無縁の筆者ですが、ここで出会う香りは別世界!京文化の奥深さを知り、もっと香りに触れたくなる、そんな貴重な体験でした。
7.コンセプトは”伝統とエスプリと”。軽やかな遊び心を加えた感動の京料理
お待ちかねの夕食タイム。ダイニングは個室になっているので、プライベートな空間でゆったりお食事ができます。ここで、京都の料亭で25年間腕を磨いた高橋利治料理長が腕をふるう、スペシャルな会席料理をいただきます!
高橋料理長がコンセプトに掲げるテーマは「伝統とエスプリと」。京料理の伝統を大切にしながらも、軽やかな遊び心を加えることで、食の愉しみに没頭して時を忘れる京料理を生み出しています。
目の前に並んだ、八寸の美しいこと……!豊かな発想とビジュアルの美しさ。それに加え、味も最高に美味しいのだから、もう完璧。香りから舌触りから、五感で京料理の真髄を味わいます。
メインディッシュの「牛フィレ炭火焼」は、料理長おすすめのミディアムレアで。軽くお塩とわさびをつけていただきます。口に含むと、柔らかく繊細な肉のうまみがギュッと溢れ出し、わさびの清涼感がよりお肉のおいしさを引き立てます。これぞまさに、肉料理の最高峰!お肉のおいしさをずっと噛み締めたくなります。
8.夜の幻想空間で、何もしない贅沢なひととき
夕食後は、ライトアップされた幻想的な雰囲気の中、お散歩するのがおすすめです。木々の深い響き。まろやかな滝の水音……。森の息遣いが宿っているのを感じていただけるはず!
9.利き酒師が厳選したツウな日本酒をお部屋で楽しむ
夜のお楽しみは、まだまだ終わりません。「星のや京都」では、利き酒師の資格を持つスタッフが厳選した、地酒&おつまみをお部屋で楽しむことができるんです。
ちなみに、この方が、お酒好きが高じて利き酒師の資格をとった保園さん。
「京都の地酒というと、伏見のお酒が有名ですが、まだまだ隠れた名酒があります。ここでは、あえてマニニアックなお酒を提供して、ゲストの皆様に楽しんでもらっています。」ふふふと笑って、嬉しそうにお酒のことを語る保園さん。
確かに、お酒好きなら、旅先でおいしい地酒に出会えるのは、この上ない幸せですよね!
そんな保園さんが吟味したお酒が、こちら!1777年創業の歴史のある蔵元・白杉酒造「白木久」のブラックレーベルです。
このお酒、なんと酒米ではなく、食用のコシヒカリを使ったお酒。口に含むと、なんとも言えない華やかな香りがふわっと広がり、フルーティーかつ爽やかな口当たり。あまりのおいしさに衝撃です!
コシヒカリのお酒って、こんなにおいしんだ……と目から鱗。お酒を引き立てるおつまみも、今まで食べたことがないものばかりで、さらに感動です。
10.呼吸法で心と体をほぐす、朝のストレッチ
おいしい食事とお酒の余韻に浸り、ぐっすり眠った翌朝。朝日と鳥のさえずりがよく響く「奥の庭」へ向かいます。
ここで行うのは、呼吸法を用いた約20分間のストレッチ。4泊で息を吸い、倍の拍数8泊で息を吐く「息を吐くこと」を重視した呼吸法で、心と体をほぐしていきます。
11.思わず心が弾む!朝鍋スタイルの朝食
背筋がしゃんと伸びて、朝から晴れやかな気分。軽い足取りのまま、お部屋に戻ります。 そこに用意されていたのは、豪華な朝ごはん! 窓からの景色を楽しめるように、セッティングしてもらえるのも嬉しいポイントです。
「朝からお鍋!?」と驚きますが、ふわっと香るお出汁の香りに、なんとも癒やされます。 鍋の具材は、レタスや九条ネギのほかに、紅芯大根やヤングコーンなど旬の野菜がたっぷり!それを料理長お手製の昆布とカツオの合わせ出汁に入れて、いただきます。朝鍋朝食を食べ進めるうちに、体の内側からぽっかぽかに。滋養強壮に良い食材たちが、身体にじわ~っと染み渡ります。
朝からお腹いっぱいになりますが、お鍋だからヘルシー。罪悪感も全くありません。この幸せな朝ごはんは、皆さんにもぜひぜひ体験してほしい!
12.空気がきれいに澄んだ空中茶室でリフレッシュ
チェックアウトは、12時。まだたっぷり時間があるので、ライブラリーラウンジへ向かいます。ここは、ゲストが24時間利用できる場所。お茶菓子やお茶とともに、京都にちなんだ本をじっくり読み進められます。
ラウンジの奥、ウッドデッキに作られたスペースは「空中茶室」と呼ばれ、大堰川にせり出すように作られた絶景スポット。大自然に抱かれながらいただく一杯のお茶は、まさに至福のひとときです。「何かしなきゃいけない!」とか、変な焦りもここでは無縁。大堰川を眺めたり、空を見上げたり、鳥の声を聞いたり。自然を感じて、静かに心と体を休めることができます。
<上質な非日常に浸れる極上のおこもり宿>
行き届いた心配り、見えないところまで感じる“おもてなし”の心。「星のや京都」には、コロナ禍で落ち込みがちな私たちを癒やしてくれる、幸せな癒やしがギュッと詰まっていました!