食べ終わった後のお菓子の空き缶、小物入れとして使ったりリメイクしてみたり、人それぞれ活用方法はあるでしょう。

しかし、プロの手にかかると想像を超える大変身をすることも。サクサクと香ばしいお菓子「ゴーフル」を手掛ける明治30年創業の老舗・神戸風月堂(@kobefugetsudo)の投稿が話題となっています。

ある日、社長がつぶやいた。

「ゴーフル缶でドラムセット作ったら、かっこええと思うんですよね。どないですか?」

― 工場の技術班が、本気を見せた。(@kobefugetsudoより引用)

「ゴーフル缶でドラムセット」、そんな社長のつぶやきを実現したのが、こちらです。

  • (@kobefugetsudoより引用)

正面のバスドラムに「GAUFRES(ゴーフル)」と扇形の神戸風月堂のロゴが入ったクラシカルな雰囲気のドラムセット。社長のつぶやきを、同社の技術班により見事に形になったそう。

  • (@kobefugetsudoより引用)

奏者側から見てもしっかりとドラムセット。バスドラムのフットペダルや、高さ調整をするネジ、音のチューニングをするためのボルトなど、細部までこだわって作られていることがわかります。

  • (@kobefugetsudoより引用)

写真右手のフロアタムにも「FUGETSUDO」のロゴ。かっこよすぎか……!

  • (@kobefugetsudoより引用)

あたかも「GAUFRES」(ゴーフルズ)というバンドがありそうなゴーフル缶ドラムセットに、Twitterでは大絶賛の声が。「社長のこのセンス素敵です」「随所に職人のこだわりが」「細部まで細かく丁寧に作られてますね 素晴らしいです」「プロジェクトXのナレーターの声で脳内再生されました!」と、社長の発想と、実際にお菓子の缶を大変身させたその技術力に脱帽する方が多数。

そしてあまりにリアルすぎるのか、「どのくらいのサイズなの?」「こんな大きなゴーフル食べてみたい」とサイズが分からなくなる方も。これに対して、神戸風月堂の公式Twitterではこのような投稿もされています。

あまりに細部がリアルで、実際のドラムセットサイズだと思われている方もいらっしゃるようですね! バスドラムの直径は約17cm、通常のゴーフル缶サイズです(@kobefugetsudoより引用)

  • (@kobefugetsudoより引用)

昭和2年(1927年)に発売されて以来、90年以上愛される神戸風月堂の「ゴーフル」は、薄く焼き上げた2枚の生地にクリームを挟んだお菓子。ほろほろとした食感や、生地とクリームがスーッと溶けていく口当たりも特徴です。香ばしく焼き上げられた丸い形と色を見て、なかには「ハイハットシンバルにクリーム挟んでそうw」「すみません、シンバルがゴーフルに見えました……」とお菓子を連想するコメントも。

技術班の本気が光るこの「ゴーフル缶ドラムセット」、神戸風月堂の担当者に制作の裏側を伺いました。

ゴーフル缶ドラムセット、こだわりのポイントは?

――この「ゴーフル缶ドラムセット」、普段はどういったお仕事をされている方が作られたのでしょうか?

制作した者は、工場の設備管理を担当するスタッフです。製造ラインの機械や空調や排水といった設備の調整をしておりますので、普段から金属加工をすることもあります。

――細部まで丁寧に作られています。「こだわったポイント」は?

リアルに見えるような「バランス」です。細かいパーツの大きさにもこだわって、フットペダルなども自作したとのことです。

――お菓子の缶とは思えないリアルさと緻密さですね。この投稿に、5.5万いいね、1.9万件のリツイート(7月12日時点)と大きな反響が寄せられております。

すこしでも楽しんでもらえたらな、と思いツイートしましたが、反響がここまでとは思わず驚いております。また、お菓子の「ゴーフル」は一切写っていないにも関わらず、「ゴーフルを食べたくなった」と言ってくださる方もいて、とても嬉しく思っています。


神戸風月堂では、今回紹介した缶入りゴーフルだけでなく、紙箱に入ったゴーフルや、小さいサイズの「プティーゴーフル チョイフル」など、カジュアルに楽しめる商品も用意しているとのことです。

ユニークな社長のアイデアと技術班の方の技術力により生まれ変わったこの「ゴーフル缶ドラムセット」、現在は神戸風月堂 元町本店で実物が展示されています。