俳優の鈴木亮平が主演を務めるTBS系日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(毎週日曜21:00~)が4日にスタートする。「TOKYO MER」という救命救急のプロフェッショナルチームを舞台とする本格救命医療ドラマで、驚異的な救命技術を持つスーパー救命救急医である主人公・喜多見幸太を演じる鈴木にインタビューし、役作りや現場でのエピソードなど聞いた。

  • TBS系日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』で主人公・喜多見幸太を演じる鈴木亮平

『天皇の料理番』『テセウスの船』と日曜劇場で重要な役を演じてきた鈴木が、今作で日曜劇場初主演。最新の医療機器とオペ室を搭載した大型車両(ERカー)で事故・災害・事件の現場に駆けつけ、負傷者にいち早く救命処置を施す「TOKYO MER」のリーダー・喜多見を演じる。

鈴木は「台本が本当に面白くて、スケールが大きくて、まさに日曜劇場でしかできない内容だなと思いました。これをどういう風に実現させようかと考えた時に、自分にもレベルの高いものが求められるだろうなと、身が引き締まる思いがしました」と台本を読んだときの心境を告白。「最初は医療従事者の方へのエールとなるようなドラマにできたらいいなと思っていましたが、実際に撮影が始まると、医療に関わる人たちだけでなく、すべての人への賛歌になるドラマにしたいなと思って頑張っています」と本作への思いを明かす。

鈴木をイメージして当て書きされた喜多見は、「待っているだけじゃ、助けられない命がある」という強い信念を持ち、どんなに危険な現場でも瀕死の患者の元に飛び込んでいく熱い男。「僕に当て書きをしていただいていると伺いました。やっぱり僕に近いといいますか…僕が理想とする男性像、自分がこうなりたいと思うような男性像に近いので、とてもやりがいがあります」と語る。

そして、「ドラマ制作陣の“今までに見たことがないような医療シーンや救命シーンを撮ろう”という思いがとても伝わってきていて、役者陣に対してまるで挑戦状を叩きつけられているかのような感覚なんです(笑)。『これだけのものを用意しました!』『カメラが周りをぐるぐる回りますので治療してください!』という感じの撮り方で」と熱い現場の様子も紹介。

その期待に応えるべく、鈴木自身も徹底的に役作り。「もちろんリハーサルもありますが、前日まで何度も何度もビデオを見て自分の中でシミュレーションをして、患者が運ばれてきてそこから処置をして、蘇生させるまでを一連でできるようにならないといけないなと。“スーパードクター”と呼ばれる方は、その中で患者さんを勇気づけながら、安心させながら、クルー一人ひとりのメンバーの状況を確認して、ケアをすることもできる。喜多見もそういうタイプなので、そこを意識して徹底的に準備しています」。

鈴木の役作りに共演者も感嘆。先日行われた制作発表会見で、賀来は手術シーンについて「亮平くんができすぎる」と証言し、菜々緒は医療専門用語も多いセリフについて「鈴木さんがすごい。聞いたことない薬剤の名前や手術名がたくさん出てきて、なおかつ緊迫した状況だからすごく早口なのですが、鈴木さんは噛まないし、ほとんどNGを出さない」と明かしていた。

鈴木は小学6年生のときに阪神淡路大震災を経験。「災害時などみんながすごく不安になっているときに、自衛隊など制服を着た人が助けに来てくれるというのはものすごく安心感がありました。なので、自分が撮影に臨むときはそこを意識していて、まず不安になっている傷病者をどうやったら安心させられるかなというのを考えて演じています」と自身の経験も本作に生かしている。

阪神淡路大震災などがきっかけで日本に災害派遣医療チーム「DMAT」が発足されるなど、現実世界にもERカーや喜多見に通ずるものがある。鈴木は「『TOKYO MER』はフィクションの組織でありますけれども、医師が現場に直接行って処置をすることができるようになれば、救命率は格段に上がるだろうと救命の現場で働く方もおっしゃっているそうです」と現場の声を紹介した。