Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』で黒木香役を熱演し、大きな注目を集めた女優・森田望智。NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』にも出演が決定するなど、まさにノリに乗っている彼女だが、「お芝居をする上では、うまさよりも人としての豊かさが必要なんだとわかった」など、“全裸監督の前と後”では心境にたくさんの変化があったという。転機となった本作のシーズン2までを演じきった今、大胆な濡れ場への覚悟を振り返るとともに、黒木香という女性に抱く思いまでを明かした。
山田孝之が伝説のアダルトビデオ監督・村西とおるを演じ、彼の半生を虚実交えて描く同シリーズ。シーズン2では、バブルが崩壊する1990年台代を舞台に、アダルトビデオ界の頂点に立った村西の次なる冒険と転落を描き出す。
シーズン1で村西と出会い、品行方正な女子大生から、性の開拓者へと変貌を遂げた女性、黒木。シーズン2では、村西との間に少しずつ溝が生まれ始め、黒木は孤独感を深めていく。続編の制作が始動すると聞き、森田は「シーズン2は、きっと前シーズンよりも大変になると思いました。私にそれをやり遂げる力があるのかな? 大丈夫かな? と思いました」と不安もよぎったという。
「シーズン2での黒木は、村西とうまくいかなくなってしまったり、女優としてのお仕事ができなくなっていってしまったり、お酒に走ってしまったり……と、いろいろな葛藤を抱えていきます。苦しいことが続きますし、私自身、経験のしたことのないことばかり。私にできるのかな?と思いました。前シーズンでひとつ山を乗り越えたと思ったけれど、また大きな山が来たなという感じです」。
シーズン2の脚本を読み、「やっぱり黒木は、村西のことがすごく好きなんだなと思った。村西とわかり合えなくて、苦しくても、ずっと村西のことを想い続けている」と黒木の愛の大きさを感じたという森田。「2話で、村西から『おやすみ』と声をかけられるシーンがあります。最初に村西との気持ちのズレを感じる、辛いシーンでした。『黒木は、本当に苦しかっただろうな……』と思うと、本番前に涙が止まらなくなってしまったんです」と告白。さらに「1話で、村西との幸せなベッドシーンがあるんですが、実はあそこは撮影の終盤に撮った場面なんです。苦しいシーンをたくさん撮ったあとだったので一層、あのシーンでの黒木の幸せを噛みしめていました」と演じた役柄に寄り添い、目を細める。