沢田研二と菅田将暉がW主演を務める、映画『キネマの神様』(8月6日公開)のキャンペーンが行われることが21日、明らかになった。

映画『キネマの神様』

映画『キネマの神様』

本作は、小説家・原田マハの同名小説を原作に、「松竹映画100周年記念作品」として山田洋次監督がメガホンを握る。ギャンブル漬けで借金まみれのゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩にも見放されたダメ親父だが、たった一つ「映画」を愛していた。若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として撮影に明け暮れる傍ら、食堂の娘・淑子(永野芽郁)に恋をし、映写技師・テラシンとともに夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていた。しかしゴウは初監督作品『キネマの神様』の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。半世紀後の2020年、『キネマの神様』の脚本が出てきたことで、沈みかけていたゴウとその家族は再び動き始める。

1920年から映画の製作、配給、興行を続けてきた松竹映画は昨年2020年に100周年を迎えた。そんな松竹映画100周年を記念した同作は、映画を愛し、挫折を味わいながらも“映画の神様”を信じた男に訪れた奇跡を描いた作品であることから、日本国内で上映中のすべての映画を対象にした半券キャンペーンが実施されることが決定した。

同キャンペーンでは、すべての劇場公開作品を対象に、期間中に映画館で映画を鑑賞した方1,000名様に『キネマの神様』のムビチケをプレゼントする。日付のわかる映画の半券の写真とともに、Twitter 上で共通ハッシュタグ「#キネマで繋がる」とツイートすると、応募完了となる(〜7月31日)。

多くの映画が公開延期・配信切り替えとなり、映画館は時短営業、休業、閉館を余儀なくされるなど、新型コロナウイルスに苦しめられている今の映画界。本作でも主演の志村けんさんの逝去、撮影の中断や2度の公開延期など、コロナによって数々の困難に直面しました。いま、改めて「“映画館で映画を公開できること”のありがたさを感じている」と松竹は語る。松竹は「本作『キネマの神様』はタイトルと題材のとおり、映画界全体を盛り上げることが使命であると考えております」と、同キャンペーンの裏側にある思いを明かした。

苦境に立たされた映画界全体を盛り上げることを目的としたキャンペーンの始動にあたり、自身の出演作を映画館に無償提供する形で映画館へのエールを発表したばかりの笑福亭鶴瓶や、日本各地で長きにわたり映画体験を届けてきた各劇場から賛同コメントも到着した。

笑福亭鶴瓶 コメント

・初めての映画館の思い出

親父に連れていかれて。戸を開けたら人がいっぱいだった。で、観られへんし、親父が肩車してくれて。揺れながら見たんですよ。親父が前のおっさんの足踏んだかなんだでエライ喧嘩しだして。オレ肩車されてんのに、思いっきり喧嘩して。「一旦出ましょ」みたいになっ て。「いやいや、オレ観とんがな。出んのかい」ってなって。それが映画の思い出やわ。

・映画館で映画を観ることの醍醐味

集中するじゃないですか映画に。すると、自然と“いい台詞”が長いこと耳の中に残っている。ああ、いい台詞やなあっていう醍醐味はありますよ。

・コロナ禍で励む映画館に向けて

僕は『ディア・ドクター』で、本当に全国のシネコンにお世話になったんですよね。はじめ単館で少なくやりだしたのが噂になって、すごく広がって、色んな賞をいただくようになったから。そのときにお世話になったことは忘れないです。映画人でもないのにこんなことを喋るのはおこがましいんですけど、本当にお世話になってるので、何か返せるもんは返したいなって思いますね。

・映画館に足を運べないお客さんに向けて

映画館に足を運んで楽しんでもらいたい。“楽しんでもらいたい”っていうのが根本ですよね。いかに映画というものが良いのかということを、いっぺん訪ねて、観て、経験していただいて。そんなに怖い所じゃないっていうのが、わかりますからね。
そういう意味では自分も寄席も出てるし、同じように人が集まる所を盛り上げたい気持ちがあります。ぜひ、映画館に来ていただきたいし、寄席にも顔を出していただきたいなと思いますね。

各映画興行会社社長からのキャンペーン応援コメント(全文・順不同)

『キネマの神様』は当館が原作小説のモデルとなっています。いつの時代も大勢の熱い思いで映画は完成し、公開され、鑑賞されてきました。いま映画界も厳しい状況に直面していますが、きっと『キネマの神様』が守ってくれると信じています。
(ギンレイホール)

大変残念ながら映画への出演はかないませんでしたが、故志村けんさんのエンタテインメントへの思いを継ぐ『キネマの神様』という作品が、映画界だけでなく日本のエンタテインメント業界を再び明るいものとするきっかけとなっていただければと思います。(シネマサンシャイン/佐々木興業株式会社代表取締役社長佐々木伸一)

映画は人々を笑顔にします。
映画は人々に感動を与えます。
映画は世の中を明るくします。
ぜひ、この『キネマの神様』という作品を通じて多くの人々に「生きる喜び」を実感して 頂けることを切に願っております。
(コロナワールド/株式会社コロナワールド代表取締役社長室橋義隆)

私は、映画の持っている力を信じています。
この夏、遠くにお出かけするのは、まだ難しいかもしれません。そんな時は、手軽に非日常が楽しめるお近くの映画館で、映画を是非楽しんでください。万全の感染症対策をしてお待ちしております。(ピカデリー、MOVIX、東劇、神戸国際松竹/松竹マルチプレックスシアターズ代表取締役社長森口和則)