ビジネスモデルと聞くと戦略的で難しいそうなイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、ビジネスをする上で運営の軸となるビジネスモデルを考えることはとても重要なことです。本記事では、ビジネスモデルを考えるメリットや欠かせない要素、既存のビジネスモデルの例をご紹介します。

  •  ビジネスモデルとは?

    ビジネスモデルについての知見を深めましょう

ビジネスモデルとは?

ビジネスモデルとは、「利益を生む商品やサービスの事業戦略と収益構造」のことをいいます。簡単にいいかえると、どのように事業を経営し、利益を出していくかのプランです。

企業はビジネスモデルを主軸に経営方針を考えるので、ビジネスモデルはビジネスの要となるとても重要なものといえます。

  •  ビジネスモデルとは?

    ビジネスモデルはビジネスの要です

ビジネスモデルを考えるメリットは?

ビジネスモデルを考えるメリットとしては、主に3つの点が挙げられます。

事業への理解を深めることができる

ビジネスモデルを考えるメリットの1つ目は、事業への理解を深めることができる点です。いざビジネスモデルを考えるとなると、まずは自分が始めようとしている事業の内容や全体像、競合他社や特徴などをくわしく調査し、分析する必要があります。

ビジネスモデルを決める過程で自然と事業内容についてくわしくなることができるのです。

ビジネスをする上での問題点を発見しやすい

2つ目のメリットは、ビジネスをする上での問題点を発見しやすい点にあります。ビジネスモデルは事業戦略と収益構造を記した、いわば会社の設計図のようなものです。この設計図を作る際には、きちんと下調べをして用意周到に準備をしていきます。

営業を開始する前に綿密に計算されるものなので、もしビジネスの運営に何か問題がありそうな場合は、ビジネスモデルを作成する時点で浮き彫りになり対処できることが多いです。

トラブルが起こった際に事業の原点に振り返れる

3つ目に、トラブルが起こった際に事業の原点に振り返れるというメリットもあります。ビジネスモデルはビジネスの骨格のようなものなので、事業を拡大していく過程で何かトラブルが起こってしまった場合でも、ビジネスモデルを見て原点に立ち戻ることで、解決の糸口が見えてきます。

  •  ビジネスモデルを考えるメリットは?

    ビジネスモデルを考えるメリットは?

ビジネスモデルに欠かせない4つの要素

ビジネスモデルを作成する上で欠かせない4つの要素は、「Who(誰)」「What(何)」「How(どうやって)」「Why(なぜ)」です。

Who

会社を始めると決めたら、まずは「誰を顧客としてターゲットにするのか」を決める必要があります。なぜなら、自社のサービスや商品を購入してくれる消費者と呼ばれる顧客がいてこそ、ビジネスが成り立つからです。誰のためのサービス・商品なのか、また誰に利用してもらいたいのかを具体的に考えることがとても重要です。

What

ターゲットを設定したら、続いてその顧客に「どのような価値を提供するのか」を決めていく必要があります。その際に顧客視点に立って、ターゲット層がどのような価値を提供して欲しいのかをもとに考えることが重要です。

How

誰を顧客にするのかと、どのような価値を提供するのかが決まったら、次は、「どのように価値を提供するのか」を検討する必要があります。どのようにしたらターゲットにその価値が届くのか、手段や方法などを具体的に決めていきます。

Why

ビジネスである以上、利益が見込めなければやる目的がありません。そのため、きちんとした収益が見込めるのか、「なぜそれが収益になるのか」を明確にすることは重要です。

  •  ビジネスモデルに欠かせない4つの要素

    ビジネスモデルを作成する上で欠かせない4つの要素があります

7つの主要なビジネスモデル

世の中にはさまざまなビジネスモデルが存在しますが、事業内容や事業戦略、ターゲットによって、どのビジネスモデルが自社の事業に適しているかは異なります。ビジネスモデルを考える際は、実際に収益が出て成功している既存のものを参考にすることで、効率よく事業を進めていくことができおすすめです。ここでは、7つのビジネスモデルを紹介します。

物販モデル

物販モデルは、「製造した商品を売る」タイプの1番シンプルなビジネスモデルで、農家やパン屋さんなどが例として挙げられます。自分が製造したものが、そのまま価値としてお客さんに提供されるので、いかに品質がいいかが問われます。

小売モデル

小売モデルは、「製造業者から仕入れた商品を売る」といったビジネスモデルで、消費者と製造者の仲介人のような役割を果たしています。例を挙げると、ネットショップやスーパーマーケットなどです。

自分で商品を製造しない点が「物販モデル」との違いで、その分仲介手数料分の利益しか見込めないので、物販モデルよりも利益が少なくなるという特徴があります。

広告モデル

広告モデルは、自社が提供するコンテンツやサービス自体は無料で提供しているものの、ウェブサイトやソーシャルメディアなどの媒体に他社の広告を掲載することにより、「広告費で稼ぐ」タイプのビジネスモデルです。

現在は、インターネットやスマートフォンの普及に伴い、かなり人気のビジネスモデルとなっています。一昔前までは、テレビ局やウェブメディアなどの企業が、このモデルの代表格でしたが、最近は人気職業のYoutuberやインフルエンサーなどもこのビジネスモデルをとっています。

サブスクリプションモデル(継続課金型モデル)

サブスクリプションモデル(継続課金型モデル)とは、毎月や毎年など一定の期間に一度、提供するサービスの対価として決まった額を継続的に貰い続けるビジネスモデルです。

映画配信サイトのNetflixや音楽サイトのSpotifyなどが例として挙げられ、最近勢いをつけている若手企業のビジネスモデルとして多く見受けられます。

フリーミアムモデル

フリーミアムモデルは、一部のコンテンツを無料で公開し、続きが気になるという消費者の心理をうまく利用して有料のコンテンツに課金させるというビジネスモデルです。

1話無料などの文句に乗せられてアニメやドラマを視聴したものの、続きが気になってついつい課金してしまったという人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。それは典型的なフリーミアムモデルです。

マッチングモデル

マッチングモデルとは、サービスや商品を提供したい人とそれを求めている人をマッチさせることで仲介料をもらうといったビジネスモデルです。不動産屋さんや転職エージェントなどがこれにあたります。

従量課金型モデル

従量課金型モデルは、使用した分だけ請求するタイプのビジネスモデルで、電気料金やガス料金、水道料金などがこれに当てはまります。

ビジネスモデルキャンバスを活用してみる

ビジネスモデルを考える際に是非使用したいのが、「ビジネスモデルキャンバス」です。これは、「ビジネスモデル・ジェネレーション」という世界で大ヒットした書籍で紹介されたシートなのですが、「顧客セグメント」「価値提案」「チャネル」「顧客との関係」「リソース」「主要活動」「パートナー」「収益の流れ」「コスト構造」といったビジネスモデルを決める上で考えるべき要素が書き出せるため、とても実用的なシートとなっています。

ビジネスモデルを可視化するためのフレームワークとして活用してみましょう。

  •  ビジネスモデルを考える際は、「ビジネスモデルキャンバス」を意識する

    「ビジネスモデルキャンバス」をうまく利用して、ビジネスモデルを考えましょう

ビジネスモデルはビジネスを進めるために必要

ビジネスモデルを考えることは、会社をうまく運営していくためにもとても重要なことです。ビジネスモデルを考える際は「ビジネスモデルキャンバス」というツールを利用したり、既存のビジネスモデルを参考にしたりしながら、自社の事業に合ったビジネスモデルを選びましょう。