「フロー」は、特にITや通信業界で仕事をしているとよく登場するビジネス用語です。しかし意味をしっかり把握しないままなんとなく使っている人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、フローの意味や使い方を解説します。さらに、ビジネスでよく耳にする「業務フロー」とは具体的にどういったものなのか、またフローを使った用語についても解説するので、参考にしてみてください。

  • フローとは

    「フロー」の意味とは?

フローとは

フローは、もとは英語のflowをカタカナにしたもので主に「流れ」という意味で使われます。しかし、フローという言葉単体で使われるとき、その場面によって意味が多少変わってくるので注意が必要です。

例えば、ソフトウェアやプログラミングにおいて使われるフローは、プログラムを命令したり処理したりする流れのことを指します。一方、経営におけるフローは、一定期間のお金の流れを指していて、主に損益計算書に表れます。

このように、使われる場面によってフローは意味が変わるので、注意が必要です。

  • フローチャート

    フローは文脈によって意味が若干異なることを覚えておきましょう

「業務フロー」とは何か

ビジネスを進める上で「業務フロー」という言葉がよく使われます。業務フローとは、仕事の流れ、もしくは仕事の流れを図示したもののことをいいます。仕事の流れを図示したものというのは、現場で行っている業務のプロセスを可視化してわかりやすくしたものです。仕事の流れを可視化することで、体系的に業務全体の管理ができるようになります。

では、ビジネスにおいて有効な業務フローとはどのようなものなのでしょうか。3つの特徴を紹介します。

始まりと終わりが明確でわかりやすい

業務フローをみる人の立場になって考えてみたときに、はじめに目を向けるのは、当たり前ですが「始まり/START」の部分です。そして「終わり/END」に向かって、一連の流れに目を通すのが自然です。

しかし始まりと終わりが明記されていないと、業務フローをたどりにくく、みる人の混乱を招いてしまう可能性があります。業務フローは、業務の流れを可視化して理解しやすくするものなので、始まりと終わりを明記して、単純明快に説明することが大切です。

図形や線を使い分けられている

工程の内容を囲んだり繋げたりするときには図形や線を使いましょう。これらは工程ごとに使い分けるのがおすすめです。全ての工程が同じ図形で囲まれているよりも、工程ごとに分かれているほうが、パッと見でわかりやすい業務フローだといえます。

関係者全員が理解できる図解で作られている

業務フローを作る時、決まったテンプレートや細かく決められたルールのようなものは存在しません。極端に言ってしまえば、全員がそれぞれのやり方で作ってしまうことも可能です。しかし、それでは自分以外の人が作った業務フローの見方がわからない、などということも起こりかねません。

このような事態を避けるために、前提として関係者全員が業務フローに対する同じ認識をもつことは大切です。

  • 業務フロー

    業務フローを作ることで仕事の流れが掴みやすくなります

フローの類語や関連語を紹介

フローを使ったビジネス用語とその意味を紹介します。

フローチャート

フローチャートは、業務フローとほぼ同じ意味です。フローチャートも、業務フローと同じく業務の流れや工程をわかりやすく図式にして可視化したものになります。

業務の流れの他にも、システムやコンピューターアルゴリズムを示すときにフローチャートを作成します。

キャッシュ・フロー

会社にお金が入ってくることをキャッシュ・イン、会社からお金が出てくることをキャッシュ・アウトといいます。キャッシュ・フローとは、キャッシュ・インからキャッシュ・アウトを差し引いて手元に残る資金の流れのことを指します。

キャッシュ・フロー=キャッシュ・イン-キャッシュ・アウト

キャッシュ・フローを把握することで、資金不足になっていないかを確かめることが可能です。また、決算のはじめにどのくらいの資金があり、決算の期末にどのくらいの資金が残ったのかを記載したキャッシュ・フロー計算書を作っておくことで資金調達の際の評価に使用できます。

オーバーフロー

オーバーフローとは、「溢れる」という意味の英単語「overflow」からきているIT・プログラミング用語です。

コンピューターの演算装置で数値の結果が大きすぎて、格納領域に収まらなくなってしまうことや、与えられたデータが大きすぎて指定された範囲に収まりきらないことを指します。オーバーフローは日本語で「桁あふれ」といわれることもあります。

アンダーフロー

アンダーフローとは、IT・プログラミング用語で、コンピューターの演算装置で実数の計算をしたが、絶対値が小さすぎて正確な表現や計算が出来なくなった状態のことをいいます。

  • その他のビジネスでよく使われる言葉

    フローを使ったビジネス用語は多く存在します

フローの意味を理解して関連用語も覚えておこう

フローは、もとは英語のflowをカタカナにしたもので主に「流れ」という意味で使われます。しかし、場面によって意味が変わるため、どういった意味で使われているのか文脈から判断する必要があります。

ビジネスの現場では、フロー単体よりも「業務フロー」や「キャッシュ・フロー」「オーバーフロー」といった、ほかの言葉と合わせたビジネス用語がよく使われます。それらの言葉の意味もあわせて理解しておきましょう。