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役者たちの魅力を聞くと、有村架純については「過去にいろんなことがありながらも、マクベスと出会ってちょっと人生が好転するという、難しい役だったと思うんですけど、典型的な役ではなくオタクな部分もあるし、繊細な心の動きを見事に演じてくださったなと思います」

仲野太賀とは『恋仲』でも一緒だったが、「やっぱりその頃と比べて、実力も自信もつけていて、こっちも見ていて楽しかったし、面白かったですね」

神木隆之介とは初めての仕事で、「何をやって来るか分からない面白さがあって、マクベスといるときは菅田さんも、太賀さんもいるので、何をしても拾ってくれると言うか、そういう安心感や信頼関係がありました。神木さんのトリッキーなプレイにも柔軟に対応する”レシーブ力”で、あの3人ならではの関係性があるなと思いました」

中でも、やはり菅田将暉の実力には目を見張るものがあったようで、「その“レシーブ力”で言うと、菅田さんが素晴らしいですね。春斗は役柄でもツッコミなんですけど、どんな小さなアドリブでも、ボケでも、瞬時に反応する瞬発力は天才的だなと思います。お芝居と言うか、本当にリアルに春斗が存在して、マクベスの春斗として言いそうなことを瞬時に悟ってやっているんですね。だから現場で見ていても本当に感心しています」

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■金子茂樹脚本に感じる「優しさ」

この作品の魅力は、金子茂樹氏の脚本なくしては語れない。毎回1本のコントから始まり、そのエピソードの一端から本編のドラマへと発展させ、物語の盛り上がりと共にコントのオチへつながるという、今までにない意欲的な構成。一見変化球のように見えて、実は誰の心にも響くストレートで、美しく起承転結していく作劇は金子作品の真骨頂だ。

そんな金子脚本の魅力について尋ねると、「僕なんかが金子先生の脚本について客観的に語るなんておこがましいくらい尊敬していて、素晴らしい脚本を書かれるなと思っているんですが、金子先生の脚本はとにかく優しさみたいなものが、各キャラクターそれぞれにあると思いますね。金子先生のお人柄もあるんだと思うんですけど、それが脚本に投影されているのかなと感じています」と分析。

  • 金子茂樹氏

さらに、「この作品をオリジナルでやろうっていうのは金子先生の覚悟はもちろんですが、福井プロデューサーの覚悟みたいなものをすごく感じていて、ものすごくハードルの高いものを、しかも新しいものを作ろうっていう意気込みを、企画の段階からものすごく感じていました」と印象を語った。