水に溶いた小麦粉生地に、キャベツや肉などの具を混ぜて焼くお好み焼き。自宅で気軽に食べるなら、冷凍お好み焼きがおすすめだ。近ごろは冷凍お好み焼きも多彩。ユニークなカップ焼そば味や手づかみできるタイプなど、味も形もバラエティ豊かだ。

  • 気分で選びたい冷凍お好み焼き

今回は4種の冷凍お好み焼きを食べ比べてみた。いずれも電子レンジで加熱する。加熱時間は、一口サイズの30秒から円状タイプの7分前後まで、かなり幅があった。

日清食品冷凍「冷凍 日清焼そばU.F.O. 濃い濃いお好み焼」

  • 日清食品冷凍「冷凍 日清焼そばU.F.O. 濃い濃いお好み焼」(オープン価格、実売価格236円 ※編集部調べ)

まずは2021年3月に発売された日清食品冷凍の「冷凍 日清焼そばU.F.O. 濃い濃いお好み焼」(232g※お好み焼207g)。日清食品のロングセラーブランド「日清焼そばU.F.O.」(以下U.F.O.)の味わいを再現したものだ。

SNSでも話題になっていたこの商品。「電子レンジでチンしている間の香りまで『日清焼そばU.F.O.』で食欲をそそる」といった投稿があったが、本当にその通り! 温めたあとは、別添の紅しょうがと青のりが入ったふりかけをかける。

一口食べると、まさにあのU.F.O.の味! 濃厚でパンチがあるソースはU.F.O.らしいスパイシーさに加えて、野菜の甘みも感じられる。さらに生地までU.F.O.味。特製オイルを練り込んだという生地は、U.F.Oならではの鉄板で炒めたような香ばしい風味がある。ふりかけの紅しょうがもしっかりした存在感。U.F.O.好きにはたまらない再現度の高さだ。

「『日清焼そばU.F.O.』独特のスパイシーさと、お好み焼ソースならではの甘さのバランスにはとくにこだわりました。おいしさの秘密を追究するために『日清焼そばU.F.O.』を何度も食べ、試作を重ねてクセになる味わいを作り上げていきました」(日清食品冷凍 マーケティング部 物江咲紀さん)

パッケージ裏面にも書かれているが、溶き卵に付けて食べるアレンジもおすすめとのこと。

<日清食品冷凍「冷凍 日清焼そばU.F.O. 濃い濃いお好み焼」のポイント>
・甘みのある特製U.F.O.風ソース
・U.F.O.特製オイルを練り込んだ香ばしい生地
・紅しょうがと青のりのふりかけが味わいのアクセント

テーブルマーク「ごっつ旨い お好み焼(いか・えび)」

  • テーブルマーク「ごっつ旨い お好み焼(いか・えび)」(オープン価格、実売価格333円 ※編集部調べ)

続いては1999年発売のロングセラー、テーブルマーク「ごっつ旨い お好み焼(いか・えび)」(300g※お好み焼259g)。冷凍お好み焼きではシェアNo.1(※インテージSRI 冷凍調理お好み焼市場2020年1月~2021年2月累計販売金額)を誇る。

紙トレイ付きなので皿が不要。温めたあとは、特製ソース、マヨネーズ風ソース、かつお節、あおさをかけて食べる。

まず驚いたのは生地のふっくら感。ふんわり軽く、いくらでも食べられそうだ。具はいかとえびが入った海鮮味。とくにいかはゴロゴロ入っていて食感と旨みを存分に感じられた。ソースの甘みもほどよく、万人に好まれるオーソドックスな味。シェアNo.1というのもうなずける。

「具材にはキャベツやいか・えびの定番のほか、やまいも、卵を絶妙なバランスで配合しました。外はしっかり、中はふっくらと焼き上げているのは、『にっぽんお好み焼き協会』認定の製法です」(テーブルマーク マーケティング戦略部 中川以久子さん)

製法のポイントは、具材と生地を焼く直前に1枚分ずつ混ぜ合わせていること。混ぜてから時間が経ってしまうと、具材から水分が出てベチャッとしてしまうためだ。さらに型に入れて焼くのではなく、職人が手で焼くように、一枚ずつコテで生地の形を整えてひっくり返し、丁寧に焼き上げているという。大量生産のための効率より味を重視した工程が、おいしさの理由といえそうだ。

<テーブルマーク「ごっつ旨い お好み焼(いか・えび)」のポイント>
・冷凍お好み焼きシェアNo.1
・「にっぽんお好み焼き協会」認定製法によるふっくら生地
・紙トレイ付きなので洗いものなし

ニチレイフーズ「片手で食べられるお好み焼」

  • ニチレイフーズ「片手で食べられるお好み焼」(オープン価格、実売価格386円/4個入り ※編集部調べ)

ニチレイフーズが2020年9月に発売した「片手で食べられるお好み焼」(4個入り、280g)は、今年1月にTwitterで大きな話題になった商品だ。

まるで今川焼のような見た目とサイズ感。だが、中に入っているのはあんこではなく、お好み焼ソース・マヨソース・キャベツ・紅しょうが・豚肉・卵というお好み焼きの定番の具材だ。

生地はほどよい厚みがあり、ふわっとした食感。キャベツはシャキッとしていて、卵やソースに絡んだ豚肉の味もしっかり感じる。ソースとマヨソースはこぼれない程度にたっぷり入っており、適度に入った紅しょうがが味わいのアクセントになっている。

実際食べてみてわかったのだが、手を汚さずに食べられるというのはかなり便利。とくにテレワーク中の食事にもいい。1個70gというほどよいサイズ感なので、小腹が空いたときのおやつなら1個、食事がわりなら2個など、食べる量も調整しやすい。

実はこの商品には、同社の人気商品『今川焼』のノウハウが生かされているという。「『今川焼』のあんは1種類ですが、本商品はたくさんの具材を“層”にして入れています。この“層”がニチレイフーズ独自の技術であり、こだわりです。見た目は『今川焼』なのに、一口食べれば、お好み焼きの味!というギャップをぜひお楽しみいただきたいと思います」(ニチレイフーズ広報グループ 笹嶺舞依子さん)

<「片手で食べられるお好み焼」のポイント>
・手を汚さず食べられるのでテレワーク食にも
・今川焼の見た目と食べたときのギャップが楽しい
・1個70gのほどよいサイズ感

マルハニチロ「パクっとお好み焼き」

  • マルハニチロ「パクっとお好み焼き」(オープン価格、実売価格170円※編集部調べ)

マルハニチロの「パクっとお好み焼き」(5個入、110g)は、つくねのような見た目がかわいい、一口サイズのお好み焼きだ。外のソースと中のマヨソースはいずれも量がたっぷりで、口に入れたときに奏でるまろやかなハーモニーがたまらない。具材はキャベツといか天。いか天は小さく刻まれており、意識しないと気が付きにくいが、旨みと食感をプラスしている。一口サイズながら完成度が高く、「お好み焼きを食べている」という十分な満足感があった。

「子どもから大人まで人気の高いお好み焼きを、お弁当に入るミニサイズにしました。お好み焼きに欠かせないオタフクお好みソースと自家製マヨソースを使用しているのがこだわりです」(マルハニチロ 市販用冷凍食品部 長岡美月さん)

お弁当はもちろん、小腹が空いたときのおやつ、お酒のおつまみなど、幅広いシーンで気軽に食べられそう。1個ずつトレイに入っているので、好きな数だけ温められる。

<「パクっとお好み焼き」のポイント>
・気軽に食べられる一口サイズ
・オタフクお好みソースと自家製マヨソースのハーモニー
・いか天が旨みと食感をプラス

夕食、お酒のつまみ、おやつ、夜食、お弁当のおかずと幅広く使える冷凍お好み焼き。気になるものを冷凍庫に常備してみてはいかがだろうか。