「よろしいでしょうか」という表現は、確認や質問する際に使われる言い回しのひとつ。敬語表現でもあり、ビジネスでも使われる機会が多い言葉です。しかし、使い方や使う相手を間違えると失礼になったり誤解を招いたりしてしまいます。ビジネスで使うからには、正しい使い方をおさえておきたいですよね。
この記事では、「よろしいでしょうか」の意味や使い方、言い換え例や返答例をご紹介します。敬語の使い方にあまり自信がない人は、ぜひ理解しておきましょう。
「よろしいでしょうか」は敬語表現?
ここでは、「よろしいでしょうか」が敬語として正しいのか解説します。
「よろしいでしょうか」は敬語表現として正しい
「よろしいでしょうか」は「よい」「いい」の丁寧語「よろしい」と、「だろうか」の丁寧語「でしょうか」を組み合わせた言葉です。
「よろしいでしょうか」は丁寧語と丁寧語の組み合わせであり、目上の人に対して使っても問題ない丁寧語です。
「よろしかったでしょうか」は誤り?
「よろしかった」とは、「よろしい」の過去形の表現となります。「(事前に注文していた商品は)こちらでよろしかったでしょうか?」など、過去の事柄に関する確認の意味で用いる場合は問題ありません。
ただし、現在進行中のことに対して「(レストランの入店時に)店内にてお召し上がりでよろしかったでしょうか?」などと使うのは誤りです。現在進行形の場合は、「よろしいでしょうか」を使いましょう。
「よろしいですか」は目上の人には避けたほうがいい
「よろしいですか」「いいですか」は「よろしいでしょうか」と同じく、同意や確認を求める丁寧語になります。これらの言葉を敬意が強い順番に並べると、「よろしいでしょうか」「よろしいですか」「いいですか」となります。
「よろしいですか」「いいですか」は間違った表現ではありませんが、くだけた表現であり、どこか威圧的な印象を与える言葉でもあります。
目上の人に確認や同意を求める際には、は「よろしいでしょうか」「よろしゅうございますか」などを使ったほうがよいでしょう。
「よろしいでしょうか」の使い方・例文
「よろしいでしょうか」はビジネスや日常会話でもよく使われる言葉です。具体的な使用例をご紹介します。
ビジネスメールで使う場合の例文
・大変申し訳ありませんが、来週のミーティング時間を13時から15時に変更していただいてもよろしいでしょうか
・お手数ですが、早急に添付ファイルをご確認いただいてもよろしいでしょうか
・こちらからおうかがいしたいのですが、ご都合をお知らせいただいてもよろしいでしょうか
ビジネスメールで相手の確認をとる場合に使われる表現です。
ビジネスにおける会話での例文
・お名前をおうかがいしてもよろしいでしょうか
・何点か質問してもよろしいでしょうか
・必要書類の提出は明日までお時間いただいてもよろしいでしょうか
・ご購入商品はこちらでよろしいでしょうか
「よろしいでしょうか」はビジネスでの会話でも使いやすい表現ですので、上記例文のような使い方を覚えておきましょう。
日常会話の中での例文
・試着してもよろしいでしょうか
・キャンプの日程は○月×日でよろしいでしょうか
・明日の集合時間は朝8時でよろしいでしょうか
「よろしいでしょうか」は丁寧語ですので、普段の会話で使っても問題ありません。「いいですか」を「よろしいでしょうか」に換えるだけで丁寧な印象になります。
「よろしいでしょうか」への返答例
仕事や普段の会話で「よろしいでしょうか」とたずねられたら、適切に返答したいもの。「よろしいでしょうか」という質問に返答する際に適した表現をご紹介します。
かまいません
「かまいません」は、問題ない状況であることを意味する「かまわない」の丁寧な表現です。支障がないか、許可できるかどうかという意味で「よろしいでしょうか」と聞かれ、差し支えないようであれば「かまいません」と伝えましょう。
結構です
「よろしいでしょうか」と聞かれて問題ない場合、「それで結構です」と答えるのもいいでしょう。
しかし「結構です」には2種類の意味があり、「いいです」「問題ありません」という意味で用いられる場合と、断り文句として用いられる場合があります。「結構です」と言われた場合は、意味を適切にとらえる必要があります。
だめな場合には「申し訳ありませんが」などを付けて断る
「よろしいでしょうか」とたずねられて、肯定の返事ができない場合でも、相手の言うことを否定して断るだけだと相手との関係性にひびが入ることがあります。
断り文句の前に「申し訳ありませんが」などのクッション言葉を加えてから内容を伝えましょう。
「よろしいでしょうか」の類語・言い換え例
「よろしいでしょうか」と同じような状況で使える類語や言い換え例をご紹介します。
いかがでしょうか
・こちらからおうかがいしたいのですが、ご都合はいかがでしょうか
「いかがでしょうか」は、相手の状況や様子、感想を聞くときに使われる丁寧な表現です。相手の状況をたずねる場合に、「よろしいでしょうか」と同じ意味で使われます。
かまいませんでしょうか
・大変申し訳ありませんが、来週のミーティング時間を13時から15時に変えていただいてもかまいませんでしょうか
「かまいません」とは、問題ないことを表す「かまわない」の丁寧な表現です。「よろしいでしょうか」が相手の許可を求める意味として使われる場合、「かまいませんでしょうか」に言い換えできます。
お間違いないでしょうか
・明日の出発時間は朝8時でお間違いないでしょうか
「間違いない」には前提となる内容が間違っていないことを断定する表現です。「よろしいでしょうか」が適切であるかどうかの確認として使われる場合、「お間違いないでしょうか」を使ってもかまいません。
「よろしいでしょうか」の英語表現
「よろしいでしょうか」の英語表現も覚えておきましょう。代表例をご紹介します。
Is it OK with you?
「OK」には、「よろしい」「大丈夫」「間違いない」などの意味があります。
「Is it OK with you?」には広い意味があり、「よろしいでしょうか」「ご了承いただけますか」などの意味で使われるカジュアルな表現です。
「May I」を用いた表現
・May I try it on? (試着してもよろしいでしょうか)
「May I ~」には「~してもいいですか」という意味がある言い回しです。後ろに文章をつなげることから、「よろしいでしょうか」の英語表現として幅広く使えます。
「間違いないでしょうか」の意味として使う場合
・Are there any mistakes?
・Are you sure they are right?
「よろしいでしょうか」を購入内容の確認など、間違いないかどうかの確認で用いる場合は、上記のようにミスがないかを確認する言い回しを使いましょう。
「よろしいでしょうか」は目上の人にも使える敬語表現
「よろしいでしょうか」は確認や質問をするときなどに使われることがある敬語表現です。「よろしかったでしょうか」や「よろしいですか」など似たような表現は多いですが、使う相手や内容によっては間違った使い方となってしまいます。意味を理解したうえで使いわけていくことが大切です。
「よろしいでしょうか」は「いかがでしょうか」や「お間違いないでしょうか」など、似たような意味を持つ言い回しが多いので、状況に合わせて使いわけましょう。
自分が「よろしいでしょうか」と聞く場合もあれば、相手から聞かれることもあります。この記事で紹介した例文を参考に、適切なシーンで使っていきましょう。