俳優の佐々木蔵之介が、7月1日スタートのテレビ朝日系ドラマ『IP~サイバー捜査班』(毎週木曜20:00~ 初回2時間スペシャル)で主演を務めることが3日、明らかになった。女優の福原遥、俳優の間宮祥太朗も出演する。

  • 左から間宮祥太朗、佐々木蔵之介、福原遥=テレビ朝日提供

同作は『科捜研の女』などを手がける戸田山雅司氏脚本の「サイバー犯罪の脅威」×「人間ドラマ」を融合させた新しいミステリー。京都府警本部が、サイバー犯罪に立ち向かうため新たに設立した「サイバー総合事犯係」の物語を描く。

「サイバー総合事犯係」はネット分析やプロファイリングなど最先端の機器とスキルによる捜査支援を主としながら、現場捜査+逮捕権を持つ画期的なチーム……のはずが、回ってくるのはネット犯罪の下調べや後片付けなど面倒な仕事ばかり。「総事係」=「お掃除係」と揶揄されている。

佐々木演じる「お掃除係」主任の安洛一誠(やすみや いっせい)は、超がつくほどのデジタル人間。サイバー犯罪に関する知識や捜査スキルはピカイチだが「0か1で割り切れない感情に固執するのは時間の無駄」と言い放ち、ジャケットの代わりに“羽織”を身にまとう、警察官らしからぬ変わり者だ。

そんな「お掃除係」に、福原演じる古宮山絆(こみやま きずな)が配属される。絆は亡き母が遺した1枚の写真から安洛が自身の父親かもしれないと考え、この部署への配属を希望した新人刑事。さらに「裏で安洛について調べる元捜査一課の刑事」、間宮演じる多和田昭平(たわだ しょうへい)を巻き込んで、三つ巴の人間模様が展開していく――。

佐々木、福原のコメントは以下の通り。

■佐々木蔵之介(安洛一誠 役)

――オファーを受けたときの心境は。

僕自身は超のつくアナログ人間なので、「IPって何?」「サイバー捜査ってどういうこと?」というところから入りました(笑)。でも脚本を読んだら、サイバー犯罪って意外と身近なところで起きていて、まったく縁遠い話ではないんだと気づきました。たとえば初回は“フィッシング詐欺”が事件のきっかけとして登場しますが、こんなにも身近に、簡単にだまされてしまうような危険が潜んでいるんだなと実感しました。

――安洛一誠というキャラクターについて。

安洛は自分の興味ある分野にだけ一直線で、誰ともコミュニケーションを取らないのですが、自分で“それでよし”と思っちゃっている男ですね。捜査には長けていて人の3歩も4歩も先へと突き進んでいきますが、犯人の動機や感情には興味がなく、足を使わずともPCとネット環境さえあればすべて解決できると考えているような“変人”です。でも総合事犯係のみんなと関わっていくうちに、それが少しずつ変わっていくんです。また、安洛はいつもシャツの上に和服の“羽織”をまとっているのですが、だいたい羽織って刑事の衣装じゃないですよね!?(笑)でも、安洛にとっては効率がいい衣服なんでしょうね、袂からタブレットやスマホを取り出したりしています(笑)。

――演じていて苦労することは。

いやぁ……苦労しかないです(笑)。医師役や弁護士役で専門用語にチャレンジしたことはありますが、法律は漢字で意味合いをつかめますし、医学も実態があるものなのでスッと入ってきやすいんです。でもデジタル用語ってつかみどころがなく、実態が見えないので、セリフを覚えるのが難しい! カタカナが多いので、元々の英語の意味を調べながら覚えています。でも、この作品で描かれるような事件や用語は、毎朝、新聞で見かけるほど身近なものでもあるんです。苦労も多いですが、勉強になるなと思いつつ演じています。

――福原遥さん、間宮祥太朗さんの印象は。

福原さんは、役に対してどん欲な女優さんですね。撮影が進むにつれ、本番に向けてテンションを上げるスピードが速くなって、“もっと自分の役を深めよう”という姿勢が強くなってきて……。役柄と一緒に成長しているんだなと感心しましたね。あと、“食”に関してもどん欲(笑)。僕が「このお取り寄せがおいしかった」とちょっと話したら、すぐに調べてあっという間にカートに入れていました(笑)。

間宮くんは“芝居のIQ”がめちゃくちゃ高い人! 本の読み方が深く、セリフ覚えもめちゃくちゃ早い。多和田のポテンシャルがしっかり伝わる演技は本当に見事だなと思います。 

――視聴者へのメッセージを。

“サイバー捜査”と聞くと、難しそうで一見、近寄りがたい感じがしますが、ストーリーはとても身近で、ひょっとしたら自分たちも巻き込まれてしまうのでは……と思うような事件を描いています。“よくこの役を引き受けたな”っていわれそうなぐらいアナログな僕でも「めちゃくちゃ面白いし、わかりやすい!」と感じるので(笑)、見ていただいたら絶対に楽しめるはずです!

■福原遥(古宮山絆 役)

――脚本を読んだときの感想は。

(佐々木)蔵之介さん演じる安洛主任が知らない言葉をワーッとしゃべるシーンがあったので、私もわからない単語を検索して調べました! 今は誰もがスマートフォンやパソコンを使い、SNSも浸透していますが、それについてちょっと考えさせられるような、今の時代にマッチした作品だなと思いました。

――古宮山絆というキャラクターについて。

絆は安洛主任とは“真逆”で情に厚く、人の気持ちを理解し、そこから真相を導き出そうとする女性。誰よりも正義感が強くて、一直線な性格ですね。安洛主任が自分のお父さんなのではないかと疑っているのですが、人間に対してとても愛情深いんだなという面も感じます。私は絆みたいにテキパキ動けるタイプじゃないので、演じていて「しっかりしなくちゃ」と思うことも多いですね。でも、彼女の中の熱い部分は自分と似ているので演じていて楽しいです。

――ご自身はアナログ人間か、デジタル人間か。

私も同年代から見たらアナログだと思います。SNSでライブ配信をしたことがあるのですが、使い方がわからなくてアウトカメラになっていて、スタッフさんが丸見えになっちゃったことがありました(笑)。

――佐々木蔵之介さん、間宮祥太朗さんの印象は。

蔵之介さんとはよく差し入れや食べもののお話をするのですが、話し方がものすごくおいしそう。蔵之介さんから話を聞くと、“早く食べてみたい!”っていう気持ちになります(笑)。

また、私は人見知りなので最初、間宮さんに話しかけるのは緊張したのですが、頑張って話しかけたらすごくやさしく答えてくださってそこから一気に打ち解けてしまいました(笑)。私がセットに置いてある人形を破壊しちゃったことがあったのですが、間宮さんが直してくださったりして……日々、支えていただいてます!

――視聴者へメッセージを。

顔が見えないところで書き込みができるネット社会の恐ろしさなど、いろいろなものを感じていただける、今の時代にピッタリ合ったドラマです。最終話までいろいろな謎が描かれていくので、ぜひ最初から最後まで楽しんでいただけたらうれしいです!