アイドルグループ・NEWSの加藤シゲアキが、フジテレビ系オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語‘21夏の特別編』(26日21:00~23:10)で主演を務めることが2日、明らかになった。加藤は、同番組初出演となる。

  • 加藤シゲアキ=フジテレビ提供

加藤が主演するのは「三途(さんず)の川アウトレットパーク」。主人公の木村孝(加藤)は、“目つきが悪い”ことから、たびたびトラブルに巻き込まれ、決して明るい人生は歩んでこなかった男。そしてとあることで命を落としてしまった孝は、目が覚めると、“三途の川アウトレットパーク”と呼ばれるショッピングモールの目の前にいた。果たして孝の死後の世界とは…。

孝が仕事先の病院で出会う入院患者・大原芽生を演じるのは、こちらも『世にも』初出演となる島崎遥香。芽生は、子どもの頃から入退院を繰り返していたが、孝と知り合い、2人は次第に打ち解けていく。そんな芽生もまた命を落とし、三途の川アウトレットパークで孝と再会することになる。

コメントは、以下の通り。

■加藤シゲアキ
――今回のお話がきた時の感想。
「とてもうれしかったです。『世にも奇妙な物語』は、毎回見ていてずっとファンだったので自分がその作品に参加できるのは、夢が一つかなったような気持ちです。学生の頃からも見ていましたし、最近の作品も欠かさず見ていました」

――台本を読んでの感想。
「『世にも奇妙な物語』はいろいろな話があるので、“どのパターンかな?”と思って読んでいたのですが、“まさに、世にも奇妙!“というか、ちょっとユーモアもありながら、短いミステリーであり、衝撃の事実がどんどん明らかになっていくところがすごく面白かったです。設定も、死後の世界にアウトレットパークがあるというちょっと変わってはいるのですが、そこで描かれている話がすごく現実的で、人間味あふれる物語なので、読み終わった後は不思議な感覚でした」

――実際に演じられてみての感想。
「(木村という人物は)かわいそうな人だなあと思っていて、すごく共感しながら、そして演じていて悲しい気持ちになるのが新鮮でした」

――三途の川の存在をどう思いますか?
「こういう、三途の川や賽(さい)の河原という、宗教的なモチーフは面白いと小さい頃から思っていました。ちょっと不思議で、ファンタジックではあるけれど怖いところもあって。死後の世界に対する物語は興味がありましたし、皆さんも興味があるのではないかと思います。みんなが共通認識として知っていて、定着している三途の川という、死後の世界があるというのは面白いなあと思います」

――ご自身ではこのように、現代社会では説明できないような奇妙な体験はありますか?
「僕、霊感とか全然ないんです。番組で事故物件にも行ったことがありますが、何も感じなかったので怖い体験はしたことがないですね。実体験がないからこそ、『世にも奇妙な物語』のような話にも興味を持って面白く見ることができるんだと思います。本当に怖い話もありますが、それもすごく好きで、友達にもすすめていました」

――このような怪奇現象やホラーは執筆してみたいと思いますか?
「思いますね。変わった話はこれまでも描いたことはありますが、ホラーは描いたことがないですし。『世にも奇妙な物語』は非現実的な話ではなく、いろいろな不思議な方向から物語が進んでいくので、こういう話は描いてみたいなと思います。たまに夜中にオンラインゲームをやるんですけれど、この前オンラインゲームで知り合った人の名前が“ズンドコベロンチョ”だったんですよ(※『世にも奇妙な物語』で1991年に草刈正雄主演で放送。2015年に藤木直人主演でリメイクされた人気作品)。友達も一緒にやっていたのですが、その友達が“ズンドコベロンチョ”を知らなくて、“え?『世にも奇妙な物語』のズンドコベロンチョ知らないの?”という話になって、その後みんなで見ました(笑)。この作品への出演が決まった後だったので、それは奇妙な体験かもしれないですね。“世にも奇妙、俺の中で始まっているな”っていう(笑)。どこかのズンドコベロンチョさんとゲームで戦うという奇妙な体験、うれしかったですね。『世にも奇妙な物語』は、いろいろな角度があるので、本当に作家として勉強になります。“あ、その手があったか”と思うこともありますし、作家の方は皆さん興味のある作品なのではないかと思います」

――視聴者の皆様へのメッセージ。
「今回は全体的に死のテーマがあるということを伺ったのですが、決してそれを怖い形で描いているものばかりではなくて。特に、死んだ先にもメッセージがある、死んでからも生き様が問われるというこの作品は、決して爽快な話ではないけれど、見終わった時にじわっと広がる人の思いや温度のようなものがあるので、それを是非、見て、感じていただけたらと思います。死んだ後のことを見て、生きていることを感じさせてくれる興味深い話だと思います」

編成企画・渡辺恒也氏
「原作を読み、『前世の“徳”を所持金として、来世に持っていく才能や能力を買うことができるショッピングモール』という設定に魅力を感じ、『世にも奇妙な物語』の一篇(いっぺん)として提案しました。物語には意外な結末が待っているのですが見終わった後に、今生きているこの人生が数多くの自分が知らないつながりで結びついているかのような、不思議な気持ちになる一篇だと思います。
主演の加藤シゲアキさんとお会いしてお話させていただいた時、ふと芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を思い出しました。“因果応報の流れの中で運命にあらがおうとする人間の思いの力”というものが、この木村孝という主人公の一番の魅力になる気がしています。“三途の川”という宗教的モチーフと、“アウトレットパーク”という近代的な舞台の奇妙なかけ合わせから起こる“奇妙”ならではのヒューマン・ファンタジーを、是非お楽しみに!」

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