そんな小西は、現在も個人で活動している。マネージャーと二人三脚でやってきた。「仕事をする上で、できれば自分の仕事は自分で選びたいという思いはずっとありました。もちろん事務所でも、自分のやりたいことができるところはいっぱいあると思いますが、自分としては、事務所に所属するかしないかという点には、そんなにこだわってないので、このままでいいのかなと。今のマネージャーさんは、私の意志を尊重してくれ、いろいろなアドバイスもしてくれます」
個人で仕事をしていて大変だったことを尋ねると「今のところはあんまりないです」と前置きした上で、「悪気があって言われるわけではないのですが、『へえ。フリーなんだね』と驚かれることでしょうか」と告白。「それはいい時も悪い時もあると思いますが、逆にある種の色眼鏡で見られることがあるのかなと。自分としては、そういう立場は関係なく、どういう役者なのかという部分だけを見てほしいと思ってしまいます。でも、特に弊害があると思ったことはないですね」と説明した。
自分の仕事は自分で選びたいという小西。作品選びのポイントは「脚本を読ませていただいた時に、心が動いた作品はぜひ参加させていただきたいと思っています」とのこと。今後やってみたいと思う役柄を聞くと「怒りの感情がある役を演じてみたいです。今までけっこうおとなしい役や、悲しい役、寂しい役が多かったので、強い怒りや強い感情を持った役をやってみたいです」と目を輝かせた。
さらに、女優としての目標について聞くと「自分がそうでしたが、1本の映画を観たことで映画自体を好きになり、この仕事をしたいと思ったように、私の出演した作品が誰かの心を動かすきっかけになれたら一番うれしいことかなと。自分もいつかそういうお芝居をしてみたいというのが、私のモチベーションにつながっています」と答えてくれた。
自分のやりたいことや目指す道をちゃんと見据え、ぶれがない点が実に素晴らしい。今後もどんな新しい一面を見せてくれるのか楽しみだが、『ラブファントム』では、毎回キスシーンがある甘いラブストーリーに挑戦。「ラブコメティのヒロインも初めてで、初めてだらけの現場でした。お芝居も一から指導してもらったので、『ラブファントム』での経験はきっと今後もすべてにおいて生かされると思います」と、本作も自身にとって大きな経験になったようだ。
1998年3月29日生まれ、埼玉県出身。三池崇史監督作『初恋』(20)のヒロイン、モニカ役に抜擢。その他の映画出演作に、ヒロインを演じた『ファンシー』(20)、『映像研には手を出すな!』(20)、『NO CALL NO LIFE』(21)、待機作に『藍に響け』(5月21日公開)、『猿楽町で会いましょう』(6月4日公開)など。『レンアイ漫画家』が放送中。
スタイリスト:阪上秀平 ヘアメイク:石邑麻由