FOOD & LIFE COMPANIESは5月6日、2021年9月期 第2四半期の決算説明会を開催した。それによれば、上半期の業績として売上収益、各利益ともに過去最高を記録した。登壇した同社 代表取締役社長CEOの水留浩一氏は、テイクアウト需要を取り込みながらも、新店舗の出店を継続していく方針を明らかにしている。

  • FOOD & LIFE COMPANIESが決算説明会を開催。好調な業績をアピールした

■売上収益が伸びた要因は?

売上収益は1,190億円(前年比+10.1%)、営業利益は131億円(同+59.2%)となった。同社では、コロナ禍において国内スシロー・海外スシロー・新規開発事業の新店舗出店を加速させたことが、結果的に売上収益が伸びる主要因になったと説明。なお国内スシロー既存店においても、昨対売上が101.7%と前期を上回る伸びを示している。

  • 21年9月期 上半期の業績ハイライト。当期利益は77億円

  • 売上収益の内訳。国内スシロー事業では、新たに出店した36店舗が61億円の売上収益に貢献した

■中期成長戦略の展開

続いて、中期成長戦略の進捗状況。国内スシロー業態は拡大を継続している。上期には24店舗を新規出店し、既存店は昨対で101.7%となった。新業態(寿司居酒屋 杉玉など)によるすし周辺市場の開拓については、新規出店 / 売上とも競合他社を上回る水準で展開中。このほか、シンガポール・香港における店舗数の拡大、タイへの新規出店により海外展開も本格化させている。

  • 中期成長戦略の進捗状況。「非常に順調に進捗している」と担当者

上半期に新規出店した国内24店舗のうち、都市型は5店舗、通常型は16店舗。このほか、新たな試みとしてTo Go型(テイクアウト専門店)にも挑戦しており、3店舗を出店した。今後も出店の拡大を見込んでいるという。

  • 国内スシロー業態を拡大中。店舗数は583となった

コロナ禍で拡大するテイクアウト需要には、To Go型店舗で対応。すでにJR我孫子駅店、JR神戸駅店、JR六甲道駅店の3店舗について、改札を出てすぐのスペースで営業開始している。これらの店舗では専用メニューを提供するほか、立地や客層のニーズに対応したサービスを用意。「非常に好評を得ている」(担当者)という。今後も、スシロー既存店(駅ナカ、駅前ビルなど)でカバーしきれなかった立地に、積極的に出店していく考えだ。

  • To Go型店舗の拡大

このほか、新宿三丁目には都市型の店舗を新規オープンした。都市型店舗として最大級の208席を用意したところ、初日は1,000人以上が来店。初日売上の最高記録を達成している。

  • 新宿三丁目店には、初日だけで1,000人以上が来店した

コロナ禍の影響を受けた既存店では、時短などの営業制限でEI(イートイン)売上が昨年より下回った。しかし非EIの業態、つまりTO&D(テイクアウト、デリバリー)に注力したことでカバーし、上半期全体では101.7%を実現した。

  • コロナ禍における売上影響

  • 既存店では、従来の好調な販促施策パッケージを継続していく

今後、さらにTO&D領域を拡大していく。テイクアウト売上の維持・増加のために、土産ロッカーはすでに118店舗(全店の20%)まで拡大した。「利便性の向上、コロナ禍における安心安全の担保に今後も全力で取り組んでいきます」と担当者。また、自社デリバリーの拡大にも言及した。外部デリバリー(Uber Eats・出前館など)でカバーできないエリアを中心に、自社デリバリーサービスを29店舗に導入済みだという(3月時点)。

  • TO&Dを充実化していく

海外事業のトピックとしては、タイに最大級の店舗をオープンさせた。初日は1,012人の来客、売上250万円を記録。タイのメディア、商業施設にも注目されているとしている。

  • こちらは海外事業のまとめ。台湾、香港、シンガポール、韓国などで展開中

■通期予想は?

最後に、2021年9月期 業績予想について。コロナによる影響が不透明であるとして、期初予想を据え置く形となった。売上収益は2,506億円で進捗率は47.5%、営業利益は173億円で進捗率は75.8%。これについて水留氏は「上半期において、利益面での進捗率が75%に到達しました。ここで作った貯金を、できるだけ多く持ち越した形で通期に持っていきたいと考えています」と説明している。

  • 2021年9月期 通期の業績予想

国内では、都市部の優良物件を囲い込んで新規出店していく。海外では、好調エリアでさらなる出店を加速。また今期は中国大陸への出店も目標にしている。このほか、グループに加わった京樽とのシナジーも早期に実現していきたい考えだ。

  • 施策まとめ。アフターコロナを見据えて、積極的に投資を継続していく

■緊急事態宣言の延長はある?

このあとメディアからの質問に、水留氏が対応した。

今回の大型連休について、消費動向に変化はあったか、という趣旨の質問には「このGWは、各地で人の出方が変わりました。例年ほどのお客様の量にはなっていません。一方で、地域によってはTO&Dの比率がかなり高まりました。一部の店舗ではTO&Dが売上の半分までに達するなど、見たこともない売れ方をしています。GW特有の動向もあるとは思いますが、今後もEIの売上が弱く推移し、非IEが高めに推移することは起こりうると考えています」。

東京都など、緊急事態宣言の延長を検討している自治体も少なくない。この受け止めを聞かれると「我々としては可能な限り早く、世の中が正常に戻ってもらうのが良いと考えています。そのため一旦、できる限り感染拡大を抑え込む必要があるのでは。いま高齢者を中心に、ワクチン接種が進んでいくタイミングでもあります。この動きが早く進むことで、世の中の全体のリスクを抑える、そのことが最優先と考えています」。

宣言が飲食業界に与える影響については「こうした状況下で、お客様のご来店の機会が減ることは否めません。政府の動きにできる限り協力しながら、EIと非EI、TO&Dなど、いろいろな形でご利用いただけるようにしたい。お客様に楽しんで食事していただけるような機会を、できる限りの安心安全の中でご提供できたらと考えています」。

寿司居酒屋 杉玉の業績が好調な理由を聞かれると「決して業績が良いと言えるものではありませんが、他社さんと比べると頑張っている方と見ております。寿司というテーマで居酒屋をしてきたのが大きな要因です。いま店舗には『しばらくお酒を出せないので、寿司屋になりました』というポスターを貼っています。つまりアルコールの提供を止めながらも、フードとしてのお寿司をご利用頂いている。それが、どうにか堅調にやれている要因かなと思います。コロナ対応として、アクリル板の設置、客席を間引く、といった求められることをやりながら営業を続けています」と説明した。

  • 杉玉事業について