京王電鉄は2021年度の鉄道事業設備投資について、総額240億円にのぼるとの見通しを発表した。設備投資は「安全性の向上」「サービスの向上」「環境対策・その他」の3つの分野で行う。

  • 「京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業」が完了すると、笹塚~仙川間約7.2kmが高架化される

「安全性の向上」について、「京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業」を引き続き推進。今年度は全8工区のうち6工区で工事を進める。ホーム安全対策として、下北沢駅1・2番線へのホームドア整備、下北沢駅と京王稲田堤駅への転落防止ゴム整備も進める。

高幡不動駅などにて、ホーム端の視認性を向上するための注意喚起ラインを施工し、京王線・井の頭線全駅への整備を完了させる。その他、京王線8000系2編成16両に車内防犯カメラを設置。東府中3号踏切道では、障害物検知装置を従来の線検知式から面検知式に更新する工事を行う。

「サービスの向上」について、座席指定列車「京王ライナー」のサービス拡充を図るため、5000系新造車両1編成10両の導入に向け、製作を進める。この車両には、国内初となるリクライニング機能付きロング/クロスシート転換座席を搭載する予定となっている。

  • 5000系1編成の新造を進める

駅と車両のリニューアルも進め、新宿駅新線口改札内のエスカレーターの更新工事に着手するほか、府中競馬正門前駅、若葉台駅、多摩境駅で旅客トイレのリニューアル工事を実施する。車いす・ベビーカースペースを全車両に拡大する工事は今年度、京王線8000系2編成16両を対象に実施する。

「環境対策・その他」として、省エネ性能の高いVVVFインバータ制御装置への更新を進め、今年度は京王線8000系2編成の工事を実施。駅構内の照明と車両前照灯のLED化も推進し、高幡不動駅や京王多摩センター駅などのホーム・コンコース照明、京王線9000系10編成20両の前照灯のLED化工事を行う。

  • 駅舎補助電源装置のしくみ

車両がブレーキをかけたときに発生する回生電力を鉄道施設内の設備で利用できるようにする「駅舎補助電源装置」の増設も実施。今年度はめじろ台駅に設置する。