女優の小池栄子が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、2日に放送される『銀座の夜は いま…2 ~菜々江ママとコロナの1年~』。東京・銀座の一流クラブを経営する唐沢菜々江ママ(47)が、終わりなきコロナ禍で奮闘する姿を追った作品だ。

緊急事態宣言による営業休止に激減する客、そして店を離れていくホステスや従業員たち…次々にピンチに見舞われながらも前を向き続ける菜々江ママの姿を見て、小池は何を感じたのか。さらに、コロナ禍を経験しての自身の仕事への向き合い方の変化についても語ってくれた――。

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した小池栄子

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した小池栄子

■終わらないコロナに「やり場のない怒りや悲しみ」

『ザ・ノンフィクション』では、ちょうど1年前の昨年5月3日にも、コロナに翻ろうされる菜々江ママを追った『銀座の夜は いま…』を放送。この時もナレーションを担当した小池は「第2弾をやるときがあれば、銀座の街は良い流れになってるんじゃないかという期待を持ちながら前回読んでいたので、今回の映像を見ながら『これが現実か…』とショックでしたね。やり場のない怒りや悲しみを感じました」と本音を漏らす。

それでも、その悲しみを言葉に乗せるのではなく、「客観的に淡々と読もうと思いました。主役は菜々江ママやホステス、従業員の皆さんだから、そこに自分が気持ちを込めて浸ってしまうのは違うんじゃないかと。それは視聴者の皆様が感じることですから、この部分は気をつけました」と意識した。

■「男っぽいっすね」という褒められ方は…

前回の放送には大きな反響が寄せられたが、視聴者を惹きつける原動力は「菜々江ママだと思います」と断言。「店のスタッフの皆さんを『息子と娘たち』と呼んでいたりしましたけど、そういう思いでお仕事ができるって素晴らしいなって。コロナ禍で皆さんが日々大変な生活をしている中、やっぱり菜々江ママの“人間力”が見られるこの放送の1時間は、私も勇気をもらったので、すごく希望になるんじゃないかと思います」と、その魅力を分析する。

その上で、「私もクラブNanaeに飲みに行って会いたいですもん。『ナレーションやらせていただきました』ってご挨拶もしないと、礼儀正しいママが『挨拶来ないの?』って言ってるんじゃないかと思って(笑)」とも。

そんな菜々江ママに「勉強したいです」と熱望。「きっと菜々江ママの登場によってお店の作り方や振る舞い方が変わって、ホステスさんの地位向上にも影響があったと思うんです。随所随所で感じられる言葉遣いや『お客様に来ていただく』という精神、謙虚さというものは、どの仕事についても共通することだと思います。私たちもお客様に見ていただく仕事なので、そこで私は惹きつけられましたね」と魅了された。

  • 『ザ・ノンフィクション』の密着を受ける唐沢菜々江ママ (C)フジテレビ

そのリスペクトの気持ちをうまく言語化できないことに、もどかしさを覚えている様子。

「よく『気風(きっぷ)がいい』とか『男らしい』っていうのが女性の褒め言葉として使われますけど、そういうことじゃない気がするんですよね。『男っぽいっすね』っていう褒められ方って、私も同じ女性としてそんなに好きじゃないんですけど、あくまで菜々江ママは自分が“女性という生き物”であることにすごく誇りを持っている気がして。だから、なんて声をかけてリスペクトの気持ちを伝えたらいいのか難しい。私がもしホステスの仕事をさせてもらうとなったら、その言葉が審査の第一段階な気がします(笑)」