「家内安全」とは、神社やお寺で家族全員の安全と健康を祈るご祈願です。独身者の場合は「身体健全」というご祈願が適していますが、家族がいるなら「無病息災」と併せてご祈願しておきましょう。本記事では、「家内安全」の意味やご祈願の手順について詳しく紹介します。
「家内安全」の意味とは
家内安全とは、「家族が安泰で災厄がなく、安定した精神に活力がみなぎり、健康で過ごせること」です。
「家内」は「家屋」や「家の中にいる人」のことを指すので「家庭」や「家族」などを意味します。また、「家内」を「一家」という意味で用いる場合には「親族」も含まれます。「家内」は「妻」を意味する言葉としても使われるため、奥様の安全を祈る言葉として誤用しないように注意しましょう。
なお、独身の人が自分の健康などを祈りたい場合には「身体健全」というご祈願をします。
「家内安全」ご祈願の流れ
以下のような方は、家内安全のご祈願をしておくといいでしょう。
- 年間を通して家族円満に過ごしたい
- 慣例行事の一環としたい
- 遠望にいる家族の安全を願いたい
家内安全のご祈願は一家の家長がうけますが、年始の初詣や結婚記念日などに家族そろってご祈願してもいいでしょう。
ご祈願は基本的に年に1度でかまいませんが、大きな出来事などがあった場合は、回数に関わらず行った方が良いとされています。
ご祈願の具体的な流れを詳しくご紹介します。
神社やお寺に申し込みをする
まずは、メールや電話で家内安全のご祈願を申し込みます。社務所で直接受け付けていることもあるので、事前に確認しておくといいでしょう。申し込む際には「氏名・生年月日・希望の日時・参加人数」などを伝えます。
祈願料は「お気持ち程度の金額」となっているケースもありますが、近年ではホームページなどに祈願料を記載してある神社もあるのでチェックしてみてください。
祈願料は「水引のついたのし袋」に入れて渡すのが一般的です。のし袋の表書きには「初穂料」「玉串料」「祈祷料」などと書きましょう。
昔から、その年に初めて収穫された稲穂は豊作の感謝の気持ち「初穂」として神社に奉納されてきました。現在では感謝の気持ちが金銭に置きかえられ、ご祈祷などでは「初穂料」を納めます。
当日の服装は自由
ご祈祷当日の服装は自由ですが、派手な服装は避けましょう。心穏やかにご祈祷を受けられるような落ち着きある服装を選んでください。男性ならスーツ、女性は襟の付いたワンピースやスーツなどが適しています。
ご祈祷は20分~30分
当日は予約した時間の15分前までには受付を済ませます。ご祈祷が始まるまでは、神社内の休憩所などで過ごしましょう。携帯電話やスマートフォンは、ご祈祷前に必ずマナーモードにするか電源をオフにしておきます。
ご祈祷の時間は20~30分ほどです。ご祈祷中の写真撮影は禁止されていますが、ご祈祷の前後なら撮影できる神社もあるので、希望する場合は聞いてみるといいでしょう。
ご祈祷が終わったら法話を聞く
お寺の場合は、ご祈祷が終わったら住職が仏教の教えをわかりやすく伝える「法話」に移ります。
法話は難しいというイメージもありますが、世間の事件や出来事を交えながら話をしてくれるので、身近な内容に感じられるはずです。
家内安全のお守りをもらって帰宅する
授与品として「家内安全の御札」と「お守り」をもらいます。御札は自宅の神棚にまつりますが、神棚がない場合はリビングのような生活の中心となる場所の南向きか東向きにまつりましょう。
「家内安全」と合わせてご祈願したい厄除開運
厄災が寄り付かずに運が開け、邪気が身辺から退散するよう祈願する厄除開運祈願は家内安全だけではありません。悪いことが起こらないように守ってもらうためにも、「商売繁盛」や「無病息災」も併せてご祈願しておきたいところです。
商いの成功を祈る「商売繁盛」
商売が成功して賑わい、栄えることをご祈願するのが「商売繁盛」です。商売を営んでいる人は「家内安全、商売繁盛」とご祈願しておきましょう。「商売繁盛」は「商売繁昌」とも書きますが、どちらも読み方と意味は同じです。
健康を祈る「無病息災」
病気にかかることなく、常に健康で過ごせるように願うのが「無病息災」です。家内安全と似ていますが、以下のような違いがあります。
- 家内安全:家族全員が病気や災難に遭わないこと
- 無病息災:自分や大切な人が病気や災難に遭わないこと
「家内安全」の英語表現
「家内安全」は英語で以下のように表現できます。
- safety of one's family
「safety」は「安全」、「one’s」は「~の」、「family」は「家族」という意味になるため、「家族の安全=家内安全」を表します。
家内安全で過ごせるように願う気持ちが大切
「家内安全」は、家族全員の安全と健康を祈るご祈願です。神社でご祈願する場合には、事前に電話などで申し込みをしてから家族で訪れましょう。当日の服装はとくに決まっていませんが、落ち着きのある服装を選びたいところです。
ご祈祷の所要時間は20分~30分程度なので、ちょっとした空き時間を利用してご祈願をしてみてはいかがでしょうか。病気がなく健康で過ごせるように祈願する「無病息災」や、商いの成功を願う「商売繁盛」も併せてご祈願しておくといいでしょう。