俳優の中村倫也が主演を務める、テレビ東京系のドラマ『珈琲いかがでしょう』(4月5日スタート 毎週月曜23:06~23:55 ※初回~第3話は5分拡大で23:06~24:00)。コナリミサトによる同名コミックを実写ドラマ化した同作は、移動珈琲店「たこ珈琲」の店主・青山一(中村)がさりげない言葉で人々を癒す、優しくもほろ苦い人情珈琲群像劇を描く。
2018年にはアニメ化もされた人気作だが、実は以前から原作ファンの間で、主人公・青山のビジュアル・仕草・佇まいが「中村倫也にしか見えない」という声が上がっていた。同じくコナリ作品の『凪のお暇』で“メンヘラ製造機”ゴンさんを演じ好評を得ていた中村に期待がかかる中、待望の実写ドラマ化となった。
撮影は毎日がギリギリだったというが、中村は「今回は結構監督陣が映画の方々なんです。皆様バラバラのカラーなので、連ドラになったときに面白くなるだろうなという予感があるんですけど、映画のリズムとテレビドラマって違うみたいで、荻上(直子)さんとかもしばらくは『こんなに時間がないんだ』と、バタバタしてました」と振り返る。「主人公とそっくり」という評判については、「ビジュアルだったりは寄せているつもりですが、実写化に際して特に意識していることは『なぜかわからないけどこの男に身の上話をしてしまう感』ですかね」と、外見よりも空気を意識している様子。
テレビ東京のドラマに出演するのは久しぶりとなり、他局との違いについて聞かれると「やっぱり、予算の桁じゃないですか?」とニヤリ。「後半はけっこうダークな方に行くのですが、深い穴の底を掘るには、クリエイター陣にも自由度がないとできないと思います」と今後の展開にも期待させた。
放送決定時のコメントでは「テレ東のナナナ推しが楽しみです。笑」と言っていたが、「ナナナ、共演NGにしてるんですけどね」と手厳しい一面(?)も。「手を変え品を変え、いろんな扮装をして来るんですよ。僕は迷惑してるんですけど」とぼやきつつ、ナナナを取り出し、リモート取材の画面越しに激しく動かす。中村は「ナナナを雑に扱うと決めてるタイプの俳優なんですよ。雑にされてもかわいそうに見えない顔してるからいいんですよね。ずっと遊んじゃう」と"ナナナ愛"も見せた。
作中では珈琲に出会った青山の人生が一変するという展開もあり、中村にとっての人生を変える存在を聞かれると、「小劇場」という回答。「謎のバイタリティに満ちた大人たちがいて、『やってやれ!』みたいな感がすごかったんです。仕事でも人生においても自分が触れてこなかったものだったので、ある種のショックを受けましたし、青山の台詞でも言うんですけど『なんだこれは』と思いました」と明かす。
中村はさらに、自身に影があるのか聞かれると「影は、あるんじゃないですか? 僕の後ろです」とぼけ、今回のホスト的な立ち位置についても「楽しいです。自分のこと話すよりも人の話を聞いてるのが好きな子だったんです。4歳からそうなんです。……あ、3歳からでした、すいません」とユーモアも絶好調。最後には「振り幅のある作品になると思います。優しくホッとできる憩いの公園のようなシーンと、ヒリッと肌を刺激する息を呑むようなシーンの織りなす、鎖帷子のような物語。時にズシっと重いかもしれませんが、きっと毎週見終わった後に、何かから守る力を得られると思います。ぜひご期待ください」とメッセージを贈った。
■中村倫也
1986年12月24日生まれ、東京都出身。2005年、俳優デビュー。2014年、初主演舞台『ヒストリーボーイズ』で第22回読売演劇大賞優秀男優賞受賞。2019年にはエランドール賞新人賞を受賞。近年の出演作は、ドラマ『初めて恋をした日に読む話』、『凪のお暇』(19)、『美食探偵 明智五郎』、『この恋あたためますか』(20)、映画『台風家族』、『屍人荘の殺人』(19)、『水曜日が消えた』、『人数の町』、『サイレント・トーキョー』(20)、『ファーストラヴ』『騙し絵の牙』(21)など。4月5日から主演ドラマ『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京)がスタート。5月28日公開予定の映画『100日間生きたワニ』に声優として出演。また、3月18日に初のエッセイ集『THE やんごとなき雑談』を発売した。