営業や商談を成功に導くために、「片面提示」と呼ばれる説得方法は有効です。では、「片面提示」とはどういった手法で、ビジネスにシーンおいてどのように活かせるのでしょうか。この記事では、「両面提示」との違いや特徴もあわせて紹介します。
片面提示の意味
片面提示とは、相手にとってのメリット、またはデメリットのどちらか一方のみを伝えることを表す言葉です。
例えば、クライアントと交渉するうえで信頼関係があり、価値観のあったものを提案する場合、メリットのみを伝えることで相手が提案を受け入れやすくなります。また、相手に考え直してほしいときなどはデメリットを伝えることで、うまく相手の心を動かすことができます。
片面提示と両面提示の違い
片面提示に対して、両面提示ではメリットとデメリットの両方を伝えます。片面提示は相手に関心をもってもらいたいとき、両面提示は納得してもらいたいときに便利です。2つの提示の特徴や使い方の違いをおさえて、ビジネスで使えるようにしましょう。
ビジネスにシーンおける片面提示と両面提示の具体例
具体的に、新しいノートパソコンを販売する場面で考えてみましょう。
例えば、お客に対し「新機能搭載の高性能ディスプレイ」と伝え、「サイズが大きく持ち運びは大変」という点は伝えないでおくと、良い点のみが見えるおかげで、はじめの集客につながるでしょう。これが片面提示を使う場合の効果です。
一方、「サイズが大きく持ち運びには不向きですが、新機能が搭載され高性能のディスプレイです」と伝えると、デメリットも伝えることで信頼度が上がるほか、消費者に理解を深めてもらえるでしょう。これが両面提示の効果です。
片面提示と両面提示を使い分ける必要がある相手の特徴
ビジネスでは、片面提示と両面提示を相手によって使い分ける必要があります。それぞれどのような相手に使うと効果的なのかを知り、正しい場面で使いわけましょう。
片面提示を使った方が効果的な相手の特徴
条件に対して相手が好印象を持っている場合、自分と相手の間に信頼関係がある場合、その分野に詳しくない相手に新しく紹介する場合などは、片面提示が効果的です。
以上のような場面で交渉がうまくいきそうなときは、片面提示で最後の一手として背中を押してみましょう。
両面提示を使った方が効果的な相手の特徴
条件に対して相手が疑問を持っている場合、自分と相手の間に信頼関係がない場合、相手がその分野に詳しく対等に話を進められる場合などは、両面提示が効果的です。
両面提示では対等な立場を示すことが可能なため、信頼関係を築くことにつながります。
片面提示を使う場合の注意点
片面提示で無事に交渉を成功させた場合でも、「伝えたメリットまたはデメリットが正確なものか」「伝えていない情報が相手にとって必要不可欠なものではないか」ということに注意する必要があります。
伝えた情報が正確でなかった場合や相手の望む結果にならなかった場合、相手からの信用を失ってしまう恐れがあるので注意しましょう。
両面提示を活用する際のポイント
両面提示を用いる際は、メリットとデメリットを伝える順番がポイントです。基本的に、後から伝えられた事柄は印象強く記憶に残ります。
相手に前向きに検討してほしいときは、デメリットの後にメリットを伝えます。逆に、リスクについてじっくりと検討してほしいときは、メリットの後にデメリットを伝えるようにしましょう。
片面提示と両面提示の使い分け方を知ろう
片面提示の意味や使い方を知り、両面提示との違いを明らかにしました。片面提示はメリットまたはデメリットのみの提示、両面提示はメリットとデメリット両方の提示をする手法です。
ビジネスシーンにおいてどちらの説得方法を使うべきか、相手との関係性や状況を踏まえて伝え方を判断していきましょう。