フィギュアスケートの2006年トリノ五輪金メダリスト・荒川静香が、29日から配信開始するauスマートパスプレミアムオリジナル映像コンテンツ「au5G × Figure Skating」に出演する。

  • 「au5G × Figure Skating」に出演した荒川静香

「au5G × Figure Skating」は、荒川によるフィギュアスケートのパフォーマンス動画コンテンツ。視聴者は、4画面の複数アングルで同時に視聴可能な「マルチアングル動画プレイヤー」を使い、自由にアングルを変えながら観賞することができる。

収録現場には、リンクを囲むように設置された固定カメラに加え、クレーンやドローンのほか、最新の撮影機材を用いてあらゆる角度から演技を撮影。フィギュアスケートの新たな映像体験を提供する。以下、荒川のコメント。

──今回の撮影を終えた感想をお聞かせください。

見る方がマルチアングルで楽しんでいただける映像ですので、フィギュアスケートの魅力を存分に伝えられるように滑りました。人前で滑るのは久しぶりでしたが、新しい試みでもあるので、とてもうれしかったです。

──収録された演技プログラムのこだわりや注目ポイントを教えてください。

今回は、切なさやスケートの儚い部分を表現してお見せしたいという気持ちがありました。その中で、倉木麻衣さんの「さくら さくら…」という曲がイメージとマッチすると思いましたので選ばせていただきました。ピンクを基調とした衣装も、今の季節に合わせながら、儚さを表現するポイントになっているかと思います。見どころについては、私が得意とするイナバウアー、スパイラルを中心とした構成になりますが、途中で音楽の情景がパッと変わるところがあり、その瞬間に止まって目線をあわせるなど、演技に緩急もつけています。さまざまな部分で見どころはあると思いますので、一つに絞らず、いろんな視点で見ていただければうれしいです。

──以前に比べれば、フィギュアスケート中継もかなり進化しています。今後視聴者によりわかりやすく見てもらうためには、どのようなことを期待されますか?

フィギュアスケートの見どころのひとつであるスピード感は、少し引いた画角がすごくわかりやすい。一方で、寄りの画角で選手の表情をじっくり見たいという方も多いと思います。見る人によって注目するポイントも違ってきますので、今回撮影したマルチアングルのように、視聴者に寄り添った映像を届けることが、今後のフィギュアスケート中継には必要なのではないでしょうか。

──現在はプロフィギュアスケーターとしても活躍されていますが、競技者時代から変わった点はありますか?

自分を主体に頑張って演技を見せるのが競技者だと思います。しかしプロとしてアイスショーで滑らせていただくようになった今は、見てくださる方に楽しんでいただけるスケートをすごく心がけています。そういう点において、自分自身のスケートスタイルも変わった部分もありますし、まだまだ上手くなりたいという気持ちは常に持っています。そう考えると、自分のスケートに満足したり納得したりする部分が大きかったら、すでにスケートは辞めていたのかなとも思います。でもなかなか満足させてくれない難しさがあるのがフィギュアスケートなんです。そこが魅力でもあります。ですから今は、納得のいくスケートとどう向き合っていくかということを感じながら滑っています。

──まだプロスケーターとしても成長過程にあると思いますが、将来的に指導者をやってみたいという気持ちはありますか?

指導者にはすごく興味はありますし、自分が培ってきた技術を次の世代に伝えたいとは思っています。しかし、指導者なるというのは、スケートリンクに所属をして、一人の選手の人生を抱えるということになります。そういう点からみても、コーチとしてリンクに立つというときには、相当な覚悟が必要だと思います。私の現状を考えると、子育てもあり、プロとしての活動もありと、定住して教えられる環境にはありませんので、もう少し先のことになるかと思います。

──最後に、今後の日本フィギュアスケート界発展のために、どのような役割を担いたいと考えていますでしょうか。

スケート連盟の副会長という立場でもありますので、選手が世界で活動しやすい環境をサポートすることが一番だと思います。そのためにも、選手とのコミュニケーションをとって進めていくことを大切にしていきたいです。また、スケートの普及活動にも、力を入れていきたいと思います。たくさんの世代の人に幅広くスケートを楽しめるような環境を整えられればということは常に考えていきたいです。