フリマアプリのメルカリは便利ですが、手数料は複雑で、下手をすると損してしまうかもしれません。

本記事では手数料がどのタイミングでいくらかかるかの一覧や、販売手数料(出品手数料)の計算方法をわかりやすくまとめました。少しでも手数料を安くする方法や他のフリマアプリでの手数料との比較、送料についても解説しています。

  • 出品者/購入者それぞれのメルカリの手数料と節約のコツ

    メルカリはどういうタイミングで何の手数料がかかるかを確認しましょう

メルカリの手数料はいくら? - 7種類の一覧と、出品者/購入者別の解説

メルカリの手数料は、出品者向けが5種類、購入者向けが2種類の計7種類です。各手数料について、誰が、いつ、いくら支払うかを以下の一覧表にまとめました。

対象者 手数料の種類 いつ必要か 金額
出品者 販売手数料 出品した商品が売れたとき 販売額の10%
ライセンス料

指定の作品の二次造作物が売れたとき

2023年9月11日時点の対応作品
・ゲームアプリ「Ingress」
・マンガ作品「宇宙兄弟」

販売額の10%
(販売手数料と同じタイミングで徴収)
集荷手数料 らくらくメルカリ便を利用したとき 送料とは別に100円
売上金の振込手数料 売上金を指定の口座に移すとき 1回200円
急ぎの場合+200円
組戻し手数料 振込申請先の口座情報を間違えて振り込みが成立してしまったとき 利用金融機関によって異なる
購入者 決済手数料 商品購入後に代金をコンビニ決済・ATM・キャリア決済で支払うとき 1回100~880円
メルペイスマート払いの清算時手数料 メルペイスマート払いにて清算したとき 無料~精算方法などによリ異なる

手数料の詳細内容について、以降で順番に解説します。

【出品者側の手数料】

販売手数料(出品手数料)

メルカリの販売手数料(出品手数料)は、出品した商品が売れたときにメルカリ側に支払う手数料です。商品が売れた金額から販売手数料として10%が引かれます。

例えば商品が10,000円で売れた場合は、10%の1,000円が差し引かれ、9,000円が出品者の売上金という計算になります。

ライセンス料

ライセンス料とは、ライセンス料が必要だと指定されている作品の二次創作物が売れたときに発生する手数料です。2023年9月11日時点では、ゲームアプリ「Ingress」とマンガ作品「宇宙兄弟」の2作品がライセンス料対象の作品に指定されています。

出品者側で特に何かをする必要はありません。販売手数料が差し引かれるタイミングで10%のライセンス料が上乗せされて差し引かれます。ライセンス料対象の商品は、商品が売れたときに販売手数料とライセンス料を合わせて20%の手数料が引かれると覚えておけば大丈夫です。

集荷手数料

「らくらくメルカリ便」というメルカリの配送サービスでは集荷サービスを依頼することができ、集荷手数料として通常の送料とは別に100円が売上金から差し引かれます。

売上金の振込手数料

売上金の振込手数料は、出品者が売上金を指定の銀行口座に振込申請をする際にかかる手数料で、1回200円がかかります。

振込スケジュールには少し時間がかかります。急いで振込をしたい場合は「お急ぎ振り込み」も利用可能です。「お急ぎ振り込み」を利用する場合は、「お急ぎ手数料」を200円上乗せし、合計400円を手数料として支払います。

組戻し手数料

組戻し手数料とは、振込申請先の口座情報を間違えてしまい、正しい口座へ振り込みをし直してもらうための手数料です。利用している金融機関に相談しなければならず、金融機関によって手数料は異なります。

間違って入金した先の振込受取人と連絡が取れない場合や了承を得られない場合、組戻しは成立しません。このような問題が発生しないよう、口座情報の間違いには注意しましょう。

【購入者側の手数料】

決済手数料(コンビニ決済・ATM・キャリア決済)

決済手数料とは、商品購入後に代金を支払う際、コンビニ決済・ATM決済・キャリア決済(d払い/auかんたん決済/ソフトバンクまとめて支払い)を選択すると発生する手数料です。

今までは一律100円の手数料がかかっていましたが、2023年5月23日より、下記のように支払金額によっては手数料が100円よりも高くなっていますのでご注意ください。

支払い金額 手数料(税込)
~5,000円 100円
5,001円~10,000円 200円
10,001円~20,000円 300円
20,001円~30,000円 500円
30,001円~40,000円 700円
40,001円~ 880円

なお、クレジットカード払いやメルペイ残高払い、Apple Pay、FamiPayを選択すると決済手数料はかかりません。

またメルペイのあと払い(メルペイスマート払い)も決済手数料自体はかかりませんが、後述するように清算する際に手数料がかかるケースがあるので注意してください。

メルペイのあと払い(メルペイスマート払い)の清算時手数料

メルペイのあと払い(メルペイスマート払い)とは、1カ月ごとにまとめて支払いを行うサービスです。自動引落しやメルペイ残高払いを利用する場合は、本手数料はかかりません。

コンビニ・ATMで清算する場合は、220~880円の清算時手数料が必要となります。なお、メルペイスマート払いは翌月一括払いが通常ですが、任意で定額払いも利用できます。しかし定額払いの場合は年率15.0%の手数料がかかるので注意が必要です。

【メルカリの購入時の手数料についてより詳しく知りたいなら】
メルカリの支払い方法のおすすめは? 手数料や上限金額が一目でわかる一覧も
  • メルカリの手数料7種類

    メルカリの手数料は支払い方法によっても変化します

メルカリの手数料を少しでも安くするコツ

メルカリの手数料をひと通り把握したら、手数料を安くするコツを確認しましょう。以下は、出品者と購入者別に、手数料を節約できるコツをまとめた一覧です。

出品者/購入者 コツ 節約できる手数料
出品者 メルペイを利用 振込手数料
現金化の際はまとめて振込申請 振込手数料
キャンペーンを利用 販売手数料など
販売価格をゾロ目にする  
購入者 クレジットカードやメルペイ残高で支払う 決済手数料
売上金で支払う 決済手数料
キャンペーンを利用  

それぞれのコツを具体的に見ていきましょう。

メルペイを利用する

スマホ決済サービス「メルペイ」に対して売上金をチャージすると、通常必要となる200円の振込手数料がかかりません。さらに売上金は180日以内に振込申請をしないと無効となりますが、メルペイにチャージすると無期限となります。

メルペイは多くのお店で利用できて便利なので、振込手数料を節約したい場合は、このコツを活用しましょう。

現金化するときは、なるべくまとめて振込申請する

売上金の振込申請は、その都度行うのではなく、まとめて行った方が、振込手数料が節約できてお得です。

ただし、メルカリは売上金の獲得から180日で失効してしまいます。売上金が失効しないよう、忘れず振込申請をしましょう。なお、本人確認を行うと振込申請までの期限がなくなり、売上金の期限切れの心配をしなくてよくなります。

手数料無料やポイント還元などのキャンペーンを利用する

メルカリでは、販売手数料が無料になる出品者向けのキャンペーンや、ポイント還元が受けられる購入者向けのキャンペーンが開催されています。常時開催されているわけではないため、キャンペーン開催情報をこまめにチェックし、積極的に活用しましょう。

販売価格をゾロ目にする

手数料の節約とは少々違いますが、販売価格をゾロ目にすると、メルカリのシステム上、同じ手数料で検索結果の表示順位が有利になります。

というのも、メルカリでは販売手数料10%の計算結果で小数点が発生した場合、小数点以下は切り捨てとなります。例えば1,000円と999円の商品を販売すると、販売金額は999円の方が1円少ないですが、どちらも売上金は900円で変わらないということになるのです。

購入者が商品価格の安い順で検索すると、当然999円の方が1円安いため上位表示されるので、受け取る金額はそのままに商品の販売機会がアップするというわけです。

クレジットカードやメルペイ残高で支払う

購入者は、クレジットカードやメルペイ残高で支払うと、コンビニ払いやATM払いなどで1回100円以上かかる決済手数料が無料となります。メルペイで商品をよく購入する場合は、積極的に利用したい支払方法です。

売上金で支払う

メルカリで出品と購入の両方を行っている人の場合、売上金を使ってメルカリの支払を行うのもおすすめです。売上金をポイント購入もしくはメルペイにチャージして支払うだけで、決済手数料の節約になります。

  • メルカリの手数料を少しでも安くするコツ・裏ワザ

    メルカリの手数料は工夫次第で節約できます

メルカリの手数料は高い? 他のフリマアプリと比較

メルカリの手数料は、他のフリマアプリと比べて安いのでしょうか、それとも高いのでしょうか。メルカリと同様、有名なフリマアプリのラクマ・ヤフオク・PayPayフリマの手数料の中でも販売手数料を比較します。

ラクマは場合によっては手数料が安い

ラクマの販売手数料は2023年8月1日より、商品価格の一律6.6%から、4.5~10%の間で変動する仕組みに変更になりました。

2021年1月12日までは一律で税抜3.5%(税込だと3.85%)だったので、前回の一律6.6%はそれより高くなっていたのですが、今回の変更により、場合によっては6.6%よりも安い場合も出てきました。

なお変動の仕組みについては下記のようになっています。前月26日~当月25日内に取引完了した状況によって、翌月の販売手数料が決まります。

合計販売回数 かつ 合計販売金額 販売手数料
下記未満 10%
4回以上 かつ 5,000円以上 9%
6回以上 かつ 10,000円以上 8%
8回以上 かつ 30,000円以上 7%
10回以上 かつ 50,000円以上 6%
10回以上 かつ 100,000円以上 4.5%

多くの回数、そして多額の販売取引ができれば、メルカリより安価な手数料となります。

ヤフオクはメルカリと同程度

ヤフオクの落札手数料(メルカリでいう販売手数料)は、Yahoo!プレミアム会員の場合8.8%、非会員の場合は10%です。販売手数料については、メルカリと大きな違いはないと言えるでしょう。

PayPayフリマが業界最安値の5%に

一方、PayPayフリマの販売手数料はかつて、メルカリと同じ10%でした。しかし2021年1月20日より5%へ値下げし、他のフリマアプリと差別化した安い手数料を打ち出しました。メルカリの半額という手数料は魅力的です。

また5%は、前述のラクマにおいて「10回以上 かつ 100,000円以上」という条件を満たしたケースを除いては、業界最安値と言えます。

さらに、2023年9月11日現在、2022年2月9日以降に初回出品した人について、初めて売れた商品は販売手数料が無料になります。

メルカリに限らず、他のフリマアプリの手数料も改定やキャンペーンなどがあるので、定期的にチェックするといいでしょう。

  • 他のフリマアプリとメルカリの手数料比較

    メルカリと他のフリマアプリの手数料を定期的にチェックしましょう

メルカリの送料 - 赤字にならないよう、逆算して販売価格を設定しよう

最後に、手数料とは少し異なりますが、販売者にかかる費用として避けては通れないメルカリの送料を紹介します。

メルカリの送料は、出品者が出品者負担か購入者負担かのどちらかを選択することができ、出品時に「送料込み」または「着払い」を設定します。

料金はサイズや配送方法などによって異なりますが、主なものは以下の通りです。

■ネコポス<らくらくメルカリ便>
(角形A4サイズ、縦23~31.2cm、横11.5~22.8cm、厚さ3cm以内)
1kg以内で210円(税込)

■ゆうパケット<ゆうゆうメルカリ便>
(A4サイズ、3辺合60cm以内、長辺34cm以内、厚さ3cm以内))
1kg以内で230円(税込)

■ゆうパケットポスト<ゆうゆうメルカリ便>
(専用箱は縦32.7cm、横22.8cm、厚さ3cm)
2kg以内で215円(税込)
※別途、専用箱代で65円、発送用シール代(20枚入り)で100円がかかります

■定形郵便(定形封筒など、縦14~23.5cm、横9~12cm、厚さ1cm以内)
25g以内で84円(税込) 50g以内で94円(税込)

■定形外郵便(規格内:縦34cm、横25cm、厚さ3cm以内、規格外:3辺合計90cm以内、縦60cm以内)
・規格内
50g以内:120円、100g以内:140円、150g以内:210円
250g以内:250円、500g以内:390円、1kg以内:580円 ※すべて税込

・規格外
50g以内:200円、100g以内:220円、150g以内:300円、250g以内:350円
500g以内:510円、1kg以内:710円、2kg以内:1,040円、4kg以内:1,350円 ※すべて税込

節約方法を知ってメルカリ手数料を抑えることで損を防ぎ、利益を確保しよう

メルカリの手数料の概要と、手数料を節約するコツを中心に解説しました。メルカリは多くのユーザーが使用していて、活気がありますが、手数料が若干高くなっています。メルペイなどもうまく活用して、手数料を節約しましょう。