2009年、NHK『天才てれびくんMAX』の音楽コーナーから誕生した5人組ダンス&ボーカルユニット・Dream5のダンス担当メンバーとしてデビューした“あきらきゅん”こと高野洸(23)。グループ活動終了後はミュージカル『刀剣乱舞』、舞台『ヒプノシスマイク』といった2.5次元作品をはじめ、ドラマ『わたし、定時で帰ります』(TBS系)などに出演。俳優として活躍中だ。

グループ活動後「俳優一本でやる」としていたが、2019年1月にソロ歌手デビュー。本日3月24日には1stアルバム『ENTER』を発売した。音楽シーンに戻ることを「全く想像していなかった」という高野に、これまでのアーティスト活動や俳優との二足のわらじについて聞いた。

  • 高野洸 撮影:蔦野裕

『天才てれびくんMAX』の前代未聞となる全国オーディションに多数の応募があり、その中から選りすぐりの5人を選出。そのうちの一人が、高野だった。

「5歳からダンスをやっていたのでダンスコンテストに応募する感覚で受けたんです。最終審査では『歌の審査』『ダンス審査』『歌&ダンス審査』の3部門があって好きなものを選べた。僕は『歌&ダンスを挑戦したかったのですが、親が『ダンスだけにしとき』って(笑)。止めたのは歌が下手だったからだと思う。結果的に歌もやっていたらごちゃごちゃになっていたと思うし、歌が上手な人はたくさんいますので、ダンスだけで受かったのはよかった」と当時を振り返る。

Dream5はアニメ『妖怪ウォッチ』のエンディング曲「ようかい体操第一」で大ブレイク。音楽番組などに引っ張りだことなり、2014年に企画コーナーで『NHK紅白歌合戦』に出場した。

2016年12月にDream5は活動終了に。以降、高野は途切れることなく2.5次元作品に多数出演し続け、2018年にはミュージカル『刀剣乱舞』の刀剣男士としてまたもや『NHK紅白歌合戦』の企画コーナーに出場。21歳にして2度の紅白のステージを経験した。

2度目の紅白に出場した約1カ月後にソロ歌手デビュー。舞台やミュージカルで培った表現力と歌唱力の高さをみるとデビューは自然な流れと思えるが、本人は「ソロデビューは考えていなかった。役者一本でやると思っていたので全く想像していなかったです」と本音を明かす。

それでもデビューしたのはファンへの感謝があるからだ。「デビューへの流れの始まりはファンミーティングでした。会場が800人キャパシティーで何かしないともったいないなと思い、歌のコーナーを作ることになったんです。でも、人の曲をカバーするのは避けたかった。そしたら『じゃあ作ってみる?』という流れに。事務所にも協力していただき、ありがたいことに3曲を作っていただいて、それをファンミーティングでサプライズ披露しました。そしてその後、CDとしてリリースすることになったんです」。

こうして1stシングル「LOVE STORY」が完成。ファンから募集した恋愛ストーリーを歌詞に反映させた楽曲で、“ファンと一緒に作り上げた”新たな第一歩となった。「これが世に出たときは覚悟しましたね。生ぬるい感覚ではやっていけない。でも、自分がやってきたグループ活動の経験も活かせないわけじゃないですし、なんならアーティスト一本でやっていくのではなく俳優としても活動している強みを出していきたいんです」と語る。