「新時代の任侠物」をテーマに展開するブシロード発のメディアミックスプロジェクト「ROAD59 -新時代任侠特区-」。俳優・京本政樹が出演するなど、発足直後から話題となっていた本プロジェクトは、2020年12月にプロジェクト第1弾となる舞台公演を実施。プロジェクトとしての第一歩を踏み出した。

  • 奥仲麻琴(おくなかまこと) 11月18日生まれ。埼玉県出身。プラチナムプロダクション所属。2015年 ガールズロックユニット「PASSPO☆」を卒業し、現在は女優として舞台・ドラマを中心に活動中。『仮面ライダーウィザード』にヒロインのコヨミ役として出演。現在放映中のドラマ『ももいろ あんずいろ さくらいろ』にて主演となる川上杏役を務める

続く展開に注目が集まるなか、2021年4月15日に第2弾公演となる舞台『「ROAD59 -新時代任侠特区-」摩天楼ヨザクラ抗争』の開幕が決定。本舞台は、第1弾で暗示された各キャラクターの背景や関係性がさらに深堀りされる内容となる予定だという。また第2弾公演には、新たなキャラクターも登場。その一人が、聖母のような慈愛ある優しい笑みを浮かべた隻眼のシスター、マリア・ベルナールドだ。今回は、マリアを演じることになった女優・奥仲麻琴のインタビューが到着した。

●芝居にのめり込むようになったきっかけ

――現在放映中のドラマ『ももいろ あんずいろ さくらいろ』にご出演されるなど、女優として活躍する奥仲さん。元々はガールズロックユニット「PASSPO☆」(及びぱすぽ☆)の一員として活動されていました。

元々この業界に入ろうと思ったきっかけは、お芝居をやりたかったからなんです。ご縁もあって「PASSPO☆」として活動していたのですが、ある時に「あれ、私、まだお芝居できていないな」と思って。そんな時に、『仮面ライダーウィザード』のオーディションのお話をいただいたんです。これがきっかけとなり、本格的にお芝居へ打ち込むようになりました。

――『仮面ライダーウィザード』ではヒロインのコヨミを演じていました。夢のひとつであったお芝居を本格的にやってみて、いかがでしたか?

難しい世界だということを痛感しました。『仮面ライダー』の世界観は現実世界とは異なりますし、私自身、映像の経験がないまま臨んだ現場だったので、苦戦することが多かったんです。コヨミって、わりと分かりやすい人物だとは思うんです。それでも最初は全くつかめなかった。当時はその分かりやすい人物ですら、表現の仕方が分からなかったんです。ただ、約一年間コヨミを演じるなかで、台本を読み解く力が少しずつ身についていき、現場にいるみなさんとの信頼関係も築けたことで、お芝居が楽しいと思えるようになりました。

――『仮面ライダーウィザード』で学んだことは多かった。

多かったですね。あの現場にいらっしゃったスタッフさんは、昔から色々な役者さんの芝居を見てきた方々ばかり。そんな現場でお芝居ができたのは、幸せ過ぎることでした。あの環境にいられたからこそ、「もっとお芝居をやりたい」と思うようにもなったんだと思います。

●未知の世界への挑戦、不安と期待

――その後、女優としてさまざまなドラマ・舞台などに出演されます。そのなかで、お芝居に対する意識に変化はありましたか?

年齢を重ねるごとに、「作品としていいものを作りたい」という意識が強くなりました。「どうしたら見ている方々に伝わるんだろう」と考えるようになったんです。若い頃はがむしゃらにお芝居をしていましたが、今は私自身を客観的に見てお芝居をしなきゃいけないと思うことが多いですね。……ただ、実は私、20歳から5年ほどの間、お芝居をすることが怖かったんです。演じることが恐怖だった。この期間を自分の中では空想の5年間と呼んでいます(笑)。

――なぜ、怖くなってしまったのですか?

「いい作品を作り上げなきゃ」と思えば思うほど、「自分にできるのかな」と不安になってしまったんです。台本をいただく度に「怖い、怖い」って感じていました。それでもやらなきゃいけない……というか、進まないといけない。この恐怖は自分で乗り越えないといけないなと思っていたんです。

――それほど恐怖に感じていても芝居を続けたいと思えた理由は?

これまで関わってくださった方々への「感謝」の気持ちがあったからです。いまオンエアされているドラマは、撮影の期間が短かったのですが、その中でスタッフさんにお世話になることがすごく多くって。心の底から「この人たちともっとお仕事をしたい、また会いたい」って思ったんです。この業界で仕事を続けていれば、どこかでまたご一緒できる機会がある。その機会がくるように頑張ろうという気持ちになれたんですよね。

――夢であったお芝居をやっていくなかで、関わった方々から貰った恩を返したいと思うようになった。

色々な役者さんがいるなかで私を使ってくださった、選んでくださったマネージャーさんやプロデューサーさん、技術面で支えて下っているスタッフのみなさんには、感謝の気持ちでいっぱいです。そういう方々に成長してからまたお会いできたら、それ以上に嬉しいことはないと思いますね。

――「ROAD59 -新時代任侠特区-」も、新たな出会いが生まれる場所となります。

そうですね。メディアミックスプロジェクトという、私にとってはあまり経験したことがない、新たな挑戦となります。未知の世界への挑戦だったので最初は少し不安でしたが、森プロデューサーさんとお話をしたことで、楽しみな気持ちのほうが大きくなりました。今はみなさんと一緒にキャラクターを作り上げていけることに、ワクワクしています。