数学や物理学などで使用する単語「ベクトル」は、ビジネスシーンや日常会話でもよく使われます。ベクトルはビジネスの場において、上司や取引先との会話の中で出てきますが、よく意味が分からなかったという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、「ベクトル」の意味や使い方を説明します。正しく理解し、ベクトルという言葉をビジネスシーンで使いこなしていきましょう。
ベクトルの意味
ベクトルとは、「大きさと向きを持つ量」を意味する言葉です。物事や考え方の向いている方向などを指し示す時に使われ、抽象的な意味も持っています。ベクトルは分野ごとで意味や使われ方が異なるので注意しましょう。
数学や物理の場合
数学や物理では、大きさと向きの2つの量を合わせてベクトルと言います。有向線分と呼ばれる向きと大きさを表すグラフで表され、似たような単語は大きさを表す「スカラー」です。
声の場合
「声のベクトル」とは、声を届ける方向と声を届ける対象との距離のことを言います。声を上手く相手に届ける際に必要となる要素がベクトルです。聞き取りやすい声で話している人は声のベクトルを上手く調整しています。
ゲームの場合
ゲームで使われるベクトルは「大きさと向きを表す量」のことです。ゲーム作りにおいて、敵や味方など2つの視点からベクトルを算出することが少なくありません。そのためゲームを作る上でベクトルは必要不可欠とされています。
日常会話の場合
日常生活で耳にするベクトルは「考え方や物事の方向」を意味します。誰かと話している時、話の方向性がすれ違っていると感じた時に「ベクトルが違う」と表現したり、相手と息を合わせたい時に「ベクトルを合わせよう」と表現したりします。
ビジネスシーンにおけるベクトルの例文
ベクトルの意味が分かっても、使いこなせないと意味がありません。ここからはベクトルを用いたビジネスシーンでの例文を紹介します。実務の中でベクトルを使いこなせるよう、ぜひ参考にしてみてください。
ベクトルを合わせる
「ベクトルを合わせる」は、「考え方の方向」をベクトルと表現し、考え方や目標を一致させておくことを意味します。
<例文>
- 今度のプロジェクトが成功するように、メンバー間でベクトルを合わせておこう。
ベクトルが向く
「ベクトルが向く」は、目標の達成に向けての姿勢のことをベクトルと表現しています。ここでの「ベクトルを向く」とは、社員一同が同じ方向を見ることです。
<例文>
- 全員が同じベクトルを向かないと良い会社にはならない。
ベクトルを最大化する
「ベクトルを最大化する」では、社員一人一人の力やアイデアの方向性のことをベクトルと言っています。ここでの「ベクトルを最大化」とは、社員が一丸となって力を合わせることです。
<例文>
- 会社の状況は芳しくないが、会社のベクトルを最大化して乗り切って行こう。
ベクトルが一致する
「ベクトルが一致する」は、考え方や手順の方向性のことをベクトルと表現しています。ここでは、プロジェクトに向けての考えや手順が社員間で共有されていることをいいます。
<例文>
- 社員間でベクトルが一致していたので、プロジェクトを滞りなく進行することができた。
日常生活でのベクトルの使い方
日常生活でのベクトルの使い方を紹介します。基本的にはビジネスシーンでの使い方と変わりません。ビジネスシーンと同じように、「物事や考え方の方向や対象への態度」のことを表現するのに使います。
<例文>
- 友達と話すとベクトルが異なる考え方を手に入れられる。
- 彼とはベクトルが一致している。
- 彼女のベクトルが自分に向いていない。
ベクトルの英語表現
ベクトルは英語で「vector」と書きます。日常生活はもちろん、ビジネスシーンでも使える表現のため、積極的に活用してみましょう。
<例文>
- We have similar vectors.(私たちは似たベクトルを持っています)
- The vector of this talk is seeing signs of success as a result.(この話のベクトルは、結果として成功の兆しを見ています)
ベクトルの意味を知り適切に使おう
ベクトルの意味や使い方を紹介しました。ビジネスの場において意味や使い方が分からない単語に出会うことはよくあります。そのような単語をひとつでも多く理解し使いこなせる人は周囲から一目置かれるでしょう。
ベクトルは、意味が抽象的で捉えにくい単語ですが、一度理解すればしっかり使いこなせます。ベクトルを的確に使いこなし、周りに好印象を与えるビジネスパーソンを目指しましょう。